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9、札幌・丸美珈琲

タッザです。

今回は紀行文とコーヒーの記録を合わせて書きました。

今回の記録は、札幌にある丸美珈琲大通り公園本店です。
(※記録は後半に載せています。)


2024年の1月、羽田空港発ー新千歳行の飛行機が大雪の影響で遅延したこともあり、新千歳空港には予定より2時間遅い午後5時着いた。ボーディングブリッジ歩きながら着いたばかりの滑走路に目をやると、真っ白に染まった滑走路を大きな黄色の除雪車がきびきびと動いていた。

新千歳空港から札幌駅に向かうため、JRエアポート線に乗車することにした。乗客には外国人グループが早く北海道の雪でスキーを楽しみたいと盛り上がっていた。仲間と和気あいあい旅をしている彼らを羨ましく思い、1人旅の私は窓際の席にそっと座った。

午後6時、南千歳駅を超えると電車は音が静かになった。ガタンゴトンと車輪がレールの継ぎ目を通過する際の音。ブレーキをかける際にキーキーと甲高い鉄の軋む音。それらの音は聞こえず、すーっと氷の上をすべるように電車が進んだ。東京の騒音に慣れていたため、静かな車内は新鮮だった。窓外には雪が深深と降っていて、電車はレールの上に積もった雪をかき分けて進む除雪車のようだった。ポーっと汽笛が鳴り、誰もいない真っ白に染まったホームに到着。映画、鉄道員のワンシーンに出てきそうな風景に思えた。

いくつかの町を超えると電車と並走できる道路があり、その道を走る車の黄色いフォグランプが路肩の雪に反射し、ぼやけた黄色い光の塊が動いているように見えた。雪国以外では見ない珍しい光景だった。

いつの間にか静かな音の電車ではなく、ズシッズシッと重たい音が聞こえてきた。電車が雪を踏み進むたびにズシッズシッと重たい音が鳴る。

コンクリートジャングルでは聞けない別世界の音だった。


ポーっと再び大きな警笛が鳴った。


北海道で育ったわけではないが、ノスタルジックな気分になると同時にその瞬間、私は北国に来たんだと実感した。


札幌駅に到着した私は、そこから地下鉄に乗り、宿へ向かった。

チェックインを済まし、まず冷えた体を温めようとシャワーを浴びることにした。シャワーを終えると、夕食のために外へ出かけるのが億劫になった。

このまま寝てしまおうか。

そこまで空腹ではないが、食べるならせっかく札幌に来たからご当地グルメを食べたい。ただ今からスマホでお店を調べ、食べに行く気力も残っていない。このまま部屋で休んで明日を迎えてもいいのだと怠惰な自分に言い聞かせた。

この自由な選択は、1人旅の醍醐味と言っても過言でない。そう考え、すぐに眠りについた。



翌朝。

昨日から降り続いた大雪を除雪車が早朝から路肩に寄せていた。手際よく雪が路肩に寄せられる様子をホテルの窓から感心しながら眺めていた。
昨夜、夕食を抜いたことに後悔はしなかったが、今日は活発に動こうと決め、氷の上でも滑らないという長靴を履き、すぐにチェックアウトをした。外は晴れていたが歩いている人は少なく、まずコーヒー店を探すことにした。札幌の街並みは碁盤の目状なことは知っていたし、歩きやすいし迷う心配がなかった。

しかし、歩道の雪は凍っていてつるつる滑るので、滑らない靴を履いていても慎重に恐る恐る歩いた。
ホテルの周辺を散歩していると、札幌駅前通地下空間(チ・カ・ホ)への入り口を発見した。いざ入ってみると巨大な街が存在した。
「なんだここは・・・」
地上の大雪を忘れてしまうほどの活気と賑やかな空間がそこにあった。レストランから洋服屋、銀行、イベント広場などを見ながらぶらぶらと歩き、人の流れに流され地下空間のある出口に行き着いた。


地上に戻ると、冷たい風が顔に当たり、歩道脇には60cmほどの雪が除雪されている。地下空間で忘れていた北海道らしさを感じ安心した。目の前にはさっぽろテレビ塔があり、下から見上げたさっぽろテレビ塔の美しさに立ち止まった。
まだコーヒーを飲んでいないことに気がつき、チェックアウトしてから数時間が過ぎていたことも忘れていた。周囲を見回し、当てもなく歩き続けコーヒー店を探した。

丸美珈琲。営業中。
やっと見つけた。
明るい店内には数人のお客さんが静かに読書していた。店のショーケースにはコーヒー豆が並び販売もしていた。

メニューを見て注文したのは、農園の傑作・グアテマラ。

味は、まったりした甘さでジューシーな口当たりで美味しい。後味が口に残り幸せな気分になる1杯。以前、飲んだエチオピア ゲイシャのイチゴの甘さを1杯が思い出した。

コーヒー豆情報


生産国・・・グアテマラ
農園・・・インヘルト
精製方法・・・ナチュラル
品種・・・グラノ ペケーニョ ティピカ

味・・・まったりした甘味。柔らかい酸味の感じる。
    ジューシーな口当たり。
    後味が長く続くため、甘さが口に広がり身に染みるような
    幸福感を感じた。


グアテマラ インヘルト農園
ナチュラル グラノペケーニョ ティピカ種
豆は200gで5,184円で販売していました。


甘党なので、しっかりワッフルも食べました。美味しかった。


店を出た私は、凍った歩道を歩き始めた。歩幅を狭く、ペンギンのような歩き方で。

次はどこに行こうか。


おしまい。


まとめ

・今回飲んだ1杯は、グアテマラ インヘルト農園
ナチュラル グラノペケーニョ ティピカ種

・世に出回っていない品種「グラノ ペケーニョ ティピカ種」
 和名では小粒のティピカ種 

・店員さんからコーヒー豆の情報カードをいただけるのでそれを見ながら飲んだり調べたりできるのが嬉しい。

・サイドメニューも充実してワッフルが美味しかったです。



今回は紀行文とコーヒー情報を合わせて書いてみました。


読んでいただきありがとうございました。

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