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ことのはいけばな’22

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文藻の琳派たれ!7年を経てこの言葉に出会った。花立てるように歌も立てたい。 花と歌を同時に活ける。ローカル72候マラソン。 *歌つくり人の皮脱ぎほう法華虚
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2022年4月の記事一覧

ことのはいけばな ‘22 穀雨 第16侯『葭始生』

ことのはいけばな ‘22 穀雨 第16侯『葭始生』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

百穀を潤す雨の降る季節。美し葦牙のくに。

*そこここでつのぐむくにや春惜しむ

*葦牙のももいろに降る穀雨かな
*「穀雨」とふ中華そば屋に抗えず
*葦の牙遠き岸辺につのぐみて

*ユーラシア春はめぐるも憂く暗く
*ウクライナ卯の花腐し黒い雨
*卯の花をかざしてみどりの邦おもう

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ことのはいけばな’22 晴明 第15侯『虹始見』

ことのはいけばな’22 晴明 第15侯『虹始見』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

赤坂氷川神社さんの花手水。暖かくなって花もちが悪くなったけど、この速さはかなさこそ春の爆発、spring的だ。その飛沫ははるか先まで飛んでいき、虹となる。とか言っているうちに夏がそこまできている。

*虹空にはじめて見ゆる花万朶

*いくつもの虹おもいだす春土用

*行く春や千変

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ことのはいけばな’22 晴明 第14候 『鴻雁北』

ことのはいけばな’22 晴明 第14候 『鴻雁北』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

花綵列島へ寄せる桜波にのって

燕は南より
雁は北へと

   桜花ちりぬる風のなごりには水なき空に浪ぞ立ちたる(紀貫之)

    *列島へ花喰鳥の家苞か桜前線つばくろ至る
    *はるばると雁わたる空雲の虹さみどりの羅紗やまにかけゆく

燕は早く桜に会いたくて
雁は桜咲くの

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ことのはいけばな’22 晴明 第13候『玄鳥至』

ことのはいけばな’22 晴明 第13候『玄鳥至』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

*玄鳥至去年のつばめもひるがえり
*一刃の玄鳥の風夏初め
*春時雨つばめの海の荒れたまふ

赤坂氷川神社「はなのみち」6季目がはじまった。
前日の4日は春時雨だった。晴明当日は伸びやかに木々の芽が息づいて、嬉しそうだった。活気。芽吹きや開花のこのエネルギーの放出は、いちいちが小さ

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