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LTV向上させるには?LTV向上をECサイトで成功させるポイント10選と成功事例を紹介!

自社ECサイトの収益最大化を目指す際、どのようにLTVを上げて行くのか営業戦略に悩む方もいるのではないでしょうか。
ECサイトビジネスでは、LTV(ライフタイムバリュー)の数値を高めることで、新規顧客獲得よりも低いコストで安定した収益を獲得することができます。
この記事では、LTV向上を目指すべき理由と、LTVを向上させるための具体的な施策をご紹介します。

この記事でわかること

  • ECサイトでLTVを向上させるメリット

  • ECサイトのLTV向上で重要な指標

  • ECサイトのLTV向上を成功させるポイント

こんな方におすすめ

  • ECサイトでの新規顧客獲得にかかるコストを削減したい

  • ECサイトのLTV向上で既存顧客の売上を増やしたい

  • 自社ECサイトの利益の安定化を図りたい




LTVの意味とは

LTVとは、「Life Time Value」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されるマーケティング用語です。
多くの場合、1人の顧客(1社)が、その企業と取引を始めてから取引関係が終了するまでに、その企業の製品やサービスに費やした金額の合計を指します。
その総額から顧客獲得・維持のためのコストを差し引いて累積利益を求めることもあります。
LTVは、企業が継続的に利益を上げるための重要な指標であり、LTVの向上は事業の成長に直結するものです。

LTVの算出方法
LTVの算出方法はいくつかあります。取り扱う商品の性質によって算出方法は異なりますが、一般的には、全顧客の平均値から以下の式でLTVを算出します。

【LTV】=【平均購入金額】×【収益率】×【購入頻度】×【継続購入期間】
また、新規顧客獲得や既存顧客維持に必要なコストを考慮し、以下の式で算出する場合もあります。

【LTV】=【平均購買単価】×【収益率】×【購買頻度】×【継続購買期間】−【新規顧客1人あたりの獲得コスト+既存顧客1人あたりの維持コスト】
この計算式の結果がマイナスであれば、そのビジネスは成り立ちません。それぞれの要素を見直し、LTVの向上とコスト削減が可能かどうかを検討する必要があります。


EC業界でLTVが注目されている背景

LTVが注目されるようになった背景には、顧客との良好な関係を維持し顧客ロイヤリティを高めることで自社ブランドの価値を向上させ、収益拡大を目指すCRMやサブスクリプションモデルの普及があると考えられます。
CRMを適切なツールで実践すれば、経験や勘に頼らないマーケティングが可能になり、適切なタイミングで顧客に適切なアプローチを行うことができ、収益性の向上に寄与することができます。
また、サブスクリプションモデルでは、お客様がどれだけ長く購読を続けるかによって、収益が大きく変化します。
つまり、LTVの向上が収益性の最重要課題です。そのため、サブスクリプションモデルの企業は、製品やサービスの品質を常に向上させ、十分すぎるほどのサポートを提供するために、さまざまな施策を講じています。
こうしたことから、単に収益を上げるだけでなく、効率的に収益を上げるための手段として、LTVに注目する企業が増えています。


ECサイトでLTVを向上させるメリット

ここでは、顧客との関係性の強化や新規顧客獲得コスト削減など、LTVを高めることで得られる数々のメリットについて、詳しく解説していきます。

新規購入獲得のコストを削減できる

LTVを高めることで、運用コストを削減しながら利益を増やすことができます。
その根拠となるのが、【1:5の法則】です。【1:5の法則】とは、既存顧客の維持コストを1とすると、新規顧客の獲得コストは5となり、既存顧客と中長期的に良好な関係を築くことが重要であることを示しています。
つまり、企業やブランドが継続的に利益を上げていくためには、商品に愛着を持ってくれるリピーターを増やし、LTVを向上させることが効率的なのです。
リピーターを増やすための施策は様々あり、その多くはメールマガジンの送付、ダイレクトメールの送付など、低コストで行えるものが主流です。
一方、新規顧客を獲得する方法としては、以下のような施策が挙げられます。

  • 広告を出す

  • イベントを行う

  • 展示会に出展する

これらは不特定多数にアプローチするため、大きなコストがかかります。
販売コストを削減したいのであれば、リピーターの獲得に注力することも有効な戦略の一つです。

顧客との関係性を強化できる

ECサイトでLTVを高めることの別のメリットは、お客様との関係性を強化できることです。
既存顧客から選ばれる満足度の高い商品・サービスを提供することで、顧客との信頼関係を構築することが重要です。
信頼関係があれば、お客様の次回の購入や商品の利用を促し、より長い期間、購買を継続することができます。
LTVの向上とともに、さらに関係を強化するサイクルにもつながっていきます。

