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固定された記事

Night Driving|詩

口笛吹いて 君が連れ出して 名もない夜にドライブ 嫌なことなど全て 忘れて 今 広がるカーブ 冬の南風 分厚いコート 星空 甘く砕けた そうさ 僕ら 答えはきっとそんな風…

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半分夜

午後4時から急に半分夜のようになった 東の空から真っ黒な暗雲が立ち込めて 辺りの湿度が上がりだし 急に暑くなって強い風が吹いて 涼しくなった 君はぼつり、ぽつりと少し…

そのドアは開いている

海中を模した綱渡り 真夜中の葡萄畑で 欠けた心をそのままに 盗人たちの影法師を追う 時計が3つ回っている 何かが仮面をつけている 予感と水素爆発 全ては移ろい静止して …

湖上の惑星

紙の木星が浮かんでいる それを湖面が写している 私は幽霊のように周回する 不可逆の構成で思い出が巡る 暗い木 暗い木 暗い木 暗い森 暗い森 暗い森 光の尾を散らして…

9

バイバイ・バッドマン 最終回

 私は女の目の前に胡座をかいて座り込んだ。女は相変わらず、窓の外を眺めていた。私も同じように女と同じ方向を向いて外を見た。海や空は先ほどまでと打って変わって色彩…

8

1979

起きたら 朝焼けなのか夕焼けなのか わからないオレンジの日差しの差す 部屋の中 アナログ時計を見ても 分かるはずもなく 飛び出して外に 思ったより暖かい風の中 混じっ…

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サボり!サボり!サボり!

不謹慎かもしんないけど 僕の幸せはサボりの中にある 数学の授業中に読む哲学書 バイト中に吸う煙草 会社を休んで乗る平日の空いた電車 ああ、こんなんだから何もできない…

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花冷え

満開となった桜が 午後には強い雨と風で振り落とされた 雨上がりの薄紅色の 3歩前を歩くあなたに 向ける私の狂った感情も 花冷え だから、きっと、秘してみせる わかって…

11

「スイッチを切らずに」と私はつぶやく。「スイッチを切らないで」と私は思う。

 正面の急なのぼり階段の中ほどには竜宮城の入り口を模したような門があった。下半身が太い特徴のある土偶のようにもったりとした門だった。白く太い足が蟹股で開かれ、そ…

8

逢瀬 さようなら バッドマン

 全体的にゆったりとした太いリズムだった。間延びしていると表現しても良いかもしれない。まずは基となる大太鼓の音がただ響き渡った。体の芯まで響くような大きな音だっ…

6

女の子

言葉で飛躍 敷き詰められた火薬 これから約 10年くらいで容易く 流されてしまう 感情ならどう? 不要なら問う はずの言葉はもう 色画用紙の空の中へ 消えていった わけの…

9

100 江ノ島 さようならバッド・マン

※残酷な描写があります。    車は一直線の道を速度を上げて進んだ。道の脇にずっと続く松並木が黒い壁のように連なって見える。路上に私たち以外の姿はなかった。物事…

7

無題

確かな春が来て 僕の頭は解放された 僕はつかれている ただ ただ ただ 目を瞑るしか無い 問いかけも表現もなく たおやかで穏かな 光景だけが目の前にある ただの吐露 …

7

パンク・ロック

真夏の前の 夜の浜辺で 江ノ島まで歩いて 帰って 話すことなら いくらでもあって ぼくら 星空があって 暗い海があって 潮風 べたついて 女の子のこと エレキギター 存在…

15

また演じて エレベーター そのスピード スマホ見る人 友達話す人 こども抱っこする人 遠い未来 いつかの話し 賽は回り続ける テレビジョンから 入り込むように いまどこ…

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純粋な空間

たんじゅんな言葉 くやしがりな君 もつれた糸が絡まって どうにももう 抜け出せそうにも無い 早まった感想 奔放な地図 行くあての無い道を 血眼に探してる なんだかまるで…

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固定された記事

Night Driving|詩

口笛吹いて 君が連れ出して 名もない夜にドライブ 嫌なことなど全て 忘れて 今 広がるカーブ 冬の南風 分厚いコート 星空 甘く砕けた そうさ 僕ら 答えはきっとそんな風さ 意味のない感じさ 言いなよ 思い出なんか言いたそうさ 君の横顔は 良いのさ すぐ レコードかけて 窓を少し開け 月をなぞった 指先 手をつなぎたいような 僕は 口笛吹いて 君を連れ出して 名もない夜にドライブ 誰もいない海を 目指して すぐ 砂浜降りて 冬の海の風 倒れこむ僕ら 星空 軽く頬寄せ そ

