【映画スラムダンク】リョータのリストバンドとピアスの答え合わせ
情報解禁から1年以上も楽しみに待っていたスラムダンクの映画を初日に観てきました!!
情報解禁された当時は1年と少し先なんて長いようで短いよなと思っていたけど、想像通りあっという間に来ちゃったな。
ほぼ内容告知無しの状態での映画公開、本当に最低限の告知で楽しめて良かった!
見るか迷ってる方にも観て欲しいので、概要と良かったシーンを自分なりに感想を置いておく。
⚠️全編ネタバレなのでご注意ください
概要
ファンが映像化して欲しかったシーンでありゲームの要となった箇所をピックアップし、その重要箇所の前後に回想や過去を織り交ぜるというドキュメンタリー風のストーリー構成。
今回は主人公の桜木花道ではなく、PG・宮城リョータ視点が主人公。
(そりゃ内容告知しないよな、だって予想外すぎるもの)
#7 宮城リョータの知られざる過去
リョータメインなのはおそらくスタメンの他4人は漫画で描き切っていること、漫画でリョータはさほどフューチャーされてこなかったこと、それにゲームメイクの要となるポイントガードが主役というのが新たな視点で良かったように思う。
【リョータの家族と過去】
リョータは沖縄生まれ
小学生の頃父を亡くしている
リョータは3兄妹でリョータは次男
長男のソータもバスケをやっており、ミニバスではエースとして活躍
リョータもバスケをやっていたが、身長も高く上手だった兄と度々比べられていた
兄が友人と船で釣りで出かけたきり帰ってこず、喧嘩したまま帰らぬ人となってしまった。
これは井上先生幻の読み切り作品「ピアス」と同等の展開、つまり「ピアス」の主人公はリョータであることがついに判明父も長男も失い、田舎町に居づらくなった母は湘南に移住
「ピアス」では小学6年生でまだあの秘密基地にしていた崖にいたので、おそらくリョータが中学に上がるタイミングで沖縄を離れた
山王戦でリョータがしていたピアスは「ピアス」であやこが海に投げ捨てたものと推測
リョータがつけていた赤いリストバンドは兄のソータのもの
母は生きているのか死んだのかも分からないソータからも、ソータが熱中していたバスケを続けるリョータからも目を背けて続けていた(バスケを見るたびにソータを思い出すから)
兄は山王工業と対戦することを夢見ていたので、リョータの山王工業との大舞台は兄のためでもあった。漫画ではプレイを中心に描かれていたが、リョータ自身は失踪した兄の夢も背負い、並々ならぬ覚悟で挑んでいた
漫画連載時にリョータの過去と心情は描かれなかったのは、リョータの過去がかなり重く、スポーツ漫画向きではなかったからだと思う
(当時のジャンプは今ほどダーク系が主流ではなかったと思うし、数十年経ったこのタイミングの公開が一番ベストだったと思う)
【リョータと三井】
リョータが中1の時、街中のバスケットコートで1人で練習していたところ、転がったボールを偶然三井が拾ったことで知り合う
(お互い知らなかっただけで流川とも同じコートで練習していたのではないかと思ったり)個人的な疑問と推察。リョータも三井同様安西先生目当てで湘北に入学したと漫画であるが(陵南の田岡監督がリョータをスカウトしたが安西先生を理由に断られた)、リョータが安西先生に出会った描写は無かった。
となると、後に三井と親密になり「安西先生という名将がいる」ということを三井伝てに知った可能性がある。リョータが入院した真実は三井らにボコられた直後、バイク事故に遭ったため
堂本監督が選手らにかけた言葉「はいあがろう」
漫画を読んだときは「はいあがろう」を「はい、あがろう(切り上げて会場を出よう)」という意味で捉えていたが、映画では「這い上がろう」と言っていた。
堂本監督はこの時点で既に次の全国大会であるウィンターカップに気持ちを切り替えていたのかもしれない。
神は沢北に試練を与えた
沢北が神社にお参りするシーンがある。
神社は「願いを叶えていただく場所」というのが一般認識だが、本来は「神に誓う場所」である。
例えば「マイホームが欲しいのでお金が欲しい!宝くじ当たりますように!」と丸投げするのではなく、「マイホームを建てるにはお金が必要、そのためには仕事を頑張り年収UPに繋げたいので力を貸して欲しい」と祈るのが正しいそうだ。
沢北は「高校バスケでやれることはやり切った、もし足りないなら自分に必要な経験をください」と神社で祈るのである。
「這い上がろう、負けたことがあるということがいつか大きな財産になる」と堂本監督に声をかけられ、初めて敗北を経験した沢北は、控え室に向かう廊下で神社でお願いしたことを思い出し、泣き崩れる。
華麗な伏線回収であり、またチームメイトも沢北にかける言葉が見つからなかった表情が切なかった。
沢北が参拝した神社のモデル
沢北がお参りした神社のモデルはおそらくこの「森子大物忌神社(もりこおおものいみじんじゃ)」が近いのでは?と推察。
鳥海山は秋田と山形をまたがる山で、こちらはの神社は秋田県内に鎮座。
こちらの神社には300段の階段があり、修験者が神輿を担いで昇り降りする行事があるそうだ。沢北が階段300段ダッシュして自主練していたので、こちらの神社をピックアップ。
モデルである能代工業高校(現:能代科学技術高等学校)の位置から推測するとかなり遠いので場所では考えないようにする。
そういえば、車椅子バスケの日本代表に鳥海選手がいますね。
【追記】
クレジットで取材協力している東京の「田無神社」は拝殿のデザインが似ていたので、拝殿のデザインや作法など細かい部分を田無神社に確認を依頼し、場所のモデルを秋田に鎮座する「森子大物忌神社」を借りたのだと思います。
ちなみに田無神社には亀はいませんが「龍神池」と呼ばれる池があります。
【さらに追記】
たまたまネット検索していたら見つけたこちらのブログ。地元の方かな?