ブランド価値が高まる

LTVを向上させることには、ブランド価値が高まるというメリットもあります。
LTVを高めるためには、的確な働きかけに加え、製品やサービスの質を向上させることが不可欠です。
こうした取り組みによって顧客満足度が高まれば、信頼感やロイヤリティが高まり、企業やブランドの価値向上につながるのです。
企業やブランドに信頼と愛着を持つ顧客は、継続的に購入するリピーターとなるだけでなく、口コミや紹介などを通じて新規顧客の獲得に好影響を与えることも少なくありません。

収益性が向上する

前述のように、新規顧客の獲得には広告宣伝費がかかるため、利益を出すのが難しくなり、会社の負担になることでしょう。

市場が成長している時期には、低コストで新規顧客を獲得することができますが、市場が成熟すると新規顧客の獲得が難しくなります。

企業にとって既存顧客にどのようにアプローチするかが重要であり、そのためにLTVという指標が有効と言えます。


優良顧客の理解度が高まる

優良顧客とは、以下のような特徴のある顧客を指します。

  • 購入頻度の高い顧客

  • 付き合いの長い顧客

  • 一度に多くの購買を行う顧客

どの企業も優良顧客を多く獲得したいのは当然です。
そのためには、優良顧客の傾向を理解して、似たような傾向のある客層をターゲットにするのが効果的でしょう。
年齢や性別などの属性を把握することも重要ですが、優良顧客が自社製品のどんなところに魅力を感じているのか、
自社製品をどのように使っているのかを深く掘り下げていくことが重要です。
例えば、定額で洋服をレンタルできるサブスクリプションサービスは、当初はファッションを楽しみたい人向けでした。
ところが、実はファッションにあまり興味がない人や、洋服選びの手間を省きたい人からも支持されています。
この場合、ファッションに手間暇をかけたくない人が優良顧客となり、売上を伸ばすためには、この層にアピールすることが効果的です。
優良顧客の動向を把握することは、マーケティングにおいて非常に重要であると言えます。


ECサイトのLTV向上で重要な指標

LTVを高めるには様々な方法がありますが、ここでは購入単価の引き上げや顧客ロイヤリティなどの6つの施策をご紹介します。

顧客単価

購入単価を上げる最もシンプルな方法は、商品やサービスの単価を上げることです。
しかし、顧客のニーズを満たさない値上げは、顧客離れを招き、顧客が他社に流れてしまう可能性があるので注意が必要です。
お客様に購入単価の引き上げを促すには、商品・サービスの単価を上げる以外に、以下のような提案が考えられます。

  • より高価格、高価格帯の商品・サービスを購入してもらう

  • 関連商品を一緒に購入してもらう

  • 購入する商品の数を増やす

ここで注意したいのは、そのコミュニケーションがお客様のニーズと合致しているか、お客様が製品やサービスに高い関心を寄せているかどうかを見極めることです。
お客様があまり興味のない商品やサービスを提案して「鬱陶しい」と感じさせてしまうと、購入の機会を逃したり、離脱してしまうこともあるので注意が必要です。

購入頻度

LTVは、例えば月1回の購入から月2回、2ヶ月で3回など、期間ごとの購入回数を増やすことで高めることができます。単価が変わらなくても、回数が増えれば当然売上は伸びます。
例えば、サブスクリプション型のビジネスツールでは、回数や頻度を増やすのではなく、「利用IDを増やす」、つまり利用者数を拡大することが推し進められます。
前項のアップセルやクロスセルにも言えることですが、これらの手法では、お客様の商品やサービスに対する信頼度を慎重に推し量る必要があります。
お客さまに信頼され、自社や自社製品に愛着を持っていただいた段階でアプローチすれば、お客さまの信頼を失うことなく収益を上げることができます。

