園田隆克@GHG削減サポーター

2009年、国内におけるカーボン・クレジットに携わり、PDD作成支援や第三者検証業務、…

園田隆克@GHG削減サポーター

2009年、国内におけるカーボン・クレジットに携わり、PDD作成支援や第三者検証業務、オフセット商品開発を行う。現在、事業者のGHG排出量算定・検証業務及び削減支援、ブルーカーボン創生支援及びそれを活用した地域活性化を推進。ボランタリークレジットの普及にも注力。

マガジン

  • 算定と検証の実際

    躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。

  • 算定実務者必須データ&レポート

    算定は、データ収集及びレポートの通読が全て。一次データから二次データ。レギュラーもあればイレギュラーもある。忘れそうなそんな時、このマガジンがお役に立ちます。お役立ちサイトも紹介しますよ。

  • 気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

    双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んでいきましょう。

  • 目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

    2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していきます。イニシアチブの動向もお届けしますね。

  • CDPとSBTiをマークしよう

    目標設定といえばSBTi、情報公開といえばCDP。算定実務者としては、この2つのイニシアチブの動向は常にウォッチしておく必要があります。そんな皆さんを応援します。

最近の記事

検証と監査・審査を区別しよう(1)

2022年4月4日には、東京証券取引所(JPX)が、それまでの、一部、二部、マザーズ及びJASDAQという4区分から、プライム、スタンダード及びグロースという3区分に改編したことは、よくご存知かと思います。 プライム上場企業は、上場基準として、「ガバナンス・コード(一段高い水準の内容を含む)全原則の適用」が求められました。 上場基準の「ガバナンス」にある「ガバナンス・コード(一段高い水準の内容を含む)全原則の適用」というのが、分かりにくいですね。 つまり、「一段高い水準

    • 兵庫運河におけるブルーカーボン取組視察

      J-ブルークレジットを所掌している「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 (JBE)」の母体となっている「ジャパンブルーエコノミー推進研究会 (BERG)」の勉強会。 いつも、新橋の会議室で行っていますが、「東京以外でも開催してほしい」「現場へも足を運びたい」という会員の要望により、日本で最も熱い(?!)、関西、神戸へと繰り出しました。 初日は「兵庫運河」で、現地視察を行った後、場所を移動して、兵庫運河で生まれたJ-ブルークレジットを購入頂いた、神戸酒心館での勉強会。

      • SBTi参加企業数アップデート

        毎月定例のSBTi参加企業数、2024年6月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年6月27日現在です。 前回はこちら。 前回から、Target dashboardを、LegacyからBetaへ変更しました。 昨年5月にBetaの運用は開始済みでしたが、データのフィルタリング方法が変更となり、これまでのグラフ等との継続性が保てなくなるので、当面Legacyを使用していました。ただ、運用開始から1年が経過し、そろそろかとは思っていました。 そんな中、「1.5

        • 各国CPにおけるクレジットの扱いについて(1)

          先日、世界銀行がリリースした「State and Trends of Carbon Pricing 2024」によると、全世界において、75の炭素税及び排出権取引(ETS)が実運用されており、過去12ヶ月で2国・地域増加しているそうです。 日本では「地球温暖化対策税」が相当しますが、燃料の供給段階で課税されるため、直截的には燃料を供給する事業者が納税義務を負います。 最終的なエンドユーザーには、燃料価格に税が転嫁される形になるのですが、過程が不明瞭ですし、転嫁できていなか

        検証と監査・審査を区別しよう(1)

        マガジン

        • 算定実務者必須データ&レポート
          90本
        • 算定と検証の実際
          95本
        • 気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう
          94本
        • CDPとSBTiをマークしよう
          81本
        • 目指せネットゼロ、世界は既に動いてる
          112本
        • 国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない
          133本

        記事

          クレジットの会計上の扱いどうなるの?

          広く知られるようになった、カーボン・クレジット。 SBTiやCDPなどの環境イニシアティブも、バリューチェーン内のみでの排出量削減では1.5℃目標の達成は難しく、バリューチェーン外での削減も必要であることを認識し、BVCM(Beyond Valuec Chain Mitigation)を推奨していることは、ご存知でしょう。 まぁ、バリューチェーンを突き詰めていくと、全ての企業、自治体、個人も含まれてしまうので、あくまでも概念的なものではありますが、ヒト・モノ・カネといった

          クレジットの会計上の扱いどうなるの?

          米国のVCMの現状をおさらいしておこう

          ACXとAlliedOffsetsによる、「Sustainable Markets 」レポート。 今回は、米国のVCM事情についてでした。 なお、「VCM」は「Voluntary Carbon Market」の略称です。これは「自主的カーボン市場」と訳され、規制に基づく市場(コンプライアンス市場)と対比して使われ、前者で取引されるのは「ボランタリー・クレジット」、後者は「コンプライアンス・クレジット」です。 欧州に比較して、何かと後ろ向きな姿勢に見られがちな米国ですが、各

          米国のVCMの現状をおさらいしておこう

          JIS Q14064-1 どう変わったの?(その1)

          GHGに関するJISは複数存在します。 「ファミリー規格」とくくられますが、それぞれの関係については、このように整理されています。(それぞれの規格に同じ図が掲載されています) その中でも、算定に関わるISOは、通称「64シリーズ」と呼ばれる3規格。 検証に関わるISOは、ISO14065及び14066が代表的な規格です。 企業のサスティナビリティ担当の方が多くお越し頂いていると思いますので、検証を受ける側についてご案内していこうと思います。また、製品のライフサイクル排出量

          JIS Q14064-1 どう変わったの?(その1)

