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考察#9[ステラーブレイド]ストーリー解説と問題点 宇宙からの帰還~ザイオン炎上【ネタバレ注意】

この記事はサブ記事です。

メイン記事「ストーリーのネタバレ考察 総評と問題点まとめ」を読んでもいいし、読まなくてもいいかも知れない。

[メイン記事概要]
ステラーブレイドを200時間以上遊び倒して執筆。圧倒的高評価のゲーム性やシステムには敢えて触れず、唯一、遺憾なストーリーに焦点。未プレイ者も楽しめる読み物を目指すが、ネタバレ注意。ストーリー総評は「世界観◎プロット◯人物描写✕筋書き✕」大きな問題点を2つ指摘。考察のためメインストリームのプロットを書き起こし。

この記事には、ステラーブレイドのストーリー部分を中心に編集した動画と、その中で描かれているストーリーの考察、アナザーストーリー的な二次創作アイデアがあります。

[動画]ステラーブレイド
私的まとめ第9話「マスターコア」

全12話完結。ストーリーを追いやすいようガッツリ編集の動画です。

セントラルコアから生還したイヴは、襲撃され炎上するザイオンに駆けつけます。急ぎ、イヴは謁見の間のアルファネイティブのもとへ向かいます。

次の動画 ▶ 第10話「レイヴン」

ここから先は、この動画に含まれていない全てのネタバレ要素を踏まえた文章となりますのでご注意ください。


ストーリー解説

そしてクライマックスへ

3つ目のアルファコアを求めて軌道エレベーターを昇り、セントラルコアに到着したイヴ。物語はついに宇宙へと展開します。

Demogorgon
巨大アルファネイティブ デモゴルゴン

セントラルコアでの危機から、襲撃され炎上するザイオン、謁見の間での黒い翼のアルファネイティブとの因縁の対決。プロット的には、クライマックスに向かって一気に駆け上がる見せ場の連続なのですが… 詳しくは問題点で語ります。

黒い翼のアルファネイティブ

Unidentified Naytiba
Raven
「私が誰か知っているのか」

その正体は、レガシーを残した第2空挺部隊のレイヴン。これは素直にとても良い設定。本作のストーリーの中核です。
でも、しゃべっている内容は相当あやしい。詳しくは問題点で語ります。

マスターコア

Master Core

オルカルがアルファネイティブであることを自ら明かし、自分の命と引き換えに足りなかった最後のアルファコアを補うことで、ついにマスターコアが完成します。
この一連のオルカルは見事な展開。僭越ながら満点と思いました。

ストーリーの問題点

縁もゆかりもないエグゾスーツの飛来

セントラルコアのボス戦で宇宙空間に投げ出されてしまうイヴ。作中におけるイヴ最大の危機が訪れます。宇宙でも生存できるアンドロエイドスとはいえ、重力に引かれて地球に落下すれば大気圏で燃え尽きるのは必定。

Eve

ここに颯爽と現れ、イヴの窮地を救う、その美味しい役回りを持っていくのは誰なのか、主人公が死なないことを承知しているプレイヤーにとって、興味はそこしかありません。

タキ?いや、流石に生き返ることはなさそう、ワンチャン、アダムか?マンが駆けつけたら一躍、主要人物に躍り出ることになるけど…
しかし、がっかりなことに、見たことも聞いたこともない、無機質でやたら格好イイ外骨格メカが、文字通りどこからともなく飛来し、イヴを助けます。

リリー「誰でもいいから助けに来て!」

そのお祈りは一番通じちゃダメなやつだ。本当に誰でもないのが助けに来てどうする。しかもこのメカ、マザースフィアの差し金とのこと… なんでよ。プレイヤーの心情的には、最も助けて欲しくない人物に助けられてしまいました。

問題は、このエグゾスーツの飛来は、これまでのイヴの行動や、プレイヤーのゲームプレイにまったく無関係であることです。この見せ場までに積み上げてくるべきストーリーが無いのですから、当然といえば当然なのですが… 本当に残念なストーリーの放棄と言わざるを得ません。

