塙 創平|弁護士

非営利組織とコンプライアンス研究会・代表世話人。 普段は、「りのは綜合法律事務所」(東…

塙 創平|弁護士

非営利組織とコンプライアンス研究会・代表世話人。 普段は、「りのは綜合法律事務所」(東京都港区)の代表弁護士として、非営利組織や中小企業のコンプライアンス向上に努めています。 弁護士 塙 創平(第二東京弁護士会所属)

マガジン

  • ハラスメントを徹底解説

    パワハラ、セクハラ、マタハラ、世の中にはたくさんのハラスメントがあり、事業主には「従業員がすこやかに働けるよう環境を整える義務」があります。また、実はハラスメントには、典型的な「型」もあります。種類や対処法を知って、すこやかに働きましょう!

  • 非営利組織とコンプライアンス

    非営利組織のコンプライアンス支援に情熱を燃やす弁護士が、働く・経営・運営する上で必要不可欠なコンプライアンスの知識をわかりやすく発信しています。

最近の記事

  • 固定された記事

非営利組織とコンプライアンス|目次

こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。普段は、東京都港区にある「りのは綜合法律事務所」の代表弁護士をしています。 「コンプライアンス」という言葉は、何か起きた時によく聞くけれど、腹落ちしにくい言葉でもありますね。そもそも、何かが起きた時のことなんて、想像したくもないかもしれません。 ただ実は、コンプライアンスは、組織のトップだけが理解して、不祥事が起きたときだけ意識すればいい言葉ではないんです。 そこ

    • カスタマーハラスメントに立ち向かう。カスハラと他のハラスメントの同じところ、違うところ

      こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回の記事までは、組織内でのハラスメント対応について、事例を交えながら一般的な話をしてきました。 今回は、外部から受けるハラスメントであり、組織的な対応が必要なカスタマーハラスメントをとりあげようと思います。 カスタマーハラスメント。略してカスハラ。 2024年、最も注目株のハラスメントなので、もう少し落ち着いてから論及したいところですが、カスハラについて検討するこ

      • ハラスメントの事実認定(3)最短距離で解決に導く方法|二次調査〜報告書作成

        こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回記事では、ハラスメントの事実認定をおこなうための調査のうち、「何が起きたのか?」を被害者(通報者)から聴き取る「一次調査」の方法についてお伝えしました。(*もしまだこちらの記事を読んでいない方は、先に読むことをおすすめします。) 今回は、具体的な訴えを把握したあとの「二次調査」の進め方〜報告書の作成までをお伝えします。 調査対象事実の存否を検討する(二次調査)

        • ハラスメントの事実認定(2)最短距離での解決に導く聴き取り方法|一次調査

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。前回の記事で、ハラスメントの事実認定に必要不可欠な「ファクトベース」で聴き取る方法についてお伝えしました。 今回の記事では、実際の調査の流れと照らし合わせていきましょう。 一次調査は、対象事実の特定過去の記事でもお伝えしましたが、ハラスメント問題を最短距離で解決するには、次の流れで検討することが肝心です。 まずは被害者から話を聞き、被害者は「何が起きた」と言ってい

        • 固定された記事

        非営利組織とコンプライアンス|目次

        マガジン

        • ハラスメントを徹底解説
          6本
        • 非営利組織とコンプライアンス
          8本

        記事

          ハラスメントの事実認定(1)解決には必須!聴き取り調査で絶対に押さえるべき2つのポイントを解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 ここまで、ハラスメント対応に必要な視点や基準、心構えについて、かなり実践的にお話してきました。 ここからは、2回に渡り事実認定の実践方法についてお伝えします。 最も重要でありつつも、正直、事業主やハラスメント窓口の担当者にとって最も難しい点でしょう。これを、いくつかの視点からお話しようと思います。 まず今回の記事では、聴き取りをする上で絶対に押さえたいポイントを

          ハラスメントの事実認定(1)解決には必須!聴き取り調査で絶対に押さえるべき2つのポイントを解説

          ハラスメントにおける「罪を憎んで人を憎まず」という考え方

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回、ハラスメントによる懲戒処分は「罪の重さに見合った内容」「重ければ重いほど良いわけではない」「裁判で無効と判断されたら、やり直しはできない」ということをお伝えしました。 しかし、「他の人を傷つけた、迷惑をかけた存在を許せない」と感じることや、「軽い処分では他の従業員の士気が下がる、同じことが繰り返されないようにみせしめとして重めに処分したい」などと思う気持ちを

          ハラスメントにおける「罪を憎んで人を憎まず」という考え方

          ハラスメントの懲戒処分はどう決める?適正に決めないと無効に!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回、(1)労働者に対しては「〇〇な言動をしてはならない」という法律はないこと、だから(2)就業規則等において「他の労働者の就業環境を害してはならない」と定め、懲戒処分の対象となることについても併せて定めること、という2点をお伝えしました。 今回はさらに、ハラスメントが実際に起きた時、組織内で、加害者に対し、どういう対応をするのか、何に基づいて対応するかについて、お

          ハラスメントの懲戒処分はどう決める?適正に決めないと無効に!

