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心の底から感動にうちふるえた、わさびのユートピア。

夢のことを考えて、今日もドキドキわくわく、へらへらしているコーラ屋&わさび屋 準備室です。
わさび農家として半農半Xを実現しようと、まずは、わさび田候補を毎日探しています。
わさび作りは、わさびにとってばっちりな環境を見つけられれば、半分は成功である、ということは以前書きました。

この週末、地元でとうとうわさびのユートピアを確認しました。
今でも感動で小刻みにふるえているのですが、その感動のあまり、野暮ったい古くさいタイトルをつけてしまったくらいです。今回はその体験の記録をしておこうと思います。

いきさつ

毎日毎日、わさびを生産する場所をさがしているのですが、ひょんなことから素晴らしい情報を教えてもらいました。
僕は、とあるお寺のご住職に日頃よりお世話になっているのですが、軽い気持ちで、近所でわさびを生産されている方はいないかお聞きしました。
すると、なんと、お寺のすぐ近くにいらっしゃると言われました。

「なんと」という言葉は、「表現しがたいほどの、はなはだしい驚き」を意味しますが、まさに「なんと」がしっくりくるくらい驚きました。
「なんと」なんて本当に久しぶりに使いました…。なんと、なんと…。
その方をご紹介いただきまして、待ちわびた先週末、そのわさび田を拝見させてもらったといういきさつです。

ロケーション。場所は秘密ですが。

僕が住んでいるのは都会ではなく田舎ですが、コーラ屋にしろ、わさび生産にしろ、僕が活動しようとしている地域、住所は明らかにしていません。
これには理由があるのですね。

・せまい田舎で競合を生みたくない。
・とくに環境の条件が厳しいわさび生産においては、条件に合う場所は本格的に始動するまで伏せておきたい。
・お世話になったり、つながりをもった地元の方々へご迷惑をおかけしたくない。

これらの3点は気を使っています。
今回の記録も、場所や人を特定するような内容は控えますが、ご理解くださいませ。
その地元でわさび生産をされている方は、ここでは敬意をこめて「先生」と表記します。

わさびを生産されている場所は、先生のお住まいすぐ近くにありました。
田んぼが広がる土地に、こんもりと盛り上がっている小高い丘があるのですが、その丘と田んぼが交わる丘の裾にそのわさび田はありました。
丘は雑木林で覆われていまして、クヌギやコナラ、杉が多くありました。
田んぼの農道より丘の斜面へ13~14メートルくらい登った場所より水が湧き出ているようで、斜面を絶え間なく、湧き水がちろちろと流れています。
一点から水が湧いているのではなく、丘の斜面の一定の高さで、帯状に左右に長く湧水場所が伸びているという珍しい土地でした。
丘の斜面に幅広く水が湧いていて、先生が生産している場所だけでも左右40メートルくらいは水が流れていました。

水は上々、環境もばっちり

わさびは一定の水温で水が絶え間なく流れていなければなりません。
先生の場所は、わさびに丁度よい、少なすぎず多すぎない水量がありました。温度はもちろん一定で、昔はその水を飲用していたということですから、水質も上質であると思います。
この地域の水はミネラル豊富と聞いていますし、丘の背後の山は緑がとても深いですから、森が山にためた養分が、水の中にもたっぷりと含まれているでしょう。

わさびは強い直射日光をきらいます。夏場などは、強い日光でしおれてしまうこともあります。
普通のわさび田では、夏の時期にはわさび田の頭上を、カーテンのような資材で覆って、日光をさえぎるようにしています。
先生の生産場所では、斜面の頭上を雑木林が覆っているので、天然のカーテンが強い光をさえぎって、柔らかい光がわさびの上に落ちるようになっています。
この場所は、野生のわさびが自生するのに究極的に適した、わさびにとってのユートピアなんだな、と感動しました。

ユートピアは見るだけで楽しい

先生の生産場所では、丘の斜面を整備してわさび生産をしています。
全然手を入れてなくて恥ずかしい、と謙遜されていましたが、居心地のよさを覚えたのは、愛着をもって育てておられるのが表れているのだと感じました。
そのような場所はいるだけで楽しいものですね。元気をもらえるように感じます。

斜面のある面積の半分程度しか使われていませんでしたが、残り半分の手つかずの土地も野生のわさびがたくさん自生していて、土の表面からは見えませんが、土中浅いところで湧水は流れているのが分かります。
田舎のあるあるで、土地の所有者や境界線があいまいであり、斜面の残り半分の土地の権利を確認してくださっています。
この場所が使えれば、それはとてもうれしいでしょうが、たとえ使えなくても、この場所を知れて、訪れることができるようになったことは、とても幸せなことだなと思うのです。

ありがとうございます。感激のあまり、次の日も妻と息子を連れて見に行ってしまいましたよ(笑)。

ここはわさびのユートピア、ここではわさびも人も清くなれる。

場所探しはまだまだ続きます。わさびを作りたいという気持ちはさらに強くなったのでした。

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