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その後、彼にお金を返してもらうまでにひどく時間がかかった。
彼は自分の使い込みを誤魔化そうとあらゆる手を尽くしたし、私を時には恫喝し、時には泣き落としを使って揺さぶりにかけようとしてきた。
私はもうその手には乗らなかった。
彼と会わなくなってもう2年も経っているのに、まだ私がそれで揺さぶられると思っている彼の傲慢と変化の無さに、気持ちが白けてゆくばかりだった。
けれど2年という年月を経たあとでも、彼とメールでやりとりをしたり、彼がきちんとお金を返してくれなかったらどうしようと思うだけで手がひどく震えた。
PTSDってこういう症状のことを言うのだな、という自覚もあった。