半分夜

午後4時から急に半分夜のようになった 東の空から真っ黒な暗雲が立ち込めて 辺りの湿度が上がりだし 急に暑くなって強い風が吹いて 涼しくなった 君はぼつり、ぽつりと少しずつ 静かな声で話した ずっと遠くで降っているだろう 雨の音が聴こえそうなくらい 僕の脳裏にはなぜだかずっと昔の どうでもいい夏の風景が浮かんでいた まるで図書館でめくった古い本の紙の感触のような そして、すべてが現実味を帯びだした 「その時ね」 「うん」 「落ちていた松の葉のことをよく覚えているの」 「うん」

そのドアは開いている

海中を模した綱渡り 真夜中の葡萄畑で 欠けた心をそのままに 盗人たちの影法師を追う 時計が3つ回っている 何かが仮面をつけている 予感と水素爆発 全ては移ろい静止して 決められたサーキットを回る 悲しいことを言わないで 私たちの涙はただこぼれ落ちる 否 if 無軌道 アンド 多重多面体 否 if 無軌道 アンド 多重多面体 絵空事そしてドアホン そっと耳を澄まして その部屋のドアは開いている

湖上の惑星

紙の木星が浮かんでいる それを湖面が写している 私は幽霊のように周回する 不可逆の構成で思い出が巡る 暗い木 暗い木 暗い木 暗い森 暗い森 暗い森 光の尾を散らして妖精が飛んでいる 千本のタクトを振るって それで 私を眠らそうとしている 暗い穴へ 暗い穴へ 鉄の箱が私を守る 鉄の箱が私を規定する それで無機質な数式が続いてく それで私を写している 火星が君を見つめている 遠い鼾をかきながら 9.4607E+18 キロメートルと 100メートル さあ、お話をしよう よくお

バイバイ・バッドマン 最終回

 私は女の目の前に胡座をかいて座り込んだ。女は相変わらず、窓の外を眺めていた。私も同じように女と同じ方向を向いて外を見た。海や空は先ほどまでと打って変わって色彩を取り戻していた。目の痛くなるような鮮烈な群青色の海と、胸のすくような水色の空だった。海には見えない太陽が、そのギラギラとその光を豊かに投げかけ、水面は波打つたびに自身をキラキラと輝かせた。紛れもない真夏の海だった。窓から、ゆったりとした芳醇な海風が入ると、窓格子に吊るされたガラスの風鈴がちりんちりんと揺れた。 「綺

1979

起きたら 朝焼けなのか夕焼けなのか わからないオレンジの日差しの差す 部屋の中 アナログ時計を見ても 分かるはずもなく 飛び出して外に 思ったより暖かい風の中 混じった冷たい風が 今が夕暮れなんだと 僕に教える キーを回して 震えるエンジン 窓を開けて 海岸沿いのクルーズ 潮とシャンプーの匂い カーステレオ はるか昔に 時計が合わさる 半袖のシャツ いい感じじゃん 夏が来る 直線的なベースライン 太陽が沈む 群青色のセンターライン 夜が来る 1979 繰り返してる

サボり!サボり!サボり!

不謹慎かもしんないけど 僕の幸せはサボりの中にある 数学の授業中に読む哲学書 バイト中に吸う煙草 会社を休んで乗る平日の空いた電車 ああ、こんなんだから何もできないんだよな ああ、わかっちゃいるんだけど ここではない何処かに行きたいだけ 相対性の中に閉じ込められてはいるんだけど そんなの本物じゃないって 言った貞操観念ゼロのあいつが言ったのは まあ、それはその通りなんだけどさ 授業を抜け出して白昼堂々飲むビールの味 デートをドタキャンして図書館で読む小説への集中 我なが

花冷え

満開となった桜が 午後には強い雨と風で振り落とされた 雨上がりの薄紅色の 3歩前を歩くあなたに 向ける私の狂った感情も 花冷え だから、きっと、秘してみせる わかっているようで わかってないようなそぶりのあなた 本当にどうでもいいと思う時もあるのに 撫でた紺色の肩に 重い花びらを 一つひっつかせて 発する唇に寄せられて 学校の壁にでも書いてやりたくなる ありとあらゆる世間から ありとあらゆる非難を浴びても 私があの子の彼氏だったらいいのに 私があの子の彼女だったら 振

