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メンバーnote / MORIUMIUSへ

虫と自然をこよなく愛する我が家の小6男子。
自然観察は彼の生き方そのもの。
そんな彼が自らの希望で挑もうとしている中学受験まであと少しです。
息子は頑張っているけれど、「本当にこれでよいのだろうか。」と母親である自分は迷い続けていました。
感性豊かなこの時期に、机に向かう勉強ばかりの毎日でよいのだろうか。
もっと「見ること」「感じること」「考えること」ってあるのではないだろうか。
中学受験にこだわらず、受験以外の可能性や景色も見てもらいたい、と頑張り続ける息子の背中を応援しながらも葛藤していました。

そんな時、Co-musubi代表の井上さんが宮城県石巻市雄勝町にあるこどもの複合体験施設「MORIUMIUS」を訪ねることになりました。
「羊しかいないところに行きたい。」とつぶやいた息子のもやもやを感じ取ってくれたCo-musubiメンバーから
「MORIUMIUSで動物とふれあいながら何もしない。をしてきたら?」とアドバイスを頂き、息子に聞いてみました。

山と海に囲まれたMORIUMIUSのHPを見せながら、
「行ってみる?」
と聞くと
「行けるの ?!行く!」
と即答。


「かごと網を持っていってもいいかな?」

自分から話しだすことはまずない程の無口で、とても人見知りな息子ですが、
初対面の方たちばかり、だとか
好き嫌いあるのに食べ物大丈夫かな、とか
さらには、宮城はもう寒いから虫はいないのではないかな?とか
そんなことは気にすることもなくMORIUMIUS行きを即決しました。

出発前日、息子が用意したMORIUMIUS行きの持ち物は、
・図鑑3冊
・かご
・網
・顕微鏡
・ピンセット
・試験管
・カメラ
.... 以上

着替えの服やお金など、息子が気づかないあれこれを急いで準備していざMORIUMIUSへ!
口数の少ない何を考えてるのかわかりにくい息子だから、MORIUMIUSの皆さんを困惑させてしまうのではないか...と心配をしつつ、えいっと送り出しました。

今回は井上さん親娘とご一緒させて頂きました。
この3人だけの組み合わせでは最初で最後になるかもしれないショートトリップ。

MORIUMIUSまで、東京駅から仙台まで新幹線で1時間半。
そこから、車で2時間。
寝て、外を見ていたら結構すぐに着いたらしい宮城県石巻市雄勝町「MORIUMIUS」

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ここからは、帰宅後に本人から聞いた話。
MORIUMIUSで経験させて頂いたこと。

・山羊と遊んだ。山羊はメス。

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・山羊に頭突きをされた!
・山に一人で入った。
 ( 小6でも一人で入れる素敵な裏山 )

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・山でけもの道見つけた、オトシブミ見つけた、コケの裏に胞子がついていた。

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・山の植物は太陽の光を受けるために、葉を広げたり重ならないようにしたり一生懸命だった。

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・切り株から新しい芽が出ていて感動した。

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・朽ち木をひっくり返したらクワガタの幼虫見つけた。そっと木を戻した。

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・ホヤを食べてみた。
・鴨も食べた。
・鯨も食べた。

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・栗ご飯がおいしかった。

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・食べ物は土地のもの。
・オリーブの葉っぱを食べてみた。苦かった。
・堆肥を作るためにみんなで葉っぱを集めた。
・スタッフの方のこども時代の話を聞かせてもらった。イタズラをして校長先生に叱られた話、最高だった。

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・スタッフの方が経験した東日本大震災のお話を聞かせて頂いた。(手紙も書いて渡した)
・カメムシが部屋にいた!(歓喜)
・絵を描いた。

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・井上さん親娘と共感覚遊びをした。
・偶然一緒になった、泊まりにいらしていた元公立高校で数学を教えてらした方に算数を教えてもらった。(速さを味方につけた!)
・その方に、ニーチェやフランス革命の話もしてもらった。(ジャケットまでプレゼントしてくれた!)

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・夜、部屋から外を見たらシカがいた。
・部屋の電気を消したら真っ暗で、どこにベッドがあるかもわからず這ってベッドまでたどりついた。
・ぐっすり眠れた。
・ニワトリの声で目覚めた。

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・朝、寝癖がすごかった。
・お昼に食べたカレーは、今まで食べたカレーの中で一番美味しかった。

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等々。

普段、自分から出来事を話すことはない息子が、帰ってきた途端にぽつりぽつりと話す話す。

「えーと、なんて言ったらいいか、言葉が、、、」と、自身の語彙力では表現するのが難しいほどの豊かな経験。

一つ一つの出来事が息子の五感を揺さぶって、ワクワクドキドキが止まらない時間だったことが伝わってきます。

「ずっとここにいたい。」
「昆虫学者になって、MORIUMIUSに帰ってきたい。」
息子がMORIUMIUSで井上さんに言ったそうです。

どれくらい楽しいの?と聞かれて、朝日をバックに息子は笑顔で両手を一杯に広げたそうです。

わずか1泊でしたが、息子にとってMORIUMIUSが「帰りたい場所」になった。

また春になったら行けるかもよ、と言うと、
「もちろん行くつもり」

そして、MORIUMIUSでの時間を思い浮かべて思い出し笑い。

息子が着ていたコートを持ち上げると、、、重い。
ポケットから出てきたのは、石器のような石。
MORIUMIUSで算数を教えていただいた方から、一緒に山に入った時に「まるで黒曜石みたいな石だなぁ。」と頂いたもの。
その石と木の皮。
この2つが自分自身へのお土産。

MORIUMIUSとCo-musubiは共通点があると感じます。

こどもが中心にいること。
大人がこどもを信頼していること。
こどもの感性を刺激し、育んでくれる土壌があること。
だからこどもたちが、安心してワクワクドキドキできること。
「自分らしくいられる場所」であること。
そんな場所があるから、「きっと自分は大丈夫」とチャレンジできること。

私は、MORIUMIUSで心の底からくつろいだ息子は「受験をやめる」と言うだろうな、と考えていました。
しかしそんな親の予想(期待)を覆し、息子は翌日からまた机に向かいました。
だって 「昆虫学者になってMORIUMIUSに帰りたい」から。

Co-musubi以外にも「自分らしくいられる場所」を手に入れた彼は、また強くなりました。
そして私も
「もう何があっても大丈夫。」
そう思えるようになり心が解放されています。

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