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【体験(食?)レポ】イモタスカップでマイベスト芋ップルに出逢った話

 皆様は”ジャガイモ”と聞くと、何を思い浮かべますか?

 スーパーでよく見かける、男爵やメークイン……これらは調理方法によって使い分けたりしますね。最近では、《インカのめざめ》や《きたあかり》なんていう特別感溢れる品種名がCMやパッケージで踊っていたりします。

 しかし! つい先日も某知らない世界で紹介されたように、ジャガイモの種類って実はとんでもなく多いんです!! 来る2023年3月26日に荻窪で開催される《ジャガイモ食べ比べ会》では、実に40品種を食べ比べられるとか。

 この食べ比べのプレ大会である《吉祥寺イモタスカップ》が、先月開催されました。そのときの体験レポートを書きました!

 プレ開催の段階で5種類をガッツリ食べ比べ、しかもお好みのトッピングまで付けられるという魅惑のイベント……ジャガイモ・ワールドの奥深さ、その一端に触れて頂ければ幸いです!

吉祥寺イモタスカップに行ってきた!

イモにトッピングをタス!! 君の最強カップルに出逢え!

 《吉祥寺イモタスカップ》は2023年2月18日に吉祥寺・cafe nestで開催されたイベントです。

 主催の雲形ひじきさんは大のイモ・マニア。そんなひじきさんが厳選した5種類のジャガイモに、すきなトッピングを組み合わせて一番のお気に入りを見つけようぜ! という、最高にファンキーな催し。

 こりゃ行くっきゃねぇ! と喜び勇んで参加してきました。

どれをチョイスすべきか、悩みまくりのトッピング!

シャレオツなカフェの前に掲げられた、シンプルなポスター。
知る人ぞ知る感がワクワクを煽ります。
受付入ってすぐの厨房。
ここでおよそ10㎏のマッシュポテトが絶えず錬成されていました。

 会場に到着すると、受付の方に案内され、オーダーシートを渡されました。ここで、ジャガイモに付けるトッピングとドリンクを選べるのです。

 ……選べるのです、が……迷うな!!!!!?

 10種のトッピングの中から、選べるのは6種……! しかもどれもイモに合いそうなんだ、これがまた!

 追加料金払うから全部選ばせてくれないかな……と思いつつ、ハッとしました。既に闘いは始まっている……! ここで自ら責任を持ってトッピングを選んでこそ、このあとの食べ比べも真剣に臨めるというもの……! 

 気を取り直して最初の3つくらいはあっさり決めたんですが、残り3つがなかなか迷う……! しかし、こんなファンキーなイベントで無難な選択してもつまんないでしょ、とアクセルを踏む方向で選びました。

吉と出るか、凶と出るか……!!
カレー粉とオニオンチップは泣く泣く断念しました。

 オーダーシートを渡すと、選んだトッピング&ドリンク、そして今日のメインである5種類のイモを授与されました。

 2階に上がって、いよいよ実食です!!

実食は、1時間ごとの入れ替え制。
よく晴れたイモ日和でした。

それぞれの個性を炸裂させるジャガイモに翻弄されまくり

トレイに並んだだけで貫禄を見せつけてくるイモ&トッピング

 というわけで、ご覧ください!!! これが5種類のイモです!!!

 か、か、かンわいい~~~~~~!!!!!!

 上段左右2つはいかにもジャガイモ略して”いかジャガ”感満載ですが、残る3つは……エッ、これホントにジャガイモなの……? ってくらい鮮やかな色彩。何にも知らない人に「ジェラートです」って言って渡しても通用しそう。

 あと、これ……アイスクリームカップにかわいらしく入ってるけど……結構な量だね? 申込時に各イモの量を50gにするか80gにするか決めなければならなかったので、筆者は素直に50gを選んだのですが……それでも、そこそこのプレッシャーを感じましたね……!

 既に圧倒されつつ、負けるわけにはいかない……と謎の熱さがハートに漲ってきました。とりわけ用のカップに装い、ついに食べ比べという名のガチンコ勝負が始まります。いざ……!