「スイッチを切らずに」と私はつぶやく。「スイッチを切らないで」と私は思う。

 正面の急なのぼり階段の中ほどには竜宮城の入り口を模したような門があった。下半身が太い特徴のある土偶のようにもったりとした門だった。白く太い足が蟹股で開かれ、その上に小さな赤い色の体が乗っかり、黒い髪の毛の屋根がついていた。階段はその股の間をくぐり右、左と折れ、上へと続いていた。  門へと進む階段の他には左側にそれを回避するように細い階段が続いていた。その道は真正面の階段を迂回するようにした後、ゆったりと右側に曲がり視界から消えていた。  私は後ろを振り返った。後ろには私

逢瀬 さようなら バッドマン

 全体的にゆったりとした太いリズムだった。間延びしていると表現しても良いかもしれない。まずは基となる大太鼓の音がただ響き渡った。体の芯まで響くような大きな音だった。三拍子か四拍子かわからない変わったリズムだった。正確に何拍か刻まれたと思うと、急に少しばかりの乱れを発生させていた。しばらくするとそこに小太鼓の音が三拍子で加わり、その間隙を流れるように尺八と篠笛の音が流れ、かすかに鈴の高い鈴の音が挟まれた。  周りの観客は依然として静かだった。僕らも黙って篝火に照らされるアスファ

女の子

言葉で飛躍 敷き詰められた火薬 これから約 10年くらいで容易く 流されてしまう 感情ならどう? 不要なら問う はずの言葉はもう 色画用紙の空の中へ 消えていった わけのわからん世界 おかしくもおかしくもない 白い男 灰色男 繰り返しはヘル それで無機な救い 何がつくる 言葉がつくる 眠りと目覚めが近づく 桜が咲いている 花が咲いている 否 真っ暗闇 少女のはにかみ 永遠夏草 揺れる 揺れて しょうがなボーイ 線路は続くよ どこまでも 触れ合って 触れ合って 忘れない

100 江ノ島 さようならバッド・マン

※残酷な描写があります。    車は一直線の道を速度を上げて進んだ。道の脇にずっと続く松並木が黒い壁のように連なって見える。路上に私たち以外の姿はなかった。物事はすべて止まっているようにも思えたが、松の枝が風に靡いているところを見ると、それはなさそうだった。虫の声も聞こえた。ただ無いのは人の存在だけだった。  小太りの運転手は目的地まで口をきかなかった。というよりは口をきけなかったと言った方が良いのかもしれない。島に着き、そこを渡る大きな橋の前に車を止めて私を振り返った際

無題

確かな春が来て 僕の頭は解放された 僕はつかれている ただ ただ ただ 目を瞑るしか無い 問いかけも表現もなく たおやかで穏かな 光景だけが目の前にある ただの吐露 表題は無い 2001年の 多摩川沿い 言い訳も考えもなく 春の午後4時チョット前 ゴロゴロと寝転んで 洗濯物が揺れているのを見ている

パンク・ロック

真夏の前の 夜の浜辺で 江ノ島まで歩いて 帰って 話すことなら いくらでもあって ぼくら 星空があって 暗い海があって 潮風 べたついて 女の子のこと エレキギター 存在も哲学 追憶とまだ 見えない先のこと 朝がきて バイバイして 朝が来て 疲れた体で 冷たいシーツに寝転んで 真夜中の浜辺 月明かり 浮かぶ雲 学校の非常階段 真夏の夜前 夜光虫 サーチライト 続いてる 続き続けている

また演じて エレベーター そのスピード スマホ見る人 友達話す人 こども抱っこする人 遠い未来 いつかの話し 賽は回り続ける テレビジョンから 入り込むように いまどこ ここ こども眠っている ここ 今この地点

純粋な空間

たんじゅんな言葉 くやしがりな君 もつれた糸が絡まって どうにももう 抜け出せそうにも無い 早まった感想 奔放な地図 行くあての無い道を 血眼に探してる なんだかまるで そんな風に見える みんな マラソン選手 みんな 嘘みたいに 晴れ渡った空 千々れる雲 目を瞑って (目を瞑って) 心地よい空間が 現れる頃 もう気付いたよね 「もう気付いているよ」