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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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#藻場

ブルーカーボンのおさらい(1)

ブルーカーボンについては何度もご案内してきましたが、Jブルークレジットの試行事業が始まり、企業の取り組みが始まり、環境省・国交省(港湾局)・農水省(水産庁)及び自治体が推進し、それに伴いメディアでの露出も高まり、改めて問い合わせも多く受けるようになりました。 Jブルークレジットのエバンジェリスト(?!)として全国行脚している私としては嬉しい限りですが、だからこそ、これまた繰り返しご案内している「カーボン・クレジット」と同様、ウォッシュ批判されることのない「高品質なブルーカー

Jブルークレジットのスゝメ(10)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ10回目。 前回までで、算定方法についての説明は終了していました。 最終回は、申請書の作成方法について見ていきましょう。 何よりもまず、申請するJブルークレジットの量を確定させます。 これまで見てきた算定方法の中から、申請するプロジェクトに対して適切な方法(式1、式2-1、式2-2がありましたよね)を選択。必要なデータを、現地調査及び文献から把握、算定を完了させましょう。 申請量は、算定量とは異なります。 3回目、4回目、5回目で

Jブルークレジットのスゝメ(9)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ9回目。 前回から、吸収係数の説明をしております。 8回目では、「単位ロープ当たりの湿重量」のお話までで終わっていましたので、今回は、「ブルーカーボン残存率」に入ってきます。 「ブルーカーボン残存率」は「式2−1」「式2−2」において登場する要素で、藻場や養殖プロジェクトにおいて、現地調査を実施する場合に用います。 さて、「ブルーカーボン残存率」はそのものズバリが文献値として存在するのではありません。「式2」を採用する場合のCO2吸

Jブルークレジットのスゝメ(8)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ8回目。 前回は、算定方法のうち「式1」まで説明しました。 今回は、「式2−1」「式2−2」についてお話ししましょう。 どの算定式を選ぶかは、認証の手引にある「算定フロー」にしたがって選定を行います。 「単位面積当たり/単位ロープ当たりの湿重量」を現地調査等によって計測する場合は、全てこちらの算定式を用いることになります。 養殖の場合はロープ養殖の場合があるため分かれていますが、両者は基本的に同じです。いずれも、「重量」を計算するた

Jブルークレジットのスゝメ(7)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ7回目。 前回から、算定方法に入っています。 ブルーカーボンでは、活動量として、面積あるいは養殖ロープの長さを現地調査等により把握することが、算定の第一歩であるというところまで説明しました。 今回は、吸収係数の説明を行って行きたいと思います。 吸収係数をどのようにして把握するかにより、3種類に分類されます。こちらのフローを辿って、適切な算定式を選択しましょう。 最初は、養殖海藻藻場以外の場合です。 マングローブや干潟については、面

Jブルークレジットのスゝメ(6)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ6回目。 5回目は、Jブルークレジットの対象となるプロジェクト要件の内、「1.プロジェクトの内容」について説明を行いました。 お待たせしました。 今回から、調査・算定方法の説明に入っていきます。 まず、2回目で説明した、何がブルーカーボンなのかをおさらいしましょう。 認証申請の手引では、このように説明しています。 そう、森林吸収系のグリーンカーボンのように、生体そのものに固定される炭素量ではなく、生体を通じて吸収され、土壌や海水中に

Jブルークレジットのスゝメ(5)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ5回目。 4回目は、Jブルークレジットの対象となるプロジェクト要件の内、「1.プロジェクトの属性」について説明を行ったところでした。 今回は「2.プロジェクトの内容」について説明を行っていきます。 認証申請の手引には、対象プロジェクトの種類として、自然基盤のものと人口基盤のものがあると整理されています。 世界的に見ると、圧倒的に多いのは「マングローブ」です。 それも、10,000ha以上の大規模なプロジェクトばかりです。 なので、熱

Jブルークレジットのスゝメ(4)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ4回目。 3回目からは申請の具体的なステップに入っています。 さて、「どんなプロジェクトが対象になるのか」を判断する際には、次の2つのポイントがあるのでした。 そして「1.プロジェクトの属性」には「追加性」と「ベースライン」という要件がある、3回目では「追加性」までご案内しました。 なので、今回は「ベースライン」の説明から入っていきましょう。 「ベースライン」もクレジットでは頻出ワード。 クレジットが生まれる基本が「ベースライン&

ブルーカーボンのご案内

以前、ブルーカーボンを推進している旨、お伝えしたことがありました。 「ブルーカーボンとは何ぞや?」については、こちらを参照頂くのが一番良いです。国内の第一人者、港湾研究所の桑江先生が、こちらで説明されています。 そのなかで、このようにご自身の経験を交えて紹介されています。 具体的にはどんなことをやっているのか、どのような思いで実施されているのかは、こちらのブログが分かりやすく、共感できます。 もちろん、桑江先生も寄稿されています。 さて、ここで改めてご案内するのは、