さらに、これまで多くの兵士を見殺しにしてきたマザースフィアが、なぜ正体不明のドローンの救難信号に応えてエグゾスーツを送り込むのか、その疑問への答えは用意されていません。

死を簡単に受け入れるイヴとリリー

Eve
「私のボディセルで レールガンをオーバーチャージして!」

巨大アルファネイティブを倒すため、イヴは自分のボディセル(心臓)をエネルギー源にレールガンをチャージすることをリリーに要求します。「え!?それじゃイヴが死んじゃいます!」ここまでは問題ないのですが…

イヴ「構わない このために私は生まれた」
筆者「?!?!?!」

いやいやいや、ちゃんと考えた?
台詞がカッコイイからってまた台本通りにしゃべってないか?せめてリリーを説得するために「大丈夫 私はこんなところで死なない」とか嘘でもいいから言いなよ。会話に無理があり過ぎて全部棒読みに聞こえる。筆者の頭はおかしくなってしまったのか。リリーもリリーで「そんな… ダメです…」から「ああもう… どうなっても知らないからね!」に3秒で心変わりする支離滅裂ぶり。

これら、人物の心情を考慮していないかのような描写は、筆者が「物語が放棄されている」と考える要因の一つです。

根拠不明のザイオン襲撃

謁見の間に駆けつけたイヴを、黒い翼のアルファネイティブが出迎えます。

Unidentified Naytiba
「ザイオンがこうなったのも 全ては貴様のせいだ」

続く台詞によると、"あの方"に選ばれなかったことを逆恨みしているようですが、イヴを逆恨みしているのにどうしてザイオンを襲撃するのだろう?もっともらしい理由を推測するならば、イヴをおびき寄せるため、ですが、なぜザイオンを襲撃するとイヴが現れると考えたのか、これといった説明が思い当たりません。そもそも、おびき寄せならマトリックス11でタキを餌にしたり、空挺部隊の回線を使ったりで、すでに成功しています。なぜそこで殺そうとしなかったのか。

黒い翼のアルファネイティブことレイヴンの、筋の通らない行動は、筆者が「物語が放棄されている」と考える要因の一つです。

レイヴンについては次の考察(#10)でも語ります。

イヴの雰囲気発言が疑われる台詞

イヴ、お前もなのか…
セントラルコアから地上に生還したあとの、リリーとのアダムを心配する会話。

Eve

イヴ「ザイオンで… 何かに巻き込まれてるのかも」
イヴ「もしかして…
リリー「えっ?」
イヴ「何でもない とにかく急ぎましょう」

この「もしかして…」は明らかに伏線ですが、残念ながら回収されることはありません。雰囲気でそれっぽいことを言っているだけではないのか、筆者の疑惑です。
もしくは、このような各所にあるストーリーの断片を開発チームが意図的に消して回ったような臭いを筆者は脚本全体から嗅ぎ取っています。これは消し忘れの断片かも知れません。

アナザーストーリー[二次創作版]

オリジナル版の良質なプロットはそのままに、このあとの展開も考慮したアイデア版です。

素晴らしいゲームをリスペクトしつつ、素人たる筆者がおこがましい限りではあるけれど、ストーリーに問題が多くもったいない過ぎるので空想するに至った次第。どうか許してほしい。
改ざんや創作したカットやシーンと、その前後だけ抜き出して書いています。略してあるシーンはオリジナル版ままを想定しています。

動画を見ながら脳内で展開すると、より楽しめます。

[凡例]
xx:yy 動画内タイムコードと劇中の場所
オリジナル版まま
オリジナル版の記憶よ永久にあれ
アナザーストーリー版(追加または置き換わり)
※タイムコードは動画の概要欄に同じものを記載しています

