ルールを増やして従業員の個性を消したくない【経営者の仕事】
こんにちは、対話の専門家 田口淳之介です。
経営者さんからのご相談で、時どき「こっ、これは~」とボクも考えこんでしまうご相談があります。
ボクが考え込んでしまう相談というのは、経営者が自らに最も重要な問いを立てているからこそのご相談です。
つい先日も、クライアントから「仲間が個性を発揮できる職場にしていきたい」という想いを聴きました。と、同時に「ルールを作りたくない」という考え聴き、意見交換をしました。
言うならば「個(人)と集(団)のバランスをいかにとるのか?」という、答えのない問いについて、クライアントとボクはお互いの経験や、「人」についての想い、会社をどうしていきたいのか?といったテーマで真剣に話し合ったのです。
本記事では経営していく最中、誰しもが必ずブチ当たる「正解のない問いについて考える」をテーマに記事をお届けします。
正解のない問いについて考えることが、経営者にとっていかに大切なことなのか?また、そのような問いから自社にとっての最適解を導いていく方法をお伝えします。
問いを立てるのが経営者の仕事
「正解のない問い」について考えることこそ、経営者の仕事です。
そもそも、経営に唯一絶対の正解なんてない。
たとえば「家族のように従業員を大切にする」という社風で経営を安定している会社もあれば、真逆の方法でうまくいっている会社もあります。
会社がもつ歴史・規模や業種・地域との関わり方など、さまざま要因からそれぞれに最適解があるだけで、唯一絶対の正解はありません。
ある会社の正解が、他社では大問題を起こす原因になることだってあります。だからといって「個(人)と集(団)のバランスをいかにとるのか?」という、答えのない問いについて考えなくていいわけじゃありません。
むしろ、このような問いにこそ経営者は向き合う必要性があります。
私の正解を生み、私たちの正解へと育てていく
なぜなら、唯一絶対の正解がないからこそ「これが私の正解です」と、働く仲間に提示しなくてはいけないから。
そして「私の正解」を「私たちの正解」に変化させるために、みなに意見を伝えなくてはいけない。さらに言えば、みんなの意見を聴いて、本当の意味での「私たちの正解」を創造していく。
この仕事だけは、経営者でなくてはできない仕事です。
むしろ正解の存在していることだけを言っていればいいだけなら、経営者は必要ない。
新しい正解のために問いをたて、皆と話し合い創造していくために経営者は存在しているのです。
最適解の導き方3ステップ
「個(人)と集(団)のバランスをいかにとるのか?」と言ったような、売上にも会社の文化づくりにも関わるような、重要な課題に向き合うときにはどうしたらいいのでしょう?
3つのステップをご紹介します。
ステップ①・・・自問自答し、自分が望む未来を明確にしていく
ステップ②・・・社内・社外の人たちと意見交換をする
ステップ③・・・最後は会社・従業員・顧客、それぞれに貢献できる答えかどうかをチェックし、「私の正解」仲間に伝える
私の正解を生み、私たちの正解へと育てていく
唯一絶対の正解なんてひとつもない活動。それが経営ですよね。
だからこそ、経営者は自分の想いを明確にする必要があります。
そして、その想いは具現化したときに、必ず「顧客」に喜ばれるものでないといけません。
正解が存しないからこそ、創造していく。
この創造のプロセスに多くの人の力を借りることによって、「自分の答え」が明確になってきます。
協力を受け取り創造のプロセスを体験する
頭を悩ますような難しい課題こそぜひ自分自身、そして仲間と対話して、自分たちの正解を創っていってください。
対話というプロセスを経ていけば、新しい問いからうまれた新しい答えは、必ず「私たちの答え」になり、組織はひとつになっていきます。
ぜひ、難しい課題を抱えている経営者さんは3つのステップを活用してみてください。自己との対話に慣れていない方には、本書【リーダーのための対話の方程式】もオススメです。
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