connecting bathroom

MUSIC/POETRY/PHOTO...

connecting bathroom

MUSIC/POETRY/PHOTO...

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

Night Driving|詩

口笛吹いて 君が連れ出して 名もない夜にドライブ 嫌なことなど全て 忘れて 今 広がるカーブ 冬の南風 分厚いコート 星空 甘く砕けた そうさ 僕ら 答えはきっとそんな風さ 意味のない感じさ 言いなよ 思い出なんか言いたそうさ 君の横顔は 良いのさ すぐ レコードかけて 窓を少し開け 月をなぞった 指先 手をつなぎたいような 僕は 口笛吹いて 君を連れ出して 名もない夜にドライブ 誰もいない海を 目指して すぐ 砂浜降りて 冬の海の風 倒れこむ僕ら 星空 軽く頬寄せ そ

    • 湖上の惑星

      紙の木星が浮かんでいる それを湖面が写している 私は幽霊のように周回する 不可逆の構成で思い出が巡る 暗い木 暗い木 暗い木 暗い森 暗い森 暗い森 光の尾を散らして妖精が飛んでいる 千本のタクトを振るって それで 私を眠らそうとしている 暗い穴へ 暗い穴へ 鉄の箱が私を守る 鉄の箱が私を規定する それで無機質な数式が続いてく それで私を写している 火星が君を見つめている 遠い鼾をかきながら 9.4607E+18 キロメートルと 100メートル さあ、お話をしよう よくお

      • バイバイ・バッドマン 最終回

         私は女の目の前に胡座をかいて座り込んだ。女は相変わらず、窓の外を眺めていた。私も同じように女と同じ方向を向いて外を見た。海や空は先ほどまでと打って変わって色彩を取り戻していた。目の痛くなるような鮮烈な群青色の海と、胸のすくような水色の空だった。海には見えない太陽が、そのギラギラとその光を豊かに投げかけ、水面は波打つたびに自身をキラキラと輝かせた。紛れもない真夏の海だった。窓から、ゆったりとした芳醇な海風が入ると、窓格子に吊るされたガラスの風鈴がちりんちりんと揺れた。 「綺

        • 1979

          起きたら 朝焼けなのか夕焼けなのか わからないオレンジの日差しの差す 部屋の中 アナログ時計を見ても 分かるはずもなく 飛び出して外に 思ったより暖かい風の中 混じった冷たい風が 今が夕暮れなんだと 僕に教える キーを回して 震えるエンジン 窓を開けて 海岸沿いのクルーズ 潮とシャンプーの匂い カーステレオ はるか昔に 時計が合わさる 半袖のシャツ いい感じじゃん 夏が来る 直線的なベースライン 太陽が沈む 群青色のセンターライン 夜が来る 1979 繰り返してる

        • 固定された記事

        Night Driving|詩

        マガジン

        • 詩 散文集
          61本
        • 小説
          1本
        • SEA MY PAST
          9本
        • 食べ比べ
          3本
        • BiKiNi
          2本

        記事

          サボり!サボり!サボり!

          不謹慎かもしんないけど 僕の幸せはサボりの中にある 数学の授業中に読む哲学書 バイト中に吸う煙草 会社を休んで乗る平日の空いた電車 ああ、こんなんだから何もできないんだよな ああ、わかっちゃいるんだけど ここではない何処かに行きたいだけ 相対性の中に閉じ込められてはいるんだけど そんなの本物じゃないって 言った貞操観念ゼロのあいつが言ったのは まあ、それはその通りなんだけどさ 授業を抜け出して白昼堂々飲むビールの味 デートをドタキャンして図書館で読む小説への集中 我なが

          サボり!サボり!サボり!

          花冷え

          満開となった桜が 午後には強い雨と風で振り落とされた 雨上がりの薄紅色の 3歩前を歩くあなたに 向ける私の狂った感情も 花冷え だから、きっと、秘してみせる わかっているようで わかってないようなそぶりのあなた 本当にどうでもいいと思う時もあるのに 撫でた紺色の肩に 重い花びらを 一つひっつかせて 発する唇に寄せられて 学校の壁にでも書いてやりたくなる ありとあらゆる世間から ありとあらゆる非難を浴びても 私があの子の彼氏だったらいいのに 私があの子の彼女だったら 振

          「スイッチを切らずに」と私はつぶやく。「スイッチを切らないで」と私は思う。

           正面の急なのぼり階段の中ほどには竜宮城の入り口を模したような門があった。下半身が太い特徴のある土偶のようにもったりとした門だった。白く太い足が蟹股で開かれ、その上に小さな赤い色の体が乗っかり、黒い髪の毛の屋根がついていた。階段はその股の間をくぐり右、左と折れ、上へと続いていた。  門へと進む階段の他には左側にそれを回避するように細い階段が続いていた。その道は真正面の階段を迂回するようにした後、ゆったりと右側に曲がり視界から消えていた。  私は後ろを振り返った。後ろには私