リピート率

商品を使わない、自社の店舗やECサイトで購入しないといった離脱や、サブスクリプション型サービスの場合は解約を防ぎ、継続して利用してもらうことが重要です。
解約や離脱を防ぐためには、データに基づく分析を行い、解約率や離脱率を下げるための施策を行うようにしましょう。
解約や離脱を減らすための施策を実施する際には、勘に頼るのではなく、BIツールなどを使って、離脱する顧客に共通する特徴をデータで分析します。
その上でデータに基づいた仮説を立てて、施策や対策を実施するようにしましょう。
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ECサイト分析の進め方とは? 注目すべき指標や重要ポイントを解説
ECサイト分析ツールの活用方法! 収益最大化を図れるツールを紹介

利用期間

もう一つの方法は、既存顧客との契約期間をできるだけ長くすることです。1ヶ月あたりの購入金額が低くても、利用期間が2倍になれば、LTVは2倍になります。
月額サービスの場合、1人のお客様が1年2年と長く使い続ければ、必然的にLTVは高くなるのです。
利用期間を延ばすためには、商品やサービスでお客様に満足していただくだけでなく、商品やサービスをよりよく活用していただくための情報を発信し、お客様をサポートすることが重要です。
ECサイトの場合、ポイントやユーザーランクの制度を導入するのも一つの方法です。また、月額固定制のサブスクリプションモデルの場合、解約を防ぐための工夫が必要です。
解約率と呼ばれる解約率を算出し、解約率が高いようであれば改善する必要があるでしょう。
例えば、解約を選択した顧客に解約の理由や不満点をヒアリングして、何が問題なのかを調査するなどして改善につなげましょう。

離脱率

サブスクリプション型サービスでは、既存顧客の離脱をいかに防ぐかが大きな課題です。
これはポストセールス担当者の技量に依存する部分もありますが、個人主義的な発想が強い対策は得策ではありません。データ分析によって原因を探り、対策を検討するようにしましょう。
特定の商品の離脱率が高い、契約から3ヶ月で離脱する率が高いなど、離脱するお客様に共通する条件や兆候は、データの中に何らかの特徴として現れてきます。
この特徴を読み取ることができれば、仮説を立て、それに基づいた施策を実施することが可能になるのです。

顧客ロイヤリティ

LTVを最大化するためには、顧客ロイヤリティを高めることが重要です。そのためには、お客様をファン化し、パーミッションを獲得することが不可欠です。
顧客のファンを作ることは、顧客ロイヤリティを高めることとほぼ同義であると言えるでしょう。
ファンになったお客様は、商品やサービスだけでなく、ブランドや企業そのものに信頼や愛着を持つようになります。
たとえ製品やサービスの欠点や不具合を見つけたとしても、それをポジティブに捉え、クレームではなく、改善のためのアドバイスとして企業に注意を促すこともあります。
また、リピート、アップセル、クロスセルはもちろんのこと、口コミや紹介による新規顧客の獲得にも貢献するかもしれません。
このような状況は、お客様から企業へのパーミッションの獲得と捉えることができます。
パーミッションとは、ステークホルダーから得た寛容、許可、承認などを指します。つまり、ビジネス上の関係において、顧客が自社を承認し、容認してくれているということです。
顧客と良好な関係を保ち、一度得たパーミッションを守り続けることができれば、顧客は継続的に購入してくれることが期待できます。
そうなれば、一人の顧客の収益を最大化する以上のメリットを得ることができるのです。


ECサイトでLTV向上を成功させるポイント

ここまで、5つのチェックポイントとその重要性、LTV向上のメリットについて述べてきましたが、購入頻度や収益性の向上は簡単なことではないのも事実です。
ここでは、CRMツールやチャットコマースなど、LTVを向上させるための具体的なツールを紹介していきます。

CRMツールの活用

CRMは「顧客関係管理(Customer Relationship Managementの略)」を表しており、顧客との良好な関係を構築するための手法やツールに使われます。
CRMでは、顧客ごとの購買動向を把握することができるため、既存顧客へのアプローチを最適化することでリピート率の向上を目指すことができます。
また、CRMマーケティングは、質の高い顧客体験を提供することで、既存顧客のリピート率を高め、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。
【関連記事】
ECサイトにおけるCRMとは?活用方法やメリットを詳しく解説
CRMマーケティングとは? メリットや施策を成功させるポイントを紹介