なんと、こちらの神社の駐車場付近に「亀福院の湯」と呼ばれる冷泉という名の池があることがあるそう。こりゃ確定かな。
御祭神は「宇迦之御魂神」なのでお稲荷さんですね。宇迦之御魂神のことを東北地方では「大物忌神」と書くこともあるそう。この表記だと古事記由来かな。ちなみにお稲荷さんは元々は穀物の神様で、今は商売繁盛の神様です(ウカが穀物を意味します)
で、この地域では「大物忌神」は神社の中ではなく「山全体に宿っている」と考えられているらしい。
江戸時代には「薬師如来」が安置されていて別名「薬師様」と呼ばれてるみたいだけど、調べた限り狛犬も狐さんもいないし(山信仰だから見張り役はいらないのかな?)、珍しく神道と仏教が混じっているあたり、この神社の成り立ちは独特だなあ。
リョータと沢北のその後
沢北は予定通りアメリカへ、そしてなんとリョータもアメリカへ。
アメリカでは日本人対決が実現。
本当にスラムダンクで描かれたことが現実になるよね。最近だとNBAの日本人対決の八村塁と渡邊雄太、あと先日の渡邊雄太のスリーポイント連発が三井と重なった。
漫画だとアメリカ行くのは流川と沢北かなと思っていたけど、リョータとは意外だった。
あとリョータと町田瑠唯や富樫勇樹も重ねちゃうな。
個人的に思ったことと良かったシーン
山王戦を死闘を全て描くとなるとボリューム的に2部〜3部作になると思っていたが、綺麗に2時間半に納めまっていた。完全にリョータに焦点を当てていたのが良かった
映画館の大迫力で見る花道の安西先生の高速タプタプ
花道のダブルドリブル。普通に笑った。
スクリーンをかけた時のディフェンスのタイミングのズレやネットの揺れ、沢北がディフェンスの際に床を叩くところ、ベンチの応援など、高校バスケならではのルーティンや実際のプレイがかなりリアル
山王にビビったリョータが1人でランニングしていた時、彩子が「辛くなった時は手のひらを見よう」と決めた時。彩子がリョータの手のひらに書いた「No.1ガード」に裏話があるとは思わなかった
ミッチーのシュートフォームの美しさ。他のプレイヤーと比べても物凄く滑らかで細かく書いている
中学生ミッチーの性格の良さが滲み出てていい奴すぎる。マジでなんでグレに走ったのか謎
沢北のフローターシュート(へなちょこシュート)やダブルクラッチなどの華麗なる技は唸った
応援席には桜木軍団と三井軍団と晴子とその友達しかおらず、海南や魚住などの神奈川チームが出てこなかったところ
漫画では気が付かなかったが、山王のオールコートプレスに対応できないため安西先生が三井と流川をボール運びに参加させず、リョータのみでボールを運ぶことにした時、山王はオールコートから自動的にハーフプレスになっていた。
山王の狙いはパスカットでスティールを取ることだったが、ガード1人になることでこれが出来なくなった安西先生のガッツポーズ
深津のアンスポで山王も湘北も誰もが全員が動揺していたシーン。想像通りだったし、誠実なプレイスタイルである深津の冷静さを失ったプレイで山王が微かに崩れ始めかけたのがより鮮明に出ていた
丸ゴリが花道についた時。マジで胸が熱くなった。
ひっそりと広島まで見に来ていたリョータ母
安西先生がタイムアウト時、選手一人一人に放った言葉。物凄く好きなシーンとセリフだったし、湘北の奇跡のバランスの良さを再確認した
花道が背中を痛めてベンチに下がった一連の流れ。花道の回想とバスケへの熱意、彩子が本気で心配する様子、安西先生が花道の成長を見たかった本心の白状、声という命が吹き込んだことによって大号泣
ゲーム終了まで残り1分切り、決死の攻防から花道と流川のハイタッチまでの超名シーン。
この時のBGMが心臓の音などが加わるぐらいでほとんど無音、特にラストプレイの花道の「左手は添えるだけ」が口パクだったのが最高。そして大音量の花道流川のハイタッチ音。ボロ泣き
2回目以降の追記
明日4回目を見に行くのですが、このペースだと毎度毎度記事書くの大変なので気づいた点はこちらに全て追記します〜。
ピアスの「あやこ」とマネージャーの「彩子」は別人だと推測。理由はスラダンの彩子はピアスを開けていない(ピアスのあやこは右耳にあけているので)なのでリョータが彩子に一目惚れしたのは偶然だと思う
