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ラーム氏の語る「近日発売の著書、現在のばいやん、アラバの退団」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

フィリップ・ラーム氏が『スカイ』の独占インタビューに応じ、新刊の出版、ダビド・アラバのクラブ退団とFCバイエルンへの影響、そして後釜のダヨ・ウパメカノについて語ってくれた。また、コロナ禍のいま、計画が進められている欧州選手権について、大会アンバサダーとしてもコメントしている。

スカイスポーツ:最初の著書と比べ、今回の新刊は、どういった点が違うのでしょうか?

フィリップ・ラーム:最初は古典的な伝記だった。今回はどちらかというと、サッカーやそこに潜む闇の部分にスポットを当て、私の意見や、ものの見方を描いている。例えば、ユースサッカー、サッカーにおけるボランティア活動といった様々な話題のほか、人種差別、スタジアムでの暴力、同性愛など。それが、今回取り扱っているテーマの全容だ。

スカイスポーツ:この本の中で最も重要な、あるいは個人的に特に伝えたいメッセージとは、何でしょうか?

ラーム:この本の中で扱っているトピックは、どれも重要なものだ。私にとって非常に重要なのは、ユースサッカーのほか、サッカーが私たちの社会の中でどのような意味を持つか、ということである。これらは私にとっては非常に大切なことであり、それはこの本からも感じ取ってもらえると思う。

スカイスポーツ:同性愛の話題が出ました。ドイツのサッカー雑誌『11フロインデ』編集部のスタッフが、同性愛者のカミングアウトを支援すると呼びかけたことで、選手たちによるキャンペーンが開始されました。本の中では「まだその時ではない」と述べていますね。なぜだと思いますか?

ラーム:何よりも、これは素晴らしいキャンペーンであり、このようなキャンペーンがあることをとても嬉しく思っている。私は本の中では、むしろそのリスクについて語っている。何が起こりうるかということを。危険性を指摘することも仕事の一つだと考えているからね。とはいえ、勇気を持ってこの一歩を踏み出す人がいるなら、私はそれを応援したいと思う。

スカイスポーツ:具体的にどのような危険性があるのでしょうか?

ラーム:試合の中で、暴力や人種差別の観点からスタジアムでの出来事を考えると、特にスタジアム内には危険性が潜んでいると思う。ミュンスター対ヴュルツブルク戦で、観客が人種差別的な侮辱に反応し、その人物を特定し締め出したケースのように、ファンたちが反応した場合を考えるとね。そういったことが常に起こるのであれば、それは望ましいことだと思うよ。

スカイスポーツ:あなたの本は成功についても書かれていますね。過去、バイエルンは1シーズンで5つのタイトルを獲得したことはありましたが、現在のチームは6つのタイトルを獲得しました。この歴史的偉業をどう思いますか?

ラーム:センセーショナルだよ。試合は全てしっかり観戦したけど、これは絶対に相応しい成功だと思っている。

スカイスポーツ:ダビド・アラバがFCバイエルンからの退団を正式に発表しました。この判断についてどう思いますか?その穴は残ってしまうのでしょうか?

ラーム:ダビド・アラバのいないFCバイエルンは想像できないし、残念だよ。一方で、本人が新たな挑戦を求めているのであれば、選手のことも理解してあげる必要がある。今回、バイエルンが失うことになるのは、責任感を持った傑出したプレーヤーであり、センターバックにおいては特にそれが言える。そしてまた、このクラブを100%理解している人物、それは非常に重要なことだ。

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スカイスポーツ:ファンたちの発言の強さに驚きはありましたか?彼らの主張は、アラバがお金のことしか考えていない、というものでした。

ラーム:彼自身も退団の理由を説明していたが、選手にはクラブを離れて違う景色を見たり、新たな挑戦をしたいという思いが芽生えることがあるということも理解する必要がある。そして、その機会を選手に与えてあげなければならない。

スカイスポーツ:ジェローム・ボアテングもバイエルンを離れる可能性がありますね。これでは、バイエルンの第二の柱も失うことになってしまいます。

ラーム:この2人とは、長い間一緒にプレーした。2人とも素晴らしいサッカー選手で、重要な局面では、常にトップパフォーマンスを披露してくれた。2人とも二度もトレブルを達成しているのは偶然などではないんだ。ジェロームはワールドカップ王者にもなった。問題は、責任者たちがどう考えているのか?ボアテング自身は現状をどう捉えているのか?彼はここに残留したいのか?こうした質問は、当事者たち全員が自らに問いかけなければならないことだ。だが、この2人がいたおかげで、偉大な成功の歴史を築くことができたね。

スカイスポーツ:その一方で、あなたの個人的な評価はどうですか?一緒にプレーもしていましたよね?

