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ことのはいけばな

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花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。地軸の傾いた地球に乗って、太陽の周りを一巡り。花を立て言葉を立てて、遊行します。
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#庭

ことのはいけはな; 春分 第12候「雷乃発声」

ことのはいけはな; 春分 第12候「雷乃発声」

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。
はなとことばを立てて相互記譜。七十二候の「ことのはとはなの旅」。

竣工後約1年のお庭。お引き渡しの時も、喜んでくださっていたけど、花曇りの日曜日に訪ねて、なお一層その可愛がりっぷりが深まっているのがわかった。思うに、植物だって人を見ている。桜を愛でるお花見も相思相愛だからこそ、ここまでみんなが心待ちにするから、彼らも美しく、誇らしげに咲いて

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ことのはいけばな ;啓蟄 第9候「菜虫化蝶」

ことのはいけばな ;啓蟄 第9候「菜虫化蝶」

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。
はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅のはじまり。

「菜虫化蝶」…昨年からデザインしていた屋上庭園がお引き渡し。

まぼろしのやうに小さくひらひらと対岸歩む人を追い抜く

ひるがえる小さな扇てふてふのこの世にいたり消えかけたりと

おい抜かる人は気付かぬてふてふの表に裏にときのまにまに

空港へ向かう巨鳥の烈音に鳥かたむ

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ことのはいけばな ;啓蟄 第七候「蟄虫啓戸」

ことのはいけばな ;啓蟄 第七候「蟄虫啓戸」

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。
はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅のはじまり。

【舞台裏】

暗がりの舞台の袖に抱きとられ

光の中へ生まれ行く鳥

ことのはいけばな ;雨水第5候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」

ことのはいけばな ;雨水第5候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。
はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅のはじまり。

植栽を手がけたコロナにより営業自粛の続くホテル。植物は擬の地面でも、大気に差し込んだ身体で機微を察し、春を招く。引き寄せたけど、水槽を眺めるような。

カプセルの内より眺む擬似自然アアソウカイの春に霞みて

春霞コロナウィルススギ花粉黄砂も何も祓う松籟

ひたすらに光の

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