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考察#3[ステラーブレイド]ストーリー解説と問題点 リリーとの出会い~ザイオン~新たな旅立ち【ネタバレ注意】

この記事はサブ記事です。

メイン記事「ストーリーのネタバレ考察 総評と問題点まとめ」を読んでもいいし、読まなくてもいいかも知れない。

[メイン記事概要]
ステラーブレイドを200時間以上遊び倒して執筆。圧倒的高評価のゲーム性やシステムには敢えて触れず、唯一、遺憾なストーリーに焦点。未プレイ者も楽しめる読み物を目指すが、ネタバレ注意。ストーリー総評は「世界観◎プロット◯人物描写✕筋書き✕」大きな問題点を2つ指摘。考察のためメインストリームのプロットを書き起こし。

この記事には、ステラーブレイドのストーリー部分を中心に編集した動画と、その中で描かれているストーリーの考察、アナザーストーリー的な二次創作アイデアがあります。

[動画]ステラーブレイド
私的まとめ第3話「ザイオン」

全12話完結。ストーリーを追いやすいようガッツリ編集の動画です。

リリーを仲間に加え、エイドス7をあとにしたイヴたち一行は、人類最後の都市ザイオンに到着。新たな旅立ちを迎えます。

次の動画 ▶ 第4話「レガシー」

ここから先は、この動画に含まれていない全てのネタバレ要素を踏まえた文章となりますのでご注意ください。


ストーリー解説

リリー登場

Lily

第5空挺部隊の生き残り、リリーが仲間に加わります。
主人公イヴは戦闘部隊に所属する兵士ですが、リリーはサポートエンジニアとのことなので、後方支援部隊の所属です。イヴは第7空挺部隊、第5空挺部隊のリリーが地球に降下して2年ということは、降下作戦はおよそ1年に1度、実行されていることがわかります。

また、出会いはエイドス7ですが、以前はエイドス9にいたことが後の展開(考察#7)で明かされます。

リリーは主にゲームシステム周りで活躍し、ゲーム進行に合わせて、ドローンに射撃性能を与えたり、イヴの2段ジャンプをアンロック、イヴのギア装備枠を増やす等してくれます。

終盤にかけてストーリーにも関わるものの、人物描写はかなり不遇な扱いを受けており、筆者がこのような記事を書く理由の一つとして彼女の存在があります。詳しくは問題点にて語ります。

オルカル登場

Orcale

サイバーパンクを絵に描いたようなビジュアルで雰囲気満点の預言者、オルカルが登場します。「パーソナルリンク」という詳細不明の技術により地表設備と接続し、地上のあらゆる場所を見通せるといいます。

ストーリーの終盤(考察#9)ではイヴにマスターコアというキーアイテムを授ける役割も担っており、なかなか美味しい位置にいる人物といえます。しかし、その人物描写はリリーと同様に不遇であり、詳しくは問題点にて語ります。

ザイオンといえば

ステラーブレイドの世界に「人類最後の都市」として登場するザイオン。

SFの世界で「ザイオン」といえば、映画「マトリックス」シリーズが真っ先に浮かぶのは筆者だけではないはず。預言者の名前もそっくりですし、次の動画では「マトリックス11」という地名も登場します。いわゆるオマージュですね。

映画「マトリックス」では、仮想世界から現実世界に戻るギミックとして電話機が使われていました。

Waypoint
動画に含めるの忘れてしまったシーン

ステラーブレイドでは、ゲーム的な要素であるファストトラベル用のウェイポイントが電話機のデザインになっており、作中No.1の筆者お気に入りオマージュです。

ストーリーの問題点

リリーの放棄されたストーリー

リリーの登場シーンについては、おそらく多くのプレイヤーが「2年もポッドの中にいたの…?」と疑問を感じることでしょう。

よくよく会話を聞いてみると、ポッドの中に2年いた、とは誰も言っていないので、エイドス7やエイドス9に身を潜めていて、発見されたとき、たまたまポッドの中にいた、とも解釈できます。とはいえ、そもそもポッドの中に閉じ込められていた事実について、それなりの説明がないと、存在自体が無理筋な人物となってしまいます。それなのに、その説明は一切ありません。加えて、このあとの展開を俯瞰してみても、彼女の言動はゲーム進行に都合よく使われる小道具としてしか扱われていません。

リリーの存在は、筆者が「物語が放棄されている」と考える本当に残念な要因の一つです。

ナビゲーター役に徹してしまうオルカル

Orcale

オルカルは元アルファネイティブであり、終盤ではイヴにマスターコアを渡す重要人物です。
エルダーであるアダムと同様、何らかの意図や目的を持って行動していて欲しいですが、悪い意味でそれを微塵も感じさせません。

ザイオンをどう導きたいのか、未来をどう展望しているか、それを達成するため、どのような計画があり、どう進めているのか、あるいは腹案や野望があるのか、指導者ならば思惑があって当然。しかし彼の言葉が語るのは、「助けてくれて嬉しい」「わしのパーソナルリンクどうよ」「アルファネイティブ見つけてしんぜよう」「だからハイパーセル回収してきて」等、場当たり的なものばかり。まるでプレイヤーにミッションを与えるために存在しているかのようです。

役目だけを淡々とこなすオルカルの姿は、筆者が「物語が放棄されている」と考える要因の一つです。

相変わらずペラペラの紙アダム

ザイオン到着直後、はやるイヴに対する台詞
「休む気なしか お前らしいな」
お前らしい…?出会って1日足らずでイヴの何を知っている?休む気ないのがイヴらしい?むしろこれまでの道中キャンプで休みまくってますよ?
また、それっぽいことを雰囲気でしゃべっているようです。