ラーム:マヌエル・ノイアーや、トーマス・ミュラー、ロベルト・レヴァンドフスキがいないFCバイエルンは考えられないだろう。そして、それはボアテングやアラバについても同じことが言えると思う。そのため、私にとっては心が痛むよ。彼らとは、FCバイエルンで何年も一緒にプレーしていたからね。とはいえ、双方の考えについて、常に理解を示す必要がある。

スカイスポーツ:すでに代役の加入が決まっています。ダヨ・ウパメカノ獲得についてどう思いますか?

ラーム:彼は、素晴らしい年齢の非常に優れた選手だ。まだ成長の余地もあり、おそらくもう少し成長する必要があるだろう。彼はまだ少し経験を積まなければならない。しかし、恵まれた素質を持ち、スピードもあり、対人戦も強いうえ、パス回しも上手い。これは本当に良い移籍だと思うよ。

スカイスポーツ:しかし、彼はまだバイエルンに慣れる必要があるほか、成功へのプレッシャーもあります。ライプツィヒとはやや違いますね。

ラーム:そうだね。チーム内の競争はもう少し厳しいかもしれない。もちろん、誰もが何度も常に自分の力を証明しなければならないが、それは、すでにFCバイエルンで活躍する選手にも言えることだ。毎シーズン、高いパフォーマンスを見せなければならない。そして、FCバイエルンでは、3〜4日おきに試合で披露する必要がある。

スカイスポーツ:あなたはワールドクラスの右サイドバックとして、一時代を築きました。今はベンジャマン・パヴァールの背後にちょっと空白が生まれており、ブナ・サールは本領発揮できていませんね。

ラーム:選手、特に若い選手には時間を与えなければならないと思う。コンスタントに出場できないのなら、選手たちは、出られる試合では要所で優れたパフォーマンスを発揮しなければならない。だからこそ、私には判断が難しい。トレブル達成は、パヴァールが優れた仕事をしてくれたことの結果だ。ヨシュア・キミッヒがいてくれれば、チームの選択肢は増えるね。彼は中盤の方が向いていると思うが、サイドバックのオプションでもある。

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スカイスポーツ:マルコ・ローゼ監督は、ボルシア・メンヘングラードバッハから、ボルシア・ドルトムントの監督に就任することが決まりました。BVBにとっては良い人事だったのでしょうか?ローゼ監督は、ユルゲン・クロップ監督と同じような存在になるのでしょうか?

ラーム:彼の下でプレーしたことがないので、何とも言えないね。でも私にとっては、彼はとてもとても印象の良い人物だ。でも、それを判断できるのは日頃から一緒に仕事をしている人だけだと思うので、あまり多くは語れないよ。

スカイスポーツ:彼の契約には、契約解除条項が含まれています。今では、同じような監督が増えています。監督がそうした選択肢を持つことは良いことだと思いますか、それとも、継続性という観点から、このような重要ポストでは好ましくないと思いますか?

ラーム:もちろん最も望ましいのは、監督が長く指揮する場合だね。しかし、契約は双方で締結されるものだ。だからこそ、必ず賛否両論はある。両者が同意していれば、それでいいと思う。

スカイスポーツ:2021年の欧州選手権は、12カ国で開催されます。このコロナ禍において、まだ実現は可能なのでしょうか?

ラーム:私を信じてほしい。現在、多くの人がそう思い悩んでいる。そして、パンデミックの中で日々学んでいる。毎日、最新の感染率の数字のように、新しい悪いニュース、時には良いニュースがある。どうなるかは、やがて分かるだろう。現在も12会場で開催する方向で、引き続き計画が進められている。

▼元記事
https://sport.sky.de/fussball/artikel/philipp-lahm-im-exklusiven-interview-mit-sky/12220941/33896



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