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詩 散文集

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記事一覧

あなたにはわかるだろうか とおい引き潮の砂の一粒を おおう天幕のその外側を すべての目覚め…

11

無い

薄い水面で溺れている 解決策はいつもある 月よナイフを研ぎ澄まし 砂漠の眠りを躊躇いつつ …

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その旗を振って/詩

暗い水面が映す 暗い心は モノクロームの夢で 僕らを包んで 黄昏の彼方に 運び去ってしまう 神…

9

時間が来て/詩

規制とかきたいやら うるさいな 冷静さ 本当だよ ペットボトルのミルクティーの そこに溜まっ…

10

テル|詩

一人離島の丘から 光り輝く3つの日の入りを見た 君に衛星電話をかけながら

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Questions|詩

かけ離れた名前を しっかり殺して詰め込んで 夜が 君を 全てを盗む頃に 長く続く緩やかな坂…

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プロローグ|詩

誰もいない真夜中のグラウンドの 朝礼台に寝そべって 僕ら3人はじっと流星群を見上げていた 一面が 一瞬明るくなるような 一際大きな流星が 充分すぎる時間を持って 僕らの目の前に現れた時 僕らは確かに何かを強く願ったんだ 潮を含んだ ゆるい風が 松の葉を揺らし 僕らの脇を通り抜ける頃 時間と空間が緩やかに だけどはっきりと あるべき仕組みを取り戻した時 僕らはまた元いたところに戻された それから 重く薄い暗いベールをいくつもくぐり抜け 在り得ない物語にも足を踏み入れた 選

SUMMER WARS|詩

課題図書を投げ出して1998 畳の上ゴロゴロ いいな  どっか 遠く 波音 聴こえる祭囃子が こ…

11

タッチ|詩

その部屋からは中くらいの川を挟んで 遮るものがなく公園が見えた 公園では土日になると 野球…

14

ハイ・スクール|散文

 学校というのはいつも退屈なものだ。何かを持て余した退屈。でも、その道筋を見つけていたと…

16

やがて飛行機に乗る|詩

会わなくなり 意味は去り 何れ遠くの風のように 退屈 嘘 かき集めてただけなのに 曲がる3…

15

私|自由律短歌

差し出しも 明け渡すものもない 刻まれた この赤いシンのみ 在り処を萌やす

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サイダー序文|散文

 学校での僕は仮の僕だ。本当の僕は学校から帰ってきて、鉄でできた重く古いドアを開け、自室…

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明けの宵|詩

明けの夜の鳥が 青をすくよ 声は やがて消えるよ 君の片腕がするりと はるか遠くの氷山 横たわる島 指もささずに ずっと 黒い蜥蜴がゆっくりと 早く萌える馬 広がる沙の海は 月は衰えた きっと 明けの夜の鳥が 青をすくよ 夜の明けの鳥が 青をうつすよ 声は やがて消えるよ