あっという間の60分――組み合わせる楽しさに、主催さんのイモ小話も

 負 け た ~~~~~!!!!!!!

 即完敗しました。イモ、うまい。トッピング、たのしい。ついつい夢中で食べ比べてしまいます。

 この日、用意された5種のイモは、《さやか》、《農林1号》、《インカのひとみ》、《シャドークイーン》、《ノーザンルビー》。どれも個性がハッキリしていて、ジャガイモってこんなに違いがあるんだ! と驚きの連続でした。

 素朴でほっくりした、まさしく”イモ”という味わいのもの……
 かと思えば、単体で主役を張れそうなほど華やかな風味のもの……
「君は本当にジャガイモなのか?!」と疑いたくなるほどの甘味を持ったもの……。

 イモ自体の個性もさることながら、初心者でも楽しく食べ比べられるようチョイスした主催さんのセンスにも脱帽です。

醤油とバターもおくれ~~~~~!!!! となったカツオぶしトッピング。

 たまたま同席した他の参加者の方とも、思わず微笑みとイモ・トークを交わしてしまいます。初対面の相手との壁も容易に取り払われる……「イモを食べ比べる」というシンプルな行為の持つインパクトを実感しました。

 そうこうしていると、主催のひじきさんが様子を見にやって来られました。食べたイモについてお聞きすると……

「農林1号は男爵イモの子どもで、農林水産省に”馬鈴薯”として登録された第一号なんですよ。昔の品種なので、どんな用途にも合うオールラウンダーです。粘り気と土くささが特徴で、イモ餅とかにすると美味しいですね」

 スラスラスラっと返ってくる~~~~~!!!
 えっ、男爵イモは1号じゃなかったんですか? と聞くと……

「男爵イモは外国の品種で、川田男爵という人が北海道に持ち込んで、函館で生育に成功したものなんですね。元々は、アイリッシュ・コブラーという品種です」

 ノータイムでスラスラスラっと返ってくる~~~~!!!! 恐るべし、ガチの人……!!! ちな、もっと知りたい人向けにガチの人がガチで書いてくれているnoteがあるのでご参照ください。

 イモ&トッピングのうまさに舌鼓を打ちつつ、ひじきさんのイモ・トークに感嘆していると、あっという間に所定の60分が経過! 入れ替え制のため、慌てて残っているイモを掻き込みました。

 さて、いろいろ試した中で一番おいしかった組み合わせは……?!

お気に入りのイモ&トッピングが見つかる喜び

このシートは提出しないといけないので、記録用に撮影しました。

 MYベスト芋ップルは、【シャドークイーン+クラッシュナッツfeaturringクミン】に大☆決☆定~~~~~!!!!!!!

 イモとクミンの組み合わせがいいのは元々知ってはいたのですが、そこにナッツの香ばしさとほのかな甘み、そしてシャドークイーン様の華やかな風味が幾重にもマッチングして、口の中にダンスフロアが沸き起こるような味わいなんです!!!

 しかもそれが、スッ……と消えていくんですよね。引き際まで鮮やかで、何度でも食べたくなる……!! 一番魅了された組み合わせでした……!!

 その他のイモ&トッピングも、いろんな発見があってワクワクしました。これ、すごく絶妙な匙加減で、”60分間”で“限られたトッピング”だからこそ、イモの味わいに集中できるし、もっといろいろ試してみたい! って気持ちがムクムク膨らんでくるんですよね。

 会場のお客さんの反応も上々で、

「このイモ、料理に使ったら面白そう!」
「最初に《さやか》を食べたとき濃いと思ったけど、ドンドン上書きされていく……」
「どのイモも結局、うまい!!」

 と、イモ・トークに花が咲く様子には大変ほっこりしました。

 こんなユニークなイベントを企画された経緯、聞かねばなるまい……! ということで、主催のひじきさんにバッチリ伺ってきました。

主催者・雲形ひじきさんにお話を伺いました

様々なご縁が繋がり、驚異のスピード開催!

