塙 創平|弁護士

非営利組織とコンプライアンス研究会・代表世話人。 普段は、「りのは綜合法律事務所」(東…

塙 創平|弁護士

非営利組織とコンプライアンス研究会・代表世話人。 普段は、「りのは綜合法律事務所」(東京都港区)の代表弁護士として、非営利組織や中小企業のコンプライアンス向上に努めています。 弁護士 塙 創平(第二東京弁護士会所属)

マガジン

  • ハラスメントを徹底解説

    パワハラ、セクハラ、マタハラ、世の中にはたくさんのハラスメントがあり、事業主には「従業員がすこやかに働けるよう環境を整える義務」があります。また、実はハラスメントには、典型的な「型」もあります。種類や対処法を知って、すこやかに働きましょう!

  • 非営利組織とコンプライアンス

    非営利組織のコンプライアンス支援に情熱を燃やす弁護士が、働く・経営・運営する上で必要不可欠なコンプライアンスの知識をわかりやすく発信しています。

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非営利組織とコンプライアンス|目次

こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。普段は、東京都港区にある「りのは綜合法律事務所」の代表弁護士をしています。 「コンプライアンス」という言葉は、何か起きた時によく聞くけれど、腹落ちしにくい言葉でもありますね。そもそも、何かが起きた時のことなんて、想像したくもないかもしれません。 ただ実は、コンプライアンスは、組織のトップだけが理解して、不祥事が起きたときだけ意識すればいい言葉ではないんです。 そこ

    • マタニティハラスメントの基本形は4つ!マタハラを弁護士が法律に基づき解説

      こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前々回はパワハラ、前回はセクハラについて、起こりやすい場面や形をしてきました。 今回は、昨今急激に整備が進む一方で、現場での理解がまだまだ不十分であるマタハラについてご紹介します。 マタハラは、全員が当事者になりうるわけ「ではない」こと、経験者であっても人によって全く状況が異なることや、制度が目まぐるしく変わっていることなどに、パワハラやセクハラとはまた違う難しさが

      • セクシャルハラスメント(セクハラ)の種類と具体的な事例を弁護士が解説

        こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回の記事では、「こんな行為がパワハラにあたるよ」という基本形をお伝えしました。 今回は、セクシュアル/セクシャルハラスメント(セクハラ)の基本形をお伝えします。ややもすると「自意識過剰だ」などの中傷で、訴えた被害者側がさらに苦しむことも起こりうるセクハラ。 誰もがすこやかに働ける環境整備には、「どのような言動がセクハラになりえるのか」、働く全員の正しい認知が大切で

        • パワーハラスメントの6つの型とは|パワハラの典型的場面を弁護士が解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回の記事では、事業主がハラスメント事案を速やか・安全に解決するために必要な3つの視点についてお伝えしました。 ここからは、組織で起こりやすい「パワーハラスメンと」「セクシャルハラスメント」「マタハラ(パタハラ)」について、詳しくお話していこうと思います。まずこの記事では、ハラスメント相談件数が最も多いパワーハラスメント(パワハラ)についてご紹介します。 事業主

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          ハラスメント対応に必要なのは「3つの視点」!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。前回は、「ハラスメントとは何か」について、語源にさかのぼって全体像をお伝えしました。 今回は、ハラスメントに対応する際に必要な「3つの視点」についてお話したいと思います。 ハラスメント事案が起きた際の主な関係者は、「被害者」「加害者」、そして「事業主」です。つまり事業主は、「被害者(当該労働者)との関係」、「加害者(行為者、通報対象者)との関係」、「被害者と加害者の

          ハラスメント対応に必要なのは「3つの視点」!

          「ハラスメント」とはなに? パワハラ、セクハラ、マタハラ…大切なのは「すこやかに働ける」か!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回までの記事では、「コンプライアンス」をより深く、実践的に理解できるよう努めてきました。今回からは、コンプライアンスの一場面として、近年、特に注意が必要なハラスメントについて、7回にわけて説明していきます。 ハラスメントとは何?ハラスメントは、英語のharassmentからきています。 harassmentは、迷惑をかけること、嫌がらせという意味です。 ハラス

          「ハラスメント」とはなに? パワハラ、セクハラ、マタハラ…大切なのは「すこやかに働ける」か!