アナザーストーリー[二次創作版]

オリジナル版の良質なプロットはそのままに、このあとの展開も考慮したアイデア版です。

素晴らしいゲームをリスペクトしつつ、素人たる筆者がおこがましい限りではあるけれど、ストーリーに問題が多くもったいない過ぎるので空想するに至った次第。どうか許してほしい。
改ざんや創作したカットやシーンと、その前後だけ抜き出して書いています。略してあるシーンはオリジナル版ままを想定しています。

動画を見ながら脳内で展開すると、より楽しめます。

[凡例]
xx:yy 動画内タイムコードと劇中の場所
オリジナル版まま
オリジナル版の記憶よ永久にあれ
アナザーストーリー版(追加または置き換わり)
※タイムコードは動画の概要欄に同じものを記載しています

01:19 エイドス7/アダムの飛行船/船内

Tetrapod

*アダム「話をまとめると お前は身を潜めて 他の部隊が来るのを2年近く待ってたわけか」
-イヴ「そこに私たちが来た
+イヴ「ポッドに閉じ込められていたのは37時間だった?」
*リリー「そうです! 助けてくれてありがとうございました!」
-リリー「次の部隊が来るのをずっと待ってたんです!
-リリー「ずーっと 1人で寂しくて…
+リリー「ポッドを見つけて 救難信号をONにしたところまではよかったんですけど…」
+リリー「使える部品を探していたら うっかり非常ロックを作動させちゃったんです」
-イヴ「じゃあ私たちに見つけられて運がよかった」
+イヴ「私たちに見つけられて運がよかった」

05:04 ザイオン/セーフハウス/到着直後

Xion

(前略)
*アダム「どんなに苦しい時でも 人類は必ず活路を見出すものだ」
*イヴ「それで… どこへ向かうの?」
-アダム「休む気なしか お前らしいな
+アダム「(少しおどけて)は! 少しはポジティブが身についてきたじゃないか」
*アダム「オルカルは謁見の間にいる 案内しよう」

08:24 ザイオン/地下/謁見の間

(前略)
*リリー「待った… なんでそんなことまで知ってんの?」
*オルカル「地表設備とパーソナルリンクで繋がっておるおかげだ」
-オルカル「わしは地球上のあらゆる場所を見通せる 無論相応のエネルギーは必要とするがな
+オルカル「わしは地球上のあらゆる場所を見通し… 人類が生き残る術を探っておる」
*リリー「じゃあつまり アルファネイティブの居場所も 突き止められるってことだね!」
*オルカル「前置きはこの辺にしておこう」
*オルカル「アダム ハイパーセルを差し込んできてくれ」

11:36 ザイオン/地下/ハイパードライブ

(前略)
*リリー「でももっとハイパーセルを集めないと みんなこのまま寝たままってこと?」
*アダム「ああ ザイオンを完全に立て直すには」
-アダム「あと3本ハイパーセルが必要だ」
+アダム「まだまだハイパーセルが必要だ」
*アダム「それじゃあオルカルから話の続きを聞こう」

13:42 ザイオン/地下/謁見の間

*オルカル「おお… 客人たちよ 皆の助けに感謝しよう」
-オルカル「おぬしらのおかげで幾万もの民が生き長らえることができる
+オルカル「おぬしらのおかげで幾万もの民が 自らの足で未来へと歩みを進めることができる」
-オルカル「それにわしのパーソナルリンクもいくらか安定した
+オルカル「それにわしのパーソナルリンクも さらなる資源を見つけられるようになった」
*リリー「役に立ててよかった!」
*リリー「じゃあ これでもうアルファネイティブの居場所がわかるってこと?」
*マン「オルカル様はいま"揺り籠"の維持に集中しておいでだ」
*リリー「わっ …あなた誰?」
*アダム「ああ こいつはマンだ 衛兵の指揮官で オルカルの護衛も任されてる」
*オルカル「いまのエネルギー量では限度があってのお」
-オルカル「残念ながらまだそう広い範囲は調べられん
+オルカル「残念ながらおぬしらに回す余裕はない」
*オルカル「だが さらにハイパーセルが手に入れば」
-オルカル「残るアルファネイティブの居場所も突き止められる
+オルカル「アルファネイティブの居場所を突き止めることもできよう」
*オルカル「そこでだが おぬしに一つ頼みがある」
*オルカル「荒野にある アルテス・レボワという遺跡へ足を運んではくれぬか?」
*オルカル「彼の遺跡に眠っているハイパーセルを回収してきてほしい」

空想ポイント

リリーについて、筆者のアナザーストーリーでは、2年間ずっとポッドにいた、という誤解が発生しにくい会話にしました。これでもまだ、後の展開で明かされるエイドス9にいたことと、いまエイドス7にいることの辻褄は合わない(なぜ移動した?どうやって移動した?等)ですが、そこを語らせると冗長かつ本筋から外れてしまうので触れません。その他のリリーの台詞については、薄っぺらさを感じてしまうものの、基本的に物静かな主人公、イヴの代わりに素直な感情を吐き出す、という役割のあるキャラクターと思いますし、筆者の空想力も働きませんでした。

アダムのハイパーセルに関する台詞は、筆者の創作したアナザーストーリーにおいて、3本という具体的な数字が意味を持たないのであいまいにしています。

オルカルについては、筆者の創作したオルカルの目指す未来と思惑を少し台詞に反映させました。単に助けを求める老人ではなく、思惑を持ってイヴを利用しようとする老獪さがあると思います。

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