主催にして《フィナンシェやくざ》でもあらせられる雲形ひじきさん。

 とにもかくにも、こんなおもしろいイベントを開くことになったきっかけからお訊ねしました。

「ジャガイモがすきで色々発信していたら、”ジャガイモの人”って認知が広がったんですよ。そのころ、農産物評論サークル《花マル農園》さんの開催したリンゴ食べ比べイベントに参加して、『アマチュアでもこういうことできるんだな~』って気づきがありました。

 それから花マル農園さんに自分も参加するようになって、ジャガイモで食べ比べやりたいって考えていたときに、クラウドファンディングでZINE FARM TOKYOの中西さんとつながりまして……今回の会場(cafe nest)を使わせてもらえることになったんです」

 中西さんとの2時間の打ち合わせで、内容の9割が決まったそうです。それが今年1月のことで、そこから2月中旬の開催ですから、とんでもなくスピーディな進行! これもイモ愛のなせるワザですね。

イモにも家系図がある?! ひじきさんの飽くなきイモ愛

 今回の開催に際して、ひじきさんは10㎏のジャガイモを会場に持ち込み、朝9時から粛々とマッシュしたそうです。

 その飽くなきイモへの情熱は、どういうモチベーションから湧いてくるのか……イベントを開催の目的をお聞きしました。

「もっとイモに色んな種類があるっていうのを知ってほしくて。スーパーだけだとなかなか見つからないし、自分で調べようとしても専門用語ばかりで敬遠しちゃうんですよね。だから、こういう場所で気軽にテイスティングしてほしいなと思いました。

 それぞれのイモにストーリーがあるんです。競走馬に似てるんですけど、イモにも家系図があるので……そこに想いを馳せながら食べ比べてみてほしいですね。ぜひ自分のお気に入りイモを見つけてください」

 熱い……とても、熱い……!!

 実際、筆者もひじきさんのイモ愛に感化され、「シャドークイーン様とはどこで出会えるんですか……?」と訊ねてしまいました(A.「カラフルポテトの中でも手に入りやすいので、道の駅や有機野菜のお店をチェックしてみてくださいね」だそうです)。

 そんなひじきさんのMYベスト芋は? とお聞きすると、にこやかな笑顔が一転、真剣な表情に。

「……決められないんですよね!(笑) 古い子にも新しい子にも、それぞれ良さがありますから……!!」

 やはり愛が深い!! これからもどんどんイモ道を突き進まれるひじきさん、応援しています!

 イベントの詳しい振り返りは、ひじきさんご自身のnoteをぜひご覧ください!

会場では、ひじきさんがこれまで発行された芋ZINやグッズも購入可能。
左の青い表紙が、最新の芋アンソロ。
思わずにっこりしてしまう厚み。
今回食べ比べた5種のイモを象った名刺。
それぞれの染色には、それぞれの芋から採取した色素が使われているという徹底っぷり。

次は40種類の食べ比べ?! お気に入りのイモ、見つけに行こう!!

「いいな~、私もお気に入りのイモ見つけたいな~」と思ったあなた!! 朗報です、今度は40種類の中から選べます!!!

 5種類だけでも心オドルだったのに、いきなり8倍……こいつァ飛ばしてやがるぜ!! 2023年3月26日は、荻窪でイモと握手!

 1点だけご注意なのが……口の中の水分が、めっちゃ持っていかれます。ので、お茶か水は絶対持参しましょう。筆者は会場出た後自販機に駆け込みました。あと言わずもがな、ランチは控えめにね!

 奥深い……が過ぎるジャガイモの世界、ぜひ体感してください!

イモタスカップでお客さんに渡すイモを準備されるひじきさん&スタッフさん。
イモよ、永遠なれ……!

🔶芋研ゼミ長にしてフィナンシェやくざ・雲形ひじきさんについてはこちらから!


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