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まなかい ローカル72候マラソン

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まなかい… 行きかいの風景を24節気72候を手すりに 放してしるべとします。                                        万葉集        …
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#季節

穀雨 第16候・葭始生(あしはじめてしょうず)

穀雨 第16候・葭始生(あしはじめてしょうず)

「豊葦原の瑞穂の国」

「美し葦牙」と謳われた風土を持つ列島。人が住み始めた頃は湿地がとても多かったのだろう。

葦 芦 蘆 葭、、、たくさんの漢字を当てられ、「悪し」に通じるというのを忌み嫌われてヨシ 蘆 葦、、、となる。ややこしいが吉原は葦原だったのだ。

茅(かや)とも呼ばれるから 地方によって芒やオギなど陸生のものも使われるが、一般に茅葺き屋根も多くは葦が使われた。

武蔵野といえば雑木林

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雨水 第6候・草木萌動(そうもくめばえいずる)

雨水 第6候・草木萌動(そうもくめばえいずる)

赤坂氷川神社花活け教室「はなのみち」。第3季の最終回は中止となりました。新暦雛祭りの前日、みなさんと花の連句「めぐり花」で春のお祝いとともに締めくくろうと思っていましたが叶わず。でも折角なのでいつもの時間に広間で待たせていただき、花材を取りに来られる方たちとひと時を過ごしました。

花瓶に生けた小さな花は、イースターと雛祭りの合わせ活け。器をイースターの卵に見立て、鳥のようなフリージアを添えていま

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雨水 第5候・霞始靆(かすみはじめてたなびく)

雨水 第5候・霞始靆(かすみはじめてたなびく)

土が潤えば霞もたなびき、花も咲くわけですが、雨水の前の日、脱水症状となり出先で車を置いてタクシーに乗り換え、病院へ駆け込みました。

温かで霜も降りず、雪も降らない冬に、身体はちゃんと休めていなかったようで、春となって動こうとなったら水が足りなかった!ぐるんぐるんと世界が周り、気持ちが悪くて、、、水が足りない植物の気持ちがわかりました。

雪は大地に水を少しずつ少しずつ湿潤させるようです。雪国で生

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まなかい 立春 第1候・東風解凍(こちこおりをとく) 鬼と春

まなかい 立春 第1候・東風解凍(こちこおりをとく) 鬼と春

節分で穢れを祓い、清め、ハレの持続を願う。場を清め晴らすための花。節分には柊と一位、しだれ柳、アスナロヒノキ、ヒカゲカズラを垂らして幣を掛けた冬の依り代。立春には赤い艶葉木二種を活けて春の依り代。軸は番の鶴と松で睦まじく。演台の金魚と着物の裾の篝火と赤い椿、赤は太陽のみどりご、依り代。東風解凍。金魚も跳ねる。玉川奈々福の声も迸る。水と炎。立春の新玉を震わせる夜。暗香浮動。参道に薫る夜の梅。はればれ

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