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二宮|詩

西へ下って
灰色の海
雨が降りそうな
誰もいない
坂の上に立って
浜へ下る

長い階段
バイパスを通る
車の音
ここには誰もいない
君と僕以外
連れて行ってしまいそうな
波と景色だけ
そこにあるだけ

だんだん無口になって
なにもしゃべらなくなって
固く握りしめる事もなく
僕らの温度は下がっていく

ゆっくりと
自分の炎で
自分を焼いている

夏の忘れ形見のような
積乱雲が遠い彼方
そこだけ真っ白に
佇んでいる

冷たい風が吹いた
冬の予感のように
君は
僕の手をとって笑った

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