          SHK制度 「排出係数」にご用心

          皆さん馴染み深い「排出係数」 GHG排出量算定において、スコープ3については、無償で利用できる環境省のDBか、IDEAのような有償のDBか、はたまた、自社あるいは業界団体で独自に算出した係数か、などなど悩みは尽きませんよね。 さらに、粒度を上げようと思うと、サプライヤーから一次データを取得したいところ、第三者検証を受審しようとすると、エビデンスの確からしさの確認の容易さから、敢えて、汎用DBを採用せざるを得なかったり。 検証の場面でも悩ましいところではあり、お互いの落と

          SHK制度 「排出係数」にご用心

          EU-ETSのこれまでとこれから(2)

          ETSの草分け的存在、EU-ETSについて振り返りをしております。 前回は「これまで」をお届けしました。 今回は「これから」とその先を考えてみたいと思います。 開始からの20年間で、対象範囲は段階的に広げられてきました。当初は電力とエネルギー産業が主な対象でしたが、2012年からは域内航空、2021年の第4フェーズからはアルミ、セメント、化学品などの産業に範囲が及ぶようになり、現在の制度のカバー率は、EU全体の排出量の約40%に達しています。 今後、更なる対象拡大と制

          EU-ETSのこれまでとこれから(2)

          台湾のクレジット事情 現状確認

          AlliedOffsetsの隔週発行ニュースレター「Policy Carbon Currents」 気になっていたイシューをタイムリーにレポートしてくれるので、非常に助かります。 今回は、台湾のクレジット動向がテーマ。 法規制関係は中国語のみが多いので、とかく情報収集に苦慮するので、めちゃくちゃ参考になりました。 昨年23年8月、台湾証券取引所と台湾当局系ファンドの国家発展基金が共同で、台湾初のカーボン・クレジット市場「台湾炭権交易所」を設立、関連する法整備などを行った後

          台湾のクレジット事情 現状確認

          EU-ETSのこれまでとこれから(1)

          「気候変動対策は世界的な課題となっており、各国が様々な取り組みを進めている」という枕詞は既に耳にタコですが、「対策」の草分けといってよいEUの排出量取引制度(EU-ETS)について、皆さん、どれだけご存知でしょうか。 一方で、WTOルールとの整合性や他国の反発などの懸念材料がありながらも、リーケージ回避を主眼に置いた炭素国境調整措置(CBAM)が、2026年1月から開始されます。(2024年10月からEU域内の輸入事業者には報告義務が課せられています) 日本でも、何度目か

          EU-ETSのこれまでとこれから(1)

          世界銀行のCPレポート 斜め読み(2)

          世界銀行(世銀)が毎年リリースしている、「カーボン・プライシング・レポート」の2024年版が公開されたので、その内容を簡単にご紹介。 1回目は、導入で終わってしまいましたので、今回は、内容を具体的に説明していきたいと思います。 まずは、導入されている国・地域についてみてみましょう。 ICAPのレポートと同様、マップで示されていると分かりやすいですね。 世界では、75の炭素税及び排出権取引(ETS)が実運用されており、過去12ヶ月で2国・地域増加しています。この地図を見て

          世界銀行のCPレポート 斜め読み(2)

          小坪ブルーカーボンPJ 着々

          時折お届けしている、小坪ブルーカーボンPJの進捗状況。 前回は、生長している様子をお届けしました。 今回は、その収穫の様子を…と思っていたのですが、残念ながら、養殖場での収穫作業や収穫後の天日干し作業等々、都合がつかず参加叶わず。天候にも左右されるので、時期を合わせて九州からというのは、中々ハードルが高いことを痛感。やはり、移住すべきか?と悩むこの頃です。 前置きはこれくらいにして、今回は、ワカメの様子をお届けするのではありません。養殖は、11月末に種付けして、翌年2月

          小坪ブルーカーボンPJ 着々

          世界銀行のCPレポート 斜め読み(1)

          世界銀行(世銀)は、こちらのダッシュボードを通じて、世界のカーボン・プライシング(CP)の情報を発信しています。 説明をしておくと、CPには次の3つの種類に区分されます。 排出量取引(Emisssion Trading Scheme:ETS)のみであれば、ICAP(International Carbon Action Partnership)も重要な情報源です。 導入されている国・地域がマップやリストで示されますし、排出権価格(Allowance Price)のチャー

          世界銀行のCPレポート 斜め読み(1)

          CDRの真実 マイクロソフトとバイオ炭

          IPCC第6次報告書(AR6)において、1.5℃削減経路達成のためには。二酸化炭素除去(CDR)が必要不可欠であることが明らかにされたことは、皆さんもよくご存知のことでしょう。 AR5とAR6の間、2018年10月にリリースされた「1.5℃特別報告書」において、すでにCDRの重要性については明記されていたので、驚くべきことではありませんでしたが。 これを機会に、CDRの創生や利用を検討し始めた企業も多かったものと推測しますが、マイクロソフトもそのような企業の一つでした。

          CDRの真実 マイクロソフトとバイオ炭

          EFRAGのアウトリーチ半端ない

          EFRAG(European Financial Reporting Advisory Group)ご存知ですか? 欧州委員会の支援を受けて設立された民間組織で、欧州連合における財務報告基準の策定と承認に重要な役割を担っています。 EFRAGは欧州委員会の依頼を受けて、専門的な知見に基づき様々な法令のドラフトを作成します。欧州委員会はこれらのドラフトを参考にしつつ、最終的な法令化を行います。 CSRDにおける開示ルールである「ESRS」も、依頼を受けて作成。 欧州委員会

          EFRAGのアウトリーチ半端ない