【小説】純文学まとめ①
「ソラリ」という青空文庫の電子書籍アプリを使い、読書をしている。
流石、「日常の中に日本文学を」と謳っているだけある。日常のちょっとした時間に読み進めることができている。
このキャッチコピーを私は気に入っている。
最近読んだ本は以下の通り。
太宰治『人間失格』
何時でも誰にでも当てはまる物語。終始、人間的な弱さから起こる社会問題が描かれている。そのため、どの世代に対しても訴えかけるものがある。一冊の中で「自分っぽいな〜」と感じる部分があるはず。自分の軸がなく、受け身で流されてしまう辺り、現代の多くの人に当てはまるのではないか。道化を演じて他者と関わっている人も多いように思う。
芥川龍之介『羅生門』
追い詰められると、人間何をするか分からない。老婆の一言で下人の心が変わる。私たち読者の視点からすると「何やっとんねん」となるが、極限まで追い詰められると、生きていくために自らの行為を正当化してしまうという現実を突きつけられる。これって、どの時代にも通ずる社会問題だよなあ。
中島敦『山月記』
誰でも虎を飼っている。臆病な自尊心と尊大な羞恥心。弱い自分を認めたくない気持ち。弱い自分を見せたくない気持ち。李徴というエリートは、とりわけこの気持ちが強かったのだろうが、臆病な自尊心と尊大な羞恥心は、多かれ少なかれ誰もが抱いているものだろう。それらを自覚してコツコツと努力を積み重ねることができたら…と思うことはある。投げやりたくなることもある。
3冊の感想を載せたが、なんだか通じるものがあるなあ。
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