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たいせつで重い300円の話

300円を、大切に持っている。持っていると言っても、手に握りしめているわけではない。noteのサポート受け取り金額として貯めてある。

けっこう前の話になるけれど、突然、憧れの方がサポートしてくださったのだ。メッセージを添えて。

目を疑った。ええ、あの方が?

私は有料記事を書いたことがないので、ときどきサポートを受けるとびっくりしてしまう。noteにサポート機能があることをほとんど忘れてしまったタイミングで、「○○さんがサポートしました」というお知らせが届く。

あ、そうか、サポートっていう機能があったな、と思い出す。そこに有名な、かつ憧れのあの方の名前があった日にはもう、目がチカチカ、頭がくわんくわん。はっきり言って混乱した。

雲の上の存在と言っていい方に私の記事を読んでもらえたことが畏れ多いような、恥ずかしいような、不思議な気持ち。口から出たのは「ひえー」だった。

もちろんその方にとっては気まぐれだったかもしれない。というか、その可能性のほうが高いんじゃないだろうか。

こわばる指先でお礼メッセージを送信したあと、300円という金額の重みが心にゆっくりと沈みこんできた。

300円といえば、今なら卵ひとパック(10個入り)が買えるかどうかという額だ。100円玉が3枚。

けれど、直径22.6mmの白銅貨幣が3枚ならんでいるのを眺めるよりもずっと重く感じられた。私が好き勝手に書いているものに対して発生したお金なのだ。しかも、びっくりするような方角からやってきたもの。

noteの毎日更新を始めて320日くらい。うまく書けない日もたくさんあるし、もう書けないんじゃないかと思う日もある。でも、なんだかんだで書き続けている。

飛び跳ねたくなるくらい嬉しいコメントをいただいたり、思いがけない方からサポートをいただいたり。書くことでいろいろな反応を受け取れる。あの300円は、書く喜びを教えてくれたのかもしれないなあ、と思う。だからこそ、しばらくはおいたままにしてある。

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