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『箱男と、ベルリンへ行く。』(一)

・『シナリオライターと映画祭』

私がシナリオを書いた映画『箱男』が、ベルリン国際映画祭から招待を受けたのです。

ベルリナーレ・スペシャル部門でワールドプレミア、つまり世界で初めての上映が行われる手筈です。観客の前で、自分が書いた作品が、初めて公開される、しかもおおきな国際映画祭の舞台で……。なんとしても、参加したい。

しかし、脚本家が映画祭へ行くことはマレであります。

国内で言えばシナリオ賞にノミネートされたときのみでしょうか。海外に至っては、シナリオ賞がある映画祭だとしても、だいたいシナリオライターはお呼びではありません。(もちろん、権威ある脚本家は別ですヨ)
ですが、今回はなんとかご相伴にありつけましたので、オミソを承知で、のこのこベルリンへ赴きました。

ということで、少々、私のベルリン行をしたためることにします。これをもって、徐々にリリースされる映画『箱男』ニュースの一翼を担えればと密かに考えたりもしていますが、一種の極私的紀行日記に終始するかもしれません。それを承知で楽しんでいただければ。


少し気が早いですが、テレビ塔とベルリナーレ・ベア

(いながききよたか)

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