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ことのはいけばな’22 晴明 第13候『玄鳥至』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

玄鳥至つばめくる去年こぞのつばめもひるがえり
*一刃の玄鳥つばくろの風夏初め
*春時雨つばめの海の荒れたまふ

赤坂氷川神社「はなのみち」6季目がはじまった。
前日の4日は春時雨だった。晴明当日は伸びやかに木々の芽が息づいて、嬉しそうだった。活気。芽吹きや開花のこのエネルギーの放出は、いちいちが小さな星の誕生のようだ。

翌朝、活けた花越しに神社の中庭にある枝垂れ桜が見える。 
教室の前、夕暮れに詠む。
*夕闇に染む花の下泪かな
*紫に染む花なづみかしこみて
*花の下むらさき透けて影揺らぐ
*花むしろ昨日の雨の引いた趾
*花むしろ暮れなずむ空あめのあと


天王星リターンを果たした友に送る花

*それぞれの軌道に乗りて花の咲く
*重力の恩寵なりし星の花
*花ひとつ銀河の星の恋の果て
*恋焦がれ逢瀬のための今を咲く

ひかり交じ透明なままその英気


みずみちてすみずみまでも山ざくら
山吹のひと夜で千も咲きにけり
山吹の莟とがりてスピンする
垂糸花のほろ酔いうつらうつらかな
小手毬のコマ送りして超新星
小手毬やスーパーノヴァの残響す
蜜標のうっすらとまだ初めつつじ
はつゆりはうつむきかげん蠢動す

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