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学びの場から学び舎へ 〜2021年デンマーク渡航記 vol.1〜


寝静まって機内が暗くなる頃、頭上の灯りに手を伸ばしてつける。かさりとページをめくる音が響く。

1回目2017年のデンマーク渡航時は「生のための学校」

2回目2019年のデンマーク渡航時は「民主主義」

3回目2021年の今回は「10 Lessons from the Folk High School」

4年前からやってること全然変わらないな、とふと気付き笑えてきた。

2017年、まだ私は東京で働いていた頃たまたま行ったデンマークで、フォルケホイスコーレに出会い、全てのはじまりの衝動がうまれた旅。
2019年、起業直前に覚悟を確かめるために行った。衝動から少し離れてデンマークと日本の社会構造の違いを噛みしめた旅。
そして今回、東川町でcompathを始めて1年半。やってみたことがたくさんある。頭のなかに情景がある。誰かの言葉や顔がある。

ということで、いま、デンマークにきています。2週間ほどの滞在になります。

重ね、重なり、兆しとなる

2021年度上半期は「実践を重ねた」半年になった。

起業初年度の2020年は新型コロナウイルスの状況下で、企画しては中止の日々が重なりもどかしい思いをしていた。2021年度の計画を作るときに「出来る限りの実践を重ねたい」と決めて、思い描いた通り濃密な日々が夏を埋めた。

7月のワーケーションコース-LIFE 暮らし方と生き方-

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8月のワーケーションコース-sense of wonder-

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初めての1ヶ月プログラム、ミドルコースの一期生

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「いつかはデンマークのような長期コースを開きたい」が口癖だったのでミドルコースは念願でした。初めてづくしで告知もプログラム設計も手探りの中、東川までたどり着いてくれたミドルコース1期生は、なんというか、開拓者だと思う。

これはすごく必要だな、こんな時間を重ねていく仲間たちが増えていったら世界はもう少しやわらかくなるかもしれないな、という明るい兆しと、それでもまだまだこういう選択をするための社会のハードルという重みがある現実と。

他方で、ワーケーションコースの手応えも感じてきた。去年の11月に初めてコースを開いたときには「余白がキーワードなのに、平日は仕事のワーケーションコースって矛盾してないか・・・?」とこわごわ開催していた当初から、「これは日本社会に合った余白の形として価値がある」と胸を張って言えるようになっている。

これも自分で掴んだというよりも、多くの参加者が言葉を重ねてくれたおかげで、確かなものになってきた感覚です。

やってみることでわかることが多くある。やってみないとわからない。
回を重ねるたびに、てのひらで握っていた大事なものを手放して、一緒に持ってもらえてる感覚がある。

これからもひとつずつ重ねていきたい。

学びの場づくりから、学び舎づくりへ

最近の考え事は「学びの場作りから学び舎づくりへ」ということ。ショートコース・ワーケーションなどの1週間コースのプロトタイプは作り終え、ミドル・ロングなど1ヶ月3ヶ月のプロトタイプづくりに比重を置きつつある。その先の問い。

学び舎。

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校舎があること、授業が体系化してること、持続的な経営、雇用、コースを開いたら人が集まること、記憶が引き継がれること、責任、そこにあり続けること、社会に提言すること。

飛行機のなかで、『言の葉の庭』を見た。

靴職人を目指す主人公が「笑われるかもしれないけど、仕事にしたいんだ」と雨の中で吐露するシーンで、妙に響いた。

今回の旅は、ノーフュンスホイスコーレに1週間滞在し、残り2週間は陸前高田のchange makers' collegeチームとフォルケ数カ所を回り、デンマークのフォルケホイスコーレ協会の方と話をしてきます。

180年前からデンマーク国民の大人の学び舎として存在し続けている厚みと、職業として数十年の月日をフォルケの先生や経営者として重ねてきた方々の深みと、それを支える国や社会の仕組みについて、触れて考えて対話する機会にしたい。

ま、まずは1週間は、ここまで走りきってきた自分のご褒美も兼ねて、じっくり余白を楽しんで味わいたいな。

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(Compath共同創業者 / 安井早紀)

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