▶︎追記。どうやら映画ではピアスホール空いてるらしい山王のプレスに対応できずタイムアウトを取り安西先生がリョータに「ここは君の舞台ですよ」と言った時、どこか兄のために戦ってたリョータがようやく「コートに立ってるのは自分」と気づきハッとしたことに気がついて泣いちゃった
ヤスがリョータのことをちょこちょこ心配している様子が良かった。同学年だからこそだし、ヤスもリョータの実力を同学年ながら買っていたと思う
ソータの部屋でリョータとリョ母が喧嘩するシーン、ピアノでA(ラの音)が鳴るの、オーケストラとかだとAでチューニング合わせるのと音階は本来ドじゃくてラから始まるから「親子のズレの始まり」と「合うはずのものが噛み合わない」ことを意味してる気がして切ない
アメリカで沢北に取材していたのは高校バスケ担当記者・彦一姐の部下だった中村?
ポール君が後半下げられてるのは前半流川にダンク決められた時手首ケガしたから?(手を抑える描写があるのと、追い上げられてるあの局面なら新人・美紀男は出さない)
流川→ミッチーへの「そんなタマじゃねえよな?」が漫画ではかなり小さいコマだがセリフ付きだと流川の先輩への不器用な信頼が爆増しで流川推しじゃないのに泣いちゃった
花道・リョータ・ミッチーの肘鉄ポーズが可愛い
安西先生が「三井くん流川くん」と呼んだ時2人とも「はい!」「ウス」と返事した時。キャラ全開で可愛い
序盤山王がリョータの身長差利用してシュート決めた時「こすいマネしやがって」と着火youしたミッチーが直後に怒涛のスリー3連発決めるところ
安西先生はオフェンスリバウンド+セカンドチャンスのシュートで2点が実質4点分の働きであることに対し、堂本監督は3Pがワンプレイで最大だと考えていたことが判明。徐々にここで差が出てくる
この原理からすると終盤のミッチーバスカン3P+フリースロー1点の4点プレイは、速攻が−2点が消え+3点、かつファウルをもらったのでフリースロー+1点で実質6点プレイとなる
一瞬だけ安西先生が頭を抱えるシーンが出てくるのが切ない(安西先生の亡くなった教え子・谷沢と花道と流川に重ねているので)
花道が背中痛めてベンチ下がっている時、ゴリが河田弟、丸ゴリをミッチーが抑えてるのエグい
深津のボールキープ、ゲームメイク、圧倒的スタミナ、ディフェンス、獲物を狩るようなオンボールに対するプレッシャー、見れば見るほどエグすぎない?
リョータの「こいや山王!」がアツい!何度聴いてもアツい!
湘北の追い上げに山王一色だった会場が湘北の応援に回った時、何故か湘北メンバーになったみたいでまた泣いちゃった
石井(もう1人のメガネ君)の「湘北に入って良かった…」が何度聞いても沁みる…
同じ映画に何度も見に行きたくなるのは、徹底的に恋愛要素を排除し、ゲームとバックストーリーに注力した純度の高さだと思う
今年のウィンターカップの女子3回戦・絶対女王の桜花学園 vs 東海大福岡(63-64で東海大福岡が逆転勝利)のように「試合終了までスポーツに絶対は無い、だから面白い」を何十年経った今改めて思わせてくれる素晴らしい作品
「SLAM DUNK」最高!!!
あれだけ泣いても物凄くスッキリしてて、最上級で最高級の余韻に浸ってる。
個人的な話、バスケをやっていた中学生の時ポジションはセンターだったのでリョータとは違うけど、背番号が#7をつけていた時期が一番長かったのでなんだか嬉しい気持ち。
主題歌もロックバンドが好き抜きでThe Birthdayも10-FEETもドンピシャで、映画終わってからずっとループしてる。
私は平成生まれで、バスケを始めた小学生では既にスラダンがバスケの教科書になってたぐらいのレジェント漫画だったからずっと映像リメイクして欲しいなと思っていたけど、本当に令和の最新技術で映画化してくれてありがとうございます!!!!
2022年最高のプレゼント!!!!!!!!
井上雄彦先生に大感謝!!!!!!!!
チバさんもTAKUMAさんも最高!!!!!!!!
スラムダンク最高!!!!!!!!!
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