          ハラスメント防止対策は事業主の義務!就業規則の書き方や解釈のポイントを解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 「ハラスメント対応」を学ぼうとすると、だいたい「どのようにハラスメントを防止するか」「起きてしまったら被害者をいかに守るか」にスポットがあたっています。 一方で、加害者対応に関する事前準備の機会は非常に乏しい。 そこでこのnoteでは、ハラスメントが起きた時、組織内で、加害者に対し「何に基づき」「どのような対応をするのか」について、お話しようと思います。 今回はま

          ハラスメント防止対策は事業主の義務!就業規則の書き方や解釈のポイントを解説

          「不法行為」とはなに?不法行為責任からハラスメント判断までを解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 ここまで、代表的なハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の具体的な例や型についてお伝えしてきました。 その中で挙げた事例は、たびたび「ハラスメント対応に必要な3つの視点」の記事内でご紹介した「問題行動判断の4段階基準」に照らし合わせ解説しています。 しかし先日、こんなご感想をいただきました。 説明が足りておらず申し訳ありません! そこで今回は、この「不法

          「不法行為」とはなに?不法行為責任からハラスメント判断までを解説

          マタニティハラスメントの基本形は4つ!マタハラを弁護士が法律に基づき解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前々回はパワハラ、前回はセクハラについて、起こりやすい場面や形をしてきました。 今回は、昨今急激に整備が進む一方で、現場での理解がまだまだ不十分であるマタハラについてご紹介します。 マタハラは、全員が当事者になりうるわけ「ではない」こと、経験者であっても人によって全く状況が異なることや、制度が目まぐるしく変わっていることなどに、パワハラやセクハラとはまた違う難しさが

          マタニティハラスメントの基本形は4つ!マタハラを弁護士が法律に基づき解説

          セクシャルハラスメント(セクハラ)の種類と具体的な事例を弁護士が解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回の記事では、「こんな行為がパワハラにあたるよ」という基本形をお伝えしました。 今回は、セクシュアル/セクシャルハラスメント(セクハラ)の基本形をお伝えします。ややもすると「自意識過剰だ」などの中傷で、訴えた被害者側がさらに苦しむことも起こりうるセクハラ。 誰もがすこやかに働ける環境整備には、「どのような言動がセクハラになりえるのか」、働く全員の正しい認知が大切で

          セクシャルハラスメント(セクハラ)の種類と具体的な事例を弁護士が解説

          パワーハラスメントの6つの型とは|パワハラの典型的場面を弁護士が解説

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回の記事では、事業主がハラスメント事案を速やか・安全に解決するために必要な3つの視点についてお伝えしました。 ここからは、組織で起こりやすい「パワーハラスメンと」「セクシャルハラスメント」「マタハラ(パタハラ)」について、詳しくお話していこうと思います。まずこの記事では、ハラスメント相談件数が最も多いパワーハラスメント(パワハラ)についてご紹介します。 事業主

          パワーハラスメントの6つの型とは|パワハラの典型的場面を弁護士が解説

          ハラスメント対応に必要なのは「3つの視点」!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。前回は、「ハラスメントとは何か」について、語源にさかのぼって全体像をお伝えしました。 今回は、ハラスメントに対応する際に必要な「3つの視点」についてお話したいと思います。 ハラスメント事案が起きた際の主な関係者は、「被害者」「加害者」、そして「事業主」です。つまり事業主は、「被害者(当該労働者)との関係」、「加害者(行為者、通報対象者)との関係」、「被害者と加害者の

          ハラスメント対応に必要なのは「3つの視点」!

          「ハラスメント」とはなに? パワハラ、セクハラ、マタハラ…大切なのは「すこやかに働ける」か!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 前回までの記事では、「コンプライアンス」をより深く、実践的に理解できるよう努めてきました。今回からは、コンプライアンスの一場面として、近年、特に注意が必要なハラスメントについて、7回にわけて説明していきます。 ハラスメントとは何?ハラスメントは、英語のharassmentからきています。 harassmentは、迷惑をかけること、嫌がらせという意味です。 ハラス

          「ハラスメント」とはなに? パワハラ、セクハラ、マタハラ…大切なのは「すこやかに働ける」か!

          (1) コンプライアンスは行動が一番大事。そこで「死人テスト」をしよう

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。 私はこれまでの2年間で計10回以上、主に非営利組織の運営者や現場で働く人に対し、ハラスメント防止・コンプライアンス研修を行い、おかげさまで好評を得ています。 コンプライアンス研修は、私が組織に招かれたり、組織で働く人が私の研修会に自ら(もしくは組織から言われて)参加したりして行うわけですが、いざ私が「コンプライアンス」と話し始めると、参加者の皆さんが、死んだ魚のよう

          (1) コンプライアンスは行動が一番大事。そこで「死人テスト」をしよう

          (8)まとめ|「非営利組織の弁護士」におれはなる!

          こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人の塙 創平(はなわ そうへい)です。りのは綜合法律事務所という事務所で弁護士をしております。 私はここまで、全8回に渡り『非営利組織とコンプライアンス』についてお伝えしてきました。 実は私は、今から10年以上前に「非営利組織の弁護士になる」と宣言しました。今回は、なぜ私がそんな宣言をするに至ったか、というお話しをさせてください。 非営利組織は、運営が簡単? とんでもない!2010年代前半、私はとある中間支援組織(

          (8)まとめ|「非営利組織の弁護士」におれはなる!