01:10 宇宙/セントラルコア/外部

(前略)
*イヴ「アルファネイティブを野放しにはできない」
*イヴ「リリー 私のボディセルで レールガンをオーバーチャージして!」
*リリー「え!?それじゃイヴが死んじゃいます!」
-イヴ「構わない このために私は生まれた
+イヴ「こんなところで死んだら タキに合わせる顔がない 私は死なない」
-リリー「そんな… ダメです…
+リリー「でも…」
*イヴ「リリー お願い」
*リリー「ああもう… どうなっても知らないからね!」
*リリー「ボディセル接続! フルパワーでオーバーチャージ開始!」
(中略)
*イヴ「始末は できたけど これじゃ… コアを… 回収できない」
*イヴ「本当に… ごめんなさい…」
-リリー「コロニーの信号をキャッチできた! なんとか持ちこたえて!
+(懸命にキーボードを打鍵する音)
+リリー「もう静止軌道にいるはずなのに… どこなの あたしの秘密兵器…」
+リリー「イヴ なんとか持ちこたえて!」
-リリー「救難信号を送りました! お願い… 誰でもいいから助けに来て!
+リリー「信号をキャッチした! お願い… 早く! 間に合って!」
*(エグゾスーツが飛来しイヴを収容する)
*イヴ「ありがとう リリー…」

04:26 地上

*リリー「おかえりなさい…」
*リリー「もう ダメかと思いました…」
-リリー「きっとマザースフィアが… あたしの声に気づいたんです
+リリー「きっとイベリスが… またあたしを助けてくれたんです」
*イヴ「いいえ リリー… 全部あなたのおかげ」
*イヴ「あなたがいなかったらきっと死んでた」
*イヴ「ありがとう」
(中略)
*リリー「一体どうしちゃったんだろ?」
-イヴ「ザイオンで… 何かに巻き込まれてるのかも
+イヴ「わからない でも オルカルと街の皆も心配」
イヴ「もしかして…」
リリー「えっ?」
-イヴ「何でもない
*イヴ「とにかく急ぎましょう」

05:50 ザイオン付近/アダムの飛行船/船内

Tetrapod

*リリー「ウソ そんな!」
*リリー「ザイオンが…」
イヴ「だからアダムは あんなに慌てて戻ったのかも」
*イヴ「すぐに降ろして!」

07:17 ザイオン/地下/謁見の間

Unidentified Naytiba

(前略)
*イヴ「どうして? 一体何が目的なの!?」
*レイヴン「遅かったな イヴ」
*レイヴン「ザイオンがこうなったのも 全ては貴様のせいだ」
*イヴ「ネイティブが… 言葉を話してる!?」
-レイヴン「あの方がどうして 私ではなく貴様を選んだのか不思議でならない
-レイヴン「これほど尽くしてきたというのに… 一体何故だ!
+レイヴン「束の間の宇宙への帰還はどうだった?」
+レイヴン「私のかわいいおもちゃを 塵に変えてくれたようだな!」
-イヴ「あの方? 一体何の話をしてるの!?」
+イヴ「おもちゃ? 一体何の話をしてるの!?」
*レイヴン「何もわかっていないのだな」
-レイヴン「やはり貴様はあの方に相応しくない
+レイヴン「これまで私が狩ってきた数百の天使どもだ セントラルコアで遭ったろう?」
+イヴ「お前が あのネイティブをけしかけたの…!?」
+レイヴン「おかげでまた一からやり直しだ 手始めに…」
*レイヴン「今から貴様の息の根を この手で止めてやる」

空想ポイント

イヴの絶体絶命のピンチを救うのは、筆者のアナザーストーリーではリリーの秘密兵器です。以前のアナザーストーリー(#7)において、伏線というか、あからさまな前振りがありますし、驚きや感動は無い予定調和ですが、地上に帰ったあとのリリーの台詞でイベリスに言及できたので満足しています。我ながらイイ感じです。

ザイオンに駆けつけるまでの会話は、同じアナザーストーリー(#7)を受けた内容としています。

謁見の間の、黒い翼のアルファネイティブことレイヴンとイヴの対決シーンでは、筆者の創作を反映した脚本にしました。

レイヴンは、黒い翼のアルファネイティブとなってマザースフィアへの反逆と復讐のため"天使狩り"に明け暮れていた、という設定です。また、以前のアナザーストーリー(#4)で追加した、レイヴンとタキは同じ第2空挺部隊だったという設定がありますので、イヴとも無関係ではありません。ここでイヴに敵対するのも、それなりに説得力があると考えました。

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