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デイヴィスの語る「アラバへの思い、クラブW杯への期待、将来の目標」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

アルフォンソ・デイヴィスはFCバイエルン・ミュンヘンのスター選手の一人だ。ドイツ『tz』紙のロングインタビューで、彼は自身の世界観を語ってくれた。

■ 昨シーズン、ハンジ・フリック監督の下で大ブレイクしたアルフォンソ・デイヴィス。
■ ダヴィド・アラバの退団後、バイエルンでの自身の未来がどうなるかを明らかにしている。

アルフォンソ・デイヴィスはいつも陽気だ。バーチャルな会話の中でも、20歳の彼がFCバイエルンでの活躍を楽しみにしていることが伝わってくる。短期的には、金曜日のヘルタBSC戦と、ドーハでのクラブワールドカップ遠征に向けて、長期的には、さらに多くのタイトルやチームでの役割、自身の過去と未来について話している。

やあ、デイヴィスくん。コロナ禍のいま、君はドイツ語をもっと早く身に付けられるよう、多くの時間を使いたいと言っていたね。その間で何かできるようになったことはある?

デイヴィス:すでに「こんにちは、私はフォンジーです」だけではないよ(笑)。僕のドイツ語はだんだん上達していて、先生にも上手だと言われているんだ。でも、ドイツ語で話す時、かなりシャイになってしまうので、もっと話した方がいいとも言われたよ。もっと自信が必要だ。たくさん話せば、もっと上達すると思う。

その点、シャビ・アロンソは良いお手本だろう。彼は、例えば「体液平衡を調整する」なんて表現まで使いこなしていた。

デイヴィス:わお、それはまだだよ。でも僕にも好きな言葉がある。ただ、正しい言い方は長くて難しいので、その略語「シリ!(審判)」と言ってるんだ。ピッチでもよく使える言葉だね。

ピッチ上ではすでにドイツ語を話しているけど、インタビューをドイツ語でできるようになるのはいつ頃だろうか?

デイヴィス:そうだね、1年後ってとこかな。その頃なら準備はできていると思うよ。

よし、決まりだ!

デイヴィス:決まりだね!

コロナ禍は続いており、まだ時間はある。ロックダウン中の日常はどんな感じだろうか?

デイヴィス:正直に言うと、家で座っていることが多く、あまり何もしていない。主に次のトレーニングに向けて体と心の準備をしている。その他に何かあるかな?どこの店も開いていないし、他に僕がやっていることといえば、ちょっとした散歩に出かけることくらいだ。そして、あとは新しく熱中できるものを見つけたよ。

それは何かな?

デイヴィス:ピアノを始めたんだ。それも早く上達するといいな。

考え事をする時間はたくさんある?もしかしたら、時間が多すぎるくらいかな?

デイヴィス:もちろん最近の数試合や、昨季のこと、起こった出来事すべてを振り返っている。とてもじゃないけど多かった。でも、多すぎるなんてことはない!誤解がないように言うと、くよくよ悩むことはないよ。僕の考え方は何も変わっていない。僕にとっては明確だ。試合に勝ち、より多くのタイトルを獲得したい。その楽しさを覚えたね。

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2020年、君はFIFAワールドイレブンに選出されたね。2021年のワールドイレブンを目指すにあたり、いま足りないものは何だろうか?

デイヴィス:昨季、チームとして5つのタイトルを獲得したハングリーさを、毎日見せ続けなければならない。試合では、あらゆるボールを奪うことが大切だ。そして、日々の練習の中で、それはさらに上達してきている。例えば、相手選手に抜かれた場合、僕は自分でそれを止めに行き、同じことは二度と繰り返さないと心に決めている。これは些細なことだけど、自分に言い聞かせているんだ。2021年のFIFAワールドイレブンへの道を遮るものは何もない。一度選ばれたら、また狙いたくなるものだね。

アーリン・ホーランのような若く優秀な選手たちがいる中、君はかなり若くしてそれを成し遂げたね。ところで、5年後のバロンドールは誰が争っていると思う?

デイヴィス:ホーランは間違いなくその候補に上がるだろうね。そして、僕もそこに加わりたい。もちろんだとも(笑)。FCバイエルンには、常にその候補となる選手たちがいる。

サッカー界を納得させる次のチャンスは、クラブワールドカップだね。獲得タイトルが5つなのか6つなのかで、何か差はあると思う?

デイヴィス:もちろんだね。手に入るタイトルは全て取りたい。クラブワールドカップで優勝すれば、2020年という僕たちの信じられない1年を締め括ることができる。今年は残念ながらカップ戦で悪い試合をしてしまったため、タイトルは5つ「だけ」になってしまうかもしれない。でも、それはもう終わったことであり、僕たちは前を向いている。そして、クラブワールドカップ優勝は楽勝だ、なんて考えてはいけない。これは戦いだ。そのことは、経験者の選手とも話したことがある。

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その他に、クラブワールドカップについて言われたことは?

