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トビアス・ラウ氏「ばいやんを倒すなら今がチャンスだ」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

元プロサッカー選手のトビアス・ラウ氏は、現役引退後、スポーツ学、教育学、生物学を大学で学び、教職課程を修了した。しかし、現在は、コロナの感染拡大により、39歳の彼は教壇に立つことができていない。

月曜の夜には、6冠を達成したばかりのFCバイエルンがホームでアルミニア・ビーレフェルトと対戦する。元プロ選手のトビアス・ラウ氏がこの試合を前に、ビーレフェルトの降格争い、かつての同僚であるサリハミジッチやカーン、そして左サイドバックの問題について、ドイツ『skysport.de』の独占インタビューで語ってくれた。

skysport.de: 現在、アルミニア・ビーレフェルトは19試合を終え、勝ち点17で降格圏に入っていますが、まだ残留の望みは残されています。彼らが残留できる可能性は?

トビアス・ラウ:最後まで非常にタイトな戦いになるだろう。アルミニアは必要な勝ち点を得るためには、どの試合でも限界まで戦わなければならない。他のクラブの弱点を突き、うまくやっている。他のチームとは違い、今の財政状況を考えると、それ以上のことは期待できない。それでも、入替戦の順位(16位)を越えることはないだろうし、それすらも頑張らないといけない。

skysport.de:今後の対戦は、バイエルン、ヴォルフスブルク、ドルトムントと強豪との戦いが続きます。この3試合で崩れ落ちる可能性はありますか?

ラウ:そうだね。もちろん、ここから番狂わせを起こして盛り返す可能性もあるが、ほとんどの場合はあまり期待できない。そして、勝ち点を稼ぐのは少し難しいかもしれない。常にフラストレーションが溜まる試合になるだろうね。

skysport.de: バイエルン戦の前ですが、ヴォルフスブルクも好調で、今や急にチャンピオンズリーグ出場圏内にまで迫っています。現在、彼らが好調な要因は何だと思いますか?

ラウ:コンスタントかつ冷静に、良い方向へと向かっている。彼らは非常に優秀でバランスの取れたチームだが、例えば、ヴォウト・ヴェグホルストのように、違いを生み出すことができる選手もいる。

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skysport.de: さて、ミュンヘン戦に話題を移しましょう。クラブ世界王者になったばかりのバイエルンは、ホームにビーレフェルトを迎えます。彼らに対して、ビーレフェルトにはチャンスはあるのでしょうか?もしあるとしたら、どうすれば良いのでしょうか?

ラウ:バイエルン戦で考えられるチャンスがあるとすれば、連戦や移動による疲れだ。それを考えると、今がチャンスなのは間違いない。でももちろん、自分たちの戦い方で挑み、固く守って、何度もピンポイントで仕掛けていくことが必要になるだろう。そうなると、時間が経過するにつれ、どんどん勝負強さを発揮しなければならないし、そうすれば、相手の希望を絶てるかもしれない。バイエルンは最後まで冷静さを保つチームであることは間違いない。そして、疲労をコントロールすることを学んだクラブがあるとすれば、それはFCバイエルンである。必要な勝ち点を獲得するために、この試合でどれだけモチベーションを高めなければならないかを正確に理解している。とはいえ、ビーレフェルト相手に大量得点で勝利することはないと思う。

skysport.de: この試合の結果を予想すると、どうなると思いますか?

ラウ:サッカーでは、常にサプライズがあると楽しい。だからこそ、アルミニアには少しでも勝ち点をもぎ取ってくれると嬉しいね。特にブンデスリーガを盛り上げるために。でも、客観的に予想するなら、この試合はバイエルンが2:0で勝つと思う。

skysport.de: バイエルンは今のところ、移籍に関してもうまく行っている。それは主にスポーツディレクターのハサン・サリハミジッチと役員のオリバー・カーンによるものです。元チームメイトに何か言葉をかけるなら?

ラウ:誰もが2人の仕事ぶりを判断したいと思っているが、ほとんどの人には判断がつかない。それは、結果的にどうなるかに依るところが大きいね。特にダヨ・ウパメカノとの移籍に関しては、本当に素晴らしい。かつて一緒にプレーしていたから、この2人のことは知っているよ。2人とも勝負強さがあると思う。それぞれ互いをよく補完し合っていると思うし、両者ともに優れた仕事をするだろうと、私は信じているよ。

skysport.de: 2009年の、アルミニアにとってブンデスリーガ最後のシーズン、あなたはそこで降格を経験しましたね。この時、クラブはあっという間に3部リーグまで下っていった。今季のビーレフェルトにとって降格は何を意味しますか?

ラウ:当時は、非常に長い間ブンデスリーガ残留を続けていたとはいえ、毎年降格との戦いを繰り返していた。降格は意識していたよ。確かに、慣れによるメリットはあるだろう。もちろん、こうしたシーズンは、その後の辛い日が思い起こされる。何度も戦い抜き、実際になんとか残留できるように、自分たちの力を限界まで追い込んでいった。降格争いを強いられていると、充実とか満足という雰囲気はない。特殊な状況なため、そこに考え方を合わせにいく必要がある。それをチームとしてできるかどうかが大きな問題だね。

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skysport.de:ドイツ代表では左サイドバックとして8試合に出場し、ゴールも決めていますね。あなたの昔馴染みのポジションは、何年も前から代表チームの弱点とされてきました。その理由は何でしょうか?

ラウ:左サイドバックのポジションは、私の時代にも弱点として指摘されることが多かった。単純に左利きの選手が少ないほか、輝きにくいポジションだ。運動量が多く、また、サイドから来る非常にドリブルの強い相手に対応しなければならないことが多い。だからこそ、他のポジションに比べてもミスが多くなるのではないだろうか。あまり良く見られないこともしばしばあるね。様々な要因が絡んでいると思う。このポジションはまた、多くのクラブでは常に空席があり、彼らは常に適任者を見つけようとしている。

skysport.de: もし次の欧州選手権で代表監督をやらせてもらえるとしたら、左サイドを守るのは誰ですか?

ラウ:正直、あまり自信がなくて、具体的な選手を挙げることはできないね。私も見る目がないから、正しい判断ができるとは思っていない。とはいえ、きっと検討したら面白いだろうし、楽しみな選手たちもいる。

skysport.de: プロ選手としてのキャリアを経て、あなたは教職課程を修了されましたね。教師として、あなたもコロナ感染拡大の影響を大きく受けています。現在の状況をどのように感じていますか?

ラウ:生活は一変し、間違いなく難しい状況と言えるね。まったく新しい生活に慣れる必要があるほか、おそらく、普段は好まないことにだって慣れなければならない。でも、こうした状況の中でも柔軟性を持ち、最善を尽くすことが大切だと思う。たとえ今の最善が、以前ほど良いものではなくても。今の状況をきちんと受け入れ、前よりも何が悪くなったとか不満を垂れたり、思い悩んだりしないことが大切だね。

▼元記事
https://sport.sky.de/fussball/artikel/fussball-news-tobias-rau-im-exklusiv-interview-mit-sky-vor-bayern-bielefeld/12216805/35311


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