          「スイッチを切らずに」と私はつぶやく。「スイッチを切らないで」と私は思う。

          逢瀬 さようなら バッドマン

           全体的にゆったりとした太いリズムだった。間延びしていると表現しても良いかもしれない。まずは基となる大太鼓の音がただ響き渡った。体の芯まで響くような大きな音だった。三拍子か四拍子かわからない変わったリズムだった。正確に何拍か刻まれたと思うと、急に少しばかりの乱れを発生させていた。しばらくするとそこに小太鼓の音が三拍子で加わり、その間隙を流れるように尺八と篠笛の音が流れ、かすかに鈴の高い鈴の音が挟まれた。  周りの観客は依然として静かだった。僕らも黙って篝火に照らされるアスファ

          逢瀬 さようなら バッドマン

          女の子

          言葉で飛躍 敷き詰められた火薬 これから約 10年くらいで容易く 流されてしまう 感情ならどう? 不要なら問う はずの言葉はもう 色画用紙の空の中へ 消えていった わけのわからん世界 おかしくもおかしくもない 白い男 灰色男 繰り返しはヘル それで無機な救い 何がつくる 言葉がつくる 眠りと目覚めが近づく 桜が咲いている 花が咲いている 否 真っ暗闇 少女のはにかみ 永遠夏草 揺れる 揺れて しょうがなボーイ 線路は続くよ どこまでも 触れ合って 触れ合って 忘れない

          100 江ノ島 さようならバッド・マン

          ※残酷な描写があります。    車は一直線の道を速度を上げて進んだ。道の脇にずっと続く松並木が黒い壁のように連なって見える。路上に私たち以外の姿はなかった。物事はすべて止まっているようにも思えたが、松の枝が風に靡いているところを見ると、それはなさそうだった。虫の声も聞こえた。ただ無いのは人の存在だけだった。  小太りの運転手は目的地まで口をきかなかった。というよりは口をきけなかったと言った方が良いのかもしれない。島に着き、そこを渡る大きな橋の前に車を止めて私を振り返った際

          100 江ノ島 さようならバッド・マン

          無題

          確かな春が来て 僕の頭は解放された 僕はつかれている ただ ただ ただ 目を瞑るしか無い 問いかけも表現もなく たおやかで穏かな 光景だけが目の前にある ただの吐露 表題は無い 2001年の 多摩川沿い 言い訳も考えもなく 春の午後4時チョット前 ゴロゴロと寝転んで 洗濯物が揺れているのを見ている

          パンク・ロック

          真夏の前の 夜の浜辺で 江ノ島まで歩いて 帰って 話すことなら いくらでもあって ぼくら 星空があって 暗い海があって 潮風 べたついて 女の子のこと エレキギター 存在も哲学 追憶とまだ 見えない先のこと 朝がきて バイバイして 朝が来て 疲れた体で 冷たいシーツに寝転んで 真夜中の浜辺 月明かり 浮かぶ雲 学校の非常階段 真夏の夜前 夜光虫 サーチライト 続いてる 続き続けている

          パンク・ロック

          また演じて エレベーター そのスピード スマホ見る人 友達話す人 こども抱っこする人 遠い未来 いつかの話し 賽は回り続ける テレビジョンから 入り込むように いまどこ ここ こども眠っている ここ 今この地点

          純粋な空間

          たんじゅんな言葉 くやしがりな君 もつれた糸が絡まって どうにももう 抜け出せそうにも無い 早まった感想 奔放な地図 行くあての無い道を 血眼に探してる なんだかまるで そんな風に見える みんな マラソン選手 みんな 嘘みたいに 晴れ渡った空 千々れる雲 目を瞑って (目を瞑って) 心地よい空間が 現れる頃 もう気付いたよね 「もう気付いているよ」

          台風の前

           平日の朝のスーパーマーケットはまだ空いていた。僕はエアコンが効きすぎて寒い店内で品出しをする従業員をすりぬけながら、必要なものを次々にピックアップしていった。バナナと人参とブロッコリー、即席麺を一つと、菓子パンを2つとショートブレッドを3つ。缶コーヒーを3つと鶏肉とミネラルウオーターを2本、100%のオレンジジュース、ヨーグルトとナッツ。それだけ入れると買い物カゴは結構満杯になった。  レジで会計を済ませ、レジ袋に入れた品物をバックパックにそのまま格納した。ミネラルウオータ

          ラブレター

          窓辺に落ちる日 街の報らせ 昼下がりの赤いアンテナ あおぞら 猫が眠っている 君は眠っている 23歳の春が来る また再び ねえ、 巡っている また会える 海辺の手紙 つげる指先 全ては本の中 全ては本の中で 窓辺に落ちる日 街の報らせ 誰もいない部屋 揺れるカーテン 鳴らない電話 春風 君の話 君の話さ 春が来る また再び 23歳の春が また会える 本当さ 初めて会ったような 顔をして