デイヴィス:トーマス・ミュラーは僕にたくさんの話をしてくれた。キャリアを通じて一度しか対戦することのない可能性のあるチームとの試合についてね。この旅を前に、期待に胸を膨らませワクワクしている。これもまた、一つのチャレンジだね。

秋頃の君はやや調子が上がらなかったようだけど、ハンジ・フリック監督は、それを「普通」だと言っていたね。その時のことを教えてくれるかな。

デイヴィス:僕もそれは普通のことだと思っていた。というのも、どんなアスリートの人生にも波があるからね。より辛かったのは、それが足首を負傷した結果だということで、自分の中できちんと整理することができた。今は良い方向に向かっているし、試合を重ねるごとに良くなってきたと感じている。でも、スケジュールが過密だし、昨季以上に体を大切にしなければならないことも理解している。それに尽きるね。僕らの求めるパフォーマンスを発揮し続けていくには。そして、自分自身に求める期待にも応えていくよ。

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つまり、問題は精神的なものではなく、肉体的なものだったということかな。

デイヴィス:そういうことだね。成功は考え方で決まるとも言われるけど、僕には当てはまらないかもしれない。僕の周囲には、謙虚さを教えてくれる人たちがたくさんいる。僕が浮かれるような心配はないよ。

バイエルンでは、誰が君のことをサポートしてくれてる?選手たちの助言者であるサリハミジッチ氏や、キャプテンのノイアーかな?

デイヴィス:僕は家族やマネージャーと話すことが多い。そうすると、ピッチでも役立つ大事なアドバイスを、彼らは僕にくれるんだ。でも、もちろん必要ならいつでもバイエルンの誰にでも相談できることは知っているよ。

君のトレードマークはその笑顔だ。人生のあらゆることを楽にしてくれそうだね。これまで、その笑顔を保つのが大変な時期はあったかな?

デイヴィス:もちろん、そんな時もあったね。僕のことを見ればすぐにわかるよ(笑)。僕らサッカー選手でも、全てが素晴らしいとは限らない。でも、僕は毎日、自分に問いかけるようにしている。なぜこのスポーツをやっているのかとね。それは、子供の頃から好きだったからだ。だからこそ、トレーニングは毎回楽しみ、ピッチではただ幸せを感じている。たとえ多少の嫌なことがあったとしてもね。

現在、君はチームで一番手の左サイドバックと言えるだろうか。それともリュカ・エルナンデスなのかな?

デイヴィス:今はそれが入れ替わることが多いね。

だからこそ、それをどう考えてるかというと...

デイヴィス:僕にとっては、誰が一番手かはあまり重要ではない。毎週監督が決めることで、自分が選ばれたら嬉しいね。最終的にはチームの勝利が重要であって、試合の日に勝利を掴むに最適な人が常に選ばれるものだ。ピッチでチームの力になれない時は、ベンチから応援しているよ。

試合では、ダヴィド・アラバの隣でプレーしているね。彼がいなくなって、失うものは?

デイヴィス:間違いなく、コミュニケーションだね。多くのアドバイスや指示をくれるので、絶対に寂しくなるよ。彼がどれだけ声を出しているか、スタンドまで聞こえてる?

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無観客試合ではかなり聞こえるね。彼はよく「フォンジー!」と叫んでいる。

デイヴィス:(笑)そうだね!(笑)「中に行け!」「注意しろ、後ろから来るぞ!」と言ってくれる。彼からは、本当に気を付けるべき情報が絶えない。彼の声が頭に浮かぶと、僕は集中力を切らすことがない。彼からは多くのことを学んだ。彼のことは助言者みたいに感じているよ。

彼のこれまでの役割は、君が先日「野獣」と表現した選手、ダヨ・ウパメカノに引き継がれる可能性があるね。

デイヴィス:その表現は明らかに賞賛の意味だよ。彼はとても優れた選手だ。彼を見ていると、守備の上手さだけでなく、意志の強さも伝わってくるね。

自分自身で、いつになったらピッチ上で指示を出せるような選手になれると思う?

デイヴィス:今も以前も、僕はすでにいくつか指示は出してきたが、これは認めるよ。確かに、できる限りの指示を出しているかと言えば、それほど多くはないかもしれない。そこも改善したいと思っているけど、今は試合の熱気の中でドイツ語で何か指示を出すというのはまだ難しいね。何かを言うときは、たいてい英語のほうがスラスラと出てくるよ。

とはいえ、いつかは本当にバイエルンのリーダーと言える選手になりたいんだよね?

デイヴィス:もちろんだ。もし遠い将来、FCバイエルンのキャプテンになれるとしたら、それは信じられない気分だろうね。でもそのためには、まだまだたくさんのことを学び、絶対的なトップレベルを安定して示すことが求められる。そして、コミュニケーションだけでなく、ピッチ上でも改善すべきことは沢山ある。これまですでに多くのことを学んできたとはいえ、本当のリーダーになるためにはさらに多くのことが必要だ。そのための取り組みは、今やっているところだよ。

2025年まで、そしてそれ以降も、バイエルンの試合で君は左サイドバックとしてプレーを続けるだろうか?それとも、より攻撃的なポジションの方を好んでいる?

デイヴィス:監督が僕を必要としてくれるポジションで、僕はプレーしている。そして、もし監督がもっと後ろのポジションで僕を必要とするなら、いつかはディフェンダーとしてキャプテンマークを巻くことになるね(笑)。

また、守備の場面では、スプリントの最高時速のブンデスリーガ記録も更新したね。

デイヴィス:そうだったね。これは多くのことを物語っている。断言するよ。ディフェンスで、僕は楽しさも感じているんだ。

▼元記事
https://www.tz.de/sport/fc-bayern/fc-bayern-muenchen-alphonso-davies-david-alaba-transfer-deutschland-sprache-90192778.html


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