          (1) コンプライアンスは行動が一番大事。そこで「死人テスト」をしよう

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 私はこれまでの2年間で計10回以上、主に非営利組織の運営者や現場で働く人に対し、ハラスメント防止・コンプライアンス研修を行い、おかげさまで好評を得ています。 コンプライアンス研修は、私が組織に招かれたり、組織で働く人が私の研修会に自ら(もしくは組織から言われて)参加したりして行うわけですが、いざ私が「コンプライアンス」と話し始めると、参加者の皆さんが、死んだ魚のよう

          (1) コンプライアンスは行動が一番大事。そこで「死人テスト」をしよう

          (8)まとめ|「非営利組織の弁護士」におれはなる!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人の塙 創平(はなわ そうへい)です。りのは綜合法律事務所という事務所で弁護士をしております。 私はここまで、全8回に渡り『非営利組織とコンプライアンス』についてお伝えしてきました。 実は私は、今から10年以上前に「非営利組織の弁護士になる」と宣言しました。今回は、なぜ私がそんな宣言をするに至ったか、というお話しをさせてください。 非営利組織は、運営が簡単? とんでもない!2010年代前半、私はとある中間支援組織(

          (8)まとめ|「非営利組織の弁護士」におれはなる!

          (7)非営利組織の内部で起こりうる特有のコンプライアンス問題を解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人の塙 創平(はなわ そうへい)です。りのは綜合法律事務所という事務所で弁護士をしております。 前回の記事では、非営利組織だからこそ起きる「コンプライアンスの難しさ」の中でも、非営利組織外部との間で起こる問題に焦点を当てて説明しました。 今回はその続きとして、非営利組織内部で起こりうるコンプライアンスの問題について解説します。 職員とコンプライアンス使用者責任については、以前の記事でもご紹介しています。 ここでは

          (7)非営利組織の内部で起こりうる特有のコンプライアンス問題を解説

          (6)非営利組織と外部の人との間に起こるコンプライアンス問題とは?

          前回の記事では、非営利組織におけるコンプライアンスの難しさを説明する準備として、「非営利組織と営利組織との違い」について説明しました。 今回からいよいよ、非営利組織だからこそ起きる「コンプライアンスの難しさ」について、より詳しく解説します。 これまでも、「コンプライアンスの問題は、『人』によって発生する」ことをお伝えしてきました。 この「人」について、非営利組織は営利組織と比べると、「善意の支援を含め、さまざまな立場から関わる人がいる」という点が、非営利組織におけるコンプ

          (6)非営利組織と外部の人との間に起こるコンプライアンス問題とは?

          (5)そもそも非営利組織とは?営利組織との違いを解説。利益はむしろ出すべき!

          組織におけるコンプライアンスを説明するにあたり、これまでの記事でも、私が力を注いでいる「非営利組織」を主な事例として挙げてきました。 非営利組織だからといってコンプライアンスの意味が変わることはありません。しかし「コンプライアンスに対する認知」は、営利組織よりもどうしても難しい部分があるのが非営利組織です。 次回以降の記事で非営利組織におけるコンプライアンスの難しさをさらに掘り下げるにあたり、今回は、そもそも非営利組織とは何?営利組織と何が違うの?という点をご説明します。

          (5)そもそも非営利組織とは?営利組織との違いを解説。利益はむしろ出すべき!

          (4)私たちはなぜ、法令等を遵守するのか?弁護士が個人と組織、両方の視点から解説

          前回の記事では、コンプライアンス違反が起きた際の、組織の法的責任についてお話ししました。 今回は「なぜ、法令等を遵守するのか」についてお話しします。 私たちのほとんどは、ルールを守っている『日本は世界一安全な国』だと言われている影に、私たちのほとんどが法令を遵守しているという事実があります。 なぜ、私たちは法令を守っているのか、一緒に考えてみましょう。 まずはChatGPTに「なぜ、法令を遵守するのか」を尋ねてみました。ChatGPTは8つの理由を挙げた上で、次のように

          (4)私たちはなぜ、法令等を遵守するのか?弁護士が個人と組織、両方の視点から解説

          (3)個人の不祥事なのに組織も悪い?コンプライアンスで大事な「使用者責任」とは

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人の塙 創平(はなわ そうへい)です。りのは綜合法律事務所という事務所で弁護士をしております。 前回の記事では、何をコンプライアンスというのかについてお話ししました。 今回は、コンプライアンスに反した場合に、「組織」に生じる法的責任についてお話しします。 個人の不祥事でも、組織に責任がある組織のコンプライアンスが問題になると、「◯◯が悪い」という悪者探しになりがちです。 もちろん、コンプライアンスが問題になるのは、組

          (3)個人の不祥事なのに組織も悪い?コンプライアンスで大事な「使用者責任」とは

          (2)そもそも「コンプライアンス」とはなに?実は単に「法令遵守」ではない!

          営利企業・非営利組織問わず「組織」で不祥事が起きると、「コンプライアンス意識が足りない」という言い訳やバッシングが必ず起こります。 不祥事を起こした当事者やメディアにおいて、もはや定番文句ともいえる「コンプライアンス」。 そもそも、「コンプライアンス」とは何でしょう。 今回は事例をあげながら、コンプライアンスとはなにか、について解説します。 コンプライアンスとは?コンプライアンスは、英語のcomply(応じる、守る、従う)を名詞にしたcomplianceです。 通常、

          (2)そもそも「コンプライアンス」とはなに?実は単に「法令遵守」ではない!