MAツールの活用

MA(Marketing Automation)とは、マーケティング施策の自動化と効果測定を支援するシステムです。
MAを利用することで、顧客情報をもとに、顧客一人ひとりに合わせたマーケティング施策を自動的かつ効率的に実施することができます。
MAは、顧客との関係構築による収益向上を目指すという点で、LTV向上と親和性の高いツールです。
効果的なマーケティング施策により、購買頻度や回遊性の向上が期待できます。また、顧客情報の分析や顧客へのアプローチを自動化することで、人間の作業負担を軽減し、コスト削減に貢献します。
例えば、興味や状況が広く分散している多数のお客様に対し、人手で最適なタイミングでコンタクトを取ろうとすると、コストと時間がかかりすぎてしまいます。
しかし、MAを使えば、お客様の行動に応じてリアルタイムにメッセージを送るなど、コミュニケーションの自動化が可能になります。
また、過去のマーケティング施策を管理・分析することで、効果の高い施策を絞り込み、LTVの向上につなげることも可能です。

チャットコマースの導入

Web接客ツールなどのコミュニケーションツールは、購入単価や購入頻度を高めるセールス・マーケティング用途と、満足度の向上や接客の効率化を図るカスタマーサポート用途の2つの用途で活用することができます。
セールス・マーケティング用途では、お客様が自社サイトを閲覧している際に、関心が高そうな商品をおすすめすることで、購買意欲を高める効果があります。
カスタマーサポートでは、お客様が求めている情報やサポートをチャットボットで即座に提供することで、満足度を高め、解約や離脱を未然に防ぐことができるでしょう。
LTVを高めるためには、顧客エンゲージメントの高さが必要なので、顧客に喜ばれるパーソナライズされた情報提供やコミュニケーションを心がけることが大切です。

カスタマージャーニーの作成

カスタマージャーニーとは「顧客の旅路」のことで、顧客がブランドを認知し、商品の比較検討、初回購入、リピート購入するまでの道のりを指します。
各タッチポイントで、顧客目線で具体的にどのようなアプローチをとるべきかを導き出す際にカスタマージャーニーを活用することができます。
各タッチポイントで的を絞ったコミュニケーションを行うことで、快適な顧客体験を実現し、ひいては顧客定着率の向上につなげることができるのです。

施策のパーソナライズ化

顧客ニーズの多様化に伴い、パーソナライゼーションへの要求も高まっています。
従来のWebサイトでは、誰にでも同じ画面を表示していましたが、初めてWebサイトを訪れる新規ユーザーと何度も利用しているリピーターとでは、表示すべき最適なコンテンツが異なります。
個人情報保護の観点から、サードパーティークッキーを利用したトラッキングが規制されつつありますが、Webサイト内のパーソナライゼーションは、この規制の対象ではありません。
一人ひとりに合わせた施策のパーソナライズを実現することで、LTVだけでなくCX(顧客体験)を向上させることができるのです。

施策の効果測定と改善

LTV向上のための施策は、一回やればそれで問題なしというわけではありません。定期的なメンテナンスを行うことで効果を得ることができるのです。
その場合、KPIなどを設定し、定期的に施策の効果を検証することが重要であると言えるでしょう。また施策を行った結果、「何がどれだけ変わったか」を測定することが大切です。
LTVの向上は、長期的な取り組みが必要な場合が多いため、変化を測定する仕組みの構築も欠かせません。

クロスセル・アップセル

購入単価を上げるには、「アップセル」「クロスセル」などの販売手法が有効です。
アップセルとは、ある商品・サービスの購入を検討しているお客様に対して、よりグレードの高い商品・サービスを販売することです。
お客様がその商品やサービスに十分な魅力を感じ、プレミアムに見合う価値があると納得してもらえれば、単価アップにつながるでしょう。
一方、クロスセルは、関連する商品を組み合わせて勧める販売手法です。レストランでのセットメニューなどが代表的な例になります。
アップセルとクロスセルを組み合わせることも可能です。特にヘビーユーザーやファンに対しては、ハイグレードな商品と関連商品を同時に提供することも手法の一つです。
お客様が購入されれば、購入単価が大幅にアップし、LTVの向上が期待できます。

リピート施策

長期的な購買を促すためには、継続的に購入できる商品・サービスを提供することが重要です。
例えば、日用品や消耗品などは、繰り返し購入してもらいやすいアイテムになります。また、アフターフォローやサポートなど、顧客との接点を維持することも欠かせません。
一度離れてしまったお客様に対しても、最後に使ってから1年後など、一定のタイミングでアピールすることで、再購入を促すことができます。
ここで重要なのは、顧客情報の管理です。多くのお客様に最適なタイミングで情報を発信するためには、顧客管理システムを活用することが有効な場合があります。

