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7人の女侍 1話 ”長身で短髪なメンヘラによる逆セクハラ”

私の職場には7人の女性事務員がいます。

これからメンバーを一人づつご紹介していきます。

まず一人目は、一言で言うなれば

「長身で短髪なメンヘラ」。

この女性は、身長が170cm以上あり、髪はベリーショート。

舞台で男役を任せたくなるような風貌。
よく言えば、刈り上げの頃の木村カエラの宝塚男役版、とでも形容しましょうか。進撃の巨人で言えば完全にイェレナ。

しかしこれが、実のところはその風貌とは裏腹に、男役なんてとんでもない、中身は「すっごく女女している」のです。

今や男のほうがそんな人が多いですが、ぐずぐず、メソメソした感じといいましょうか・・・

そして私のほうが歳下だからか、なぜか上から目線多めの態度。

そのウザさたるや、木村カエラどころか君はカエレと言いたくなるほどです(失礼)。

ここでは彼女のことを仮にメメ子と呼びましょう。


私もメメ子も中途入社ですが、入社は私よりも2年後でした。

新入りだからといって特定の女性に過度に優しくすると他の女性社員たちに村八分を喰らわされるので、そっけなく接していたのですが、ある日、

「○○さん(私のこと)って面白いですね」

と言われました。
理由は不明ですが、なぜか”接し易い人”との第一判定がくだされたのです。


ここからのメメ子のアグレッシヴ感、距離感の詰め方の速さは、那須川天心のファイトスタイルに負けず劣らず。

まずは私のFacebookを突き止め、チャット機能でメッセージを送ってきました

最初はなんでもない仕事の話でしたが、LINEでもなくこの機能でわざわざ顔見知りとやりとりしたのは初めてです。

そして職場でも、背中を叩いてきたりの積極的なボディタッチ。

それからチャットは毎晩のように送信されてきました。
メメ子は既婚ですが、どうやら旦那は帰りが遅くなることが多いようです。


メメ子は決して私の好みのタイプというわけではないのですが、仕事では7人の中でも一番接点が多く、会話も多かったのです。
その上で、夜もメッセージが飛んでくる。

私はザイオンス効果(単純接触効果)により、

メメ子も意外と悪くない・・・かな・・・?

くらいに頭の中が侵食されてきます。

そしてメッセの会話もだんたんと、仕事だけでなく、プライベートにも及んできます。

旦那は私よりも背が小さいだとか、
今度生まれ変わったら別の人がいいとか言ってくるわけです。

挙句の果てに、どんな流れからだったのか、

「わたしは美人とかじゃないけど、ちゃんと好きになってくれた旦那もいるし、家庭もあるし、幸せなの」

的なこととか、

「見た目には気を使っているし、きっと誰か褒めてくれる人もいると思うの」

みたいなことを言い始めてきました。

あ、これは、私に褒めてほしいんだろうなぁ、という、女々しいメメ子アピールが目に余るようになってきました。

ザイオンスな私はメメ子が不憫に思えてきます。
その誘導にまんまとハマるのでした。

「メメ子さん、そんなに自分を卑下することないですよ」
「色白ですし、唇なんてぽってりしててセクシーですよ(なんとか捻出した感)」


今思えばこれが、悲劇の始まりだったのです。


~パート2に続く


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