メルマガ施策

顧客との適切なコミュニケーションは顧客ロイヤルティにつながりますが、忘れてはならないのはメッセージの内容やタイミング、そしてメディアの選択です。
いずれも重要なポイントですが、メディアによって特性が異なることを知っておくことが大切です。
メールマガジンやウェブマガジンは、多くの情報を届けるのに適していますが、読むのに時間と手間がかかります。
一方、SNSは読みやすく、フォローを外されることも少ない傾向にあります。
ただし、メッセージは有益な情報や公式発表されていない情報など、よりユーザー目線に立ったものでなければ、飽きられてしまいます。
いずれにせよ、データをもとに仮説を立て、実行し、仮説の精度を高めるために改善するというサイクルを繰り返すことが重要です。

UGCの活用

UGCとは、SNS、ブログ、動画共有サイト、写真共有サイト、ソーシャルブックマークなどの各種ソーシャルメディア上で執筆・公開されたコンテンツを含む、ユーザーが制作・生成するコンテンツを表しています。
最近では、LPやメルマガなど、販売促進フェーズでUGCを活用する企業も多く見受けられます。その理由は、コンバージョン率の向上につながるからです。
例えば、自分がユーザーとしてECのLPやメールマガジンを見ているシーンを想像してください。
ユーザーの声を詳しく読むことで、購入を検討する際に、その商品を使った生活の実態を頭の中で想像することができるはずです。
販促の段階でユーザーにUGCを見せることで、消費者目線での説得力が増し、パーソナライズされた商品となり、購入に至りやすくなるのです。
また、お客様の声を収集・蓄積し、定性分析を行うことは、お客様をより深く理解することに繋がります。
お客様がブランドに何を求めているのかを明確に把握することは、新しい商品やサービスの開発・改良に大きなヒントを与えます。
こうした理由から、UGCを顧客満足度を高め、ビジネスを一歩進めるための源泉と位置づけ、その収集・活用を重視する企業が増えているのです。


ECサイトでのLTV向上の成功事例

ここでは、LTVに着目して成果を上げている企業の事例をご紹介します。

Oisix

参照元
有機野菜など安心・安全な食材の定期宅配サービスを提供するオイシックスも、マッチング販売戦略によって成功した企業の一つです。
長く使い続けられる仕組みづくりをマーケティングの基本方針とし、お試しセットを利用した顧客に定期便の契約を促す施策や、定期便を利用した顧客の利用率や購入頻度を高める施策に力を入れています。
オイシックスでは、定期購入の大きな価値を「お客様との直接的なつながり」と考え、会員の声を何よりも大切にしています。
定期便を解約した会員に解約の理由を聞き、その解決策として開発された商品は同社の人気商品の一つになっているのです。

KIRIN

参照元
飲料事業大手のキリンビールは特典によるLTV向上に成功した事例です。
キリンビールは、月額6,900円で家庭用ビールサーバーをレンタルし、月2回ビールを受け取れるサービス「KIRIN Home Tap」を開始しました。
一番搾りプレミアムが工場から自宅まで直接届くほか、「KIRIN Home Tap」利用者だけが飲める限定ビールなども楽しめます。
定期的に自宅に届くので、ビールの買い忘れを防げるのもメリットです。
不定期で募集を再開していますが、サービス開始以来、発表と同時に枠が埋まるほどの人気で、ユーザーの満足度も高く、LTVを高めることに成功しています。

カゴメ

参照元
飲料・食品・調味料の大手総合メーカーであるカゴメは、電話によるLTVの28%アップを実現した企業です。
2016年当時、カゴメは獲得規模を拡大していましたが、一方で定期解約者へのアンケートで「長期契約のメリットを感じられない」ことを理由に挙げる顧客も増えていました。
カゴメの通販の獲得チャネルは、オンラインで順調に拡大しています。しかし、依然としてオフラインからの注文が大半を占めていました。
そこで同社は、主な流入経路であるオフラインを中心としたコミュニケーション設計と、同社の強みであるコールセンターを活用したCRMの構築から取り組みを始めることにしたのです。
コールセンター業務を委託しているベルシステム24と連携して改善を進め、特別なお客様からの電話を受けた場合、コミュニケーターの判断で自由にお客様向けの特別サービスを実施できる施策を実施しました。
ロイヤル対応後の半年間で、LTVは前年同月比28%増、ROI(投資対効果)は約7倍となりました。

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