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●マンティコア 怪物●
観るかどうか少し迷っていた。予告編を観ても、必ず観たいという気がしなかったからだ。
しかしなんとなく引っかかり、チャンスがあれば行かなくてはと思い、そしてそれは正解だった。
ひとことで言うと「ヤバい映画」である。サブカル映画としても、恋愛映画としても、ノワール映画としてもヤバいのである。
人柄の丁寧な描写に登場人物を愛し始めた矢先、じわじわと広がってくる闇。
具現化しないだけで、誰しもが内包しう
●エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命●
生まれながらに宗教と密接な人と、そうでない人がいる。
私は後者で、日々の生活で信仰を意識することはない。一応の所属があることを思い出すのはお墓参りやお葬式くらいだ。
だから信仰が生活の一部である感覚を想像するのは難しい。
しかしそのように信仰に明るくない私でも、この物語の恐ろしさはわかる。そして信仰と密接な人にとっては、きっともっと恐ろしく感じることだろうと思う。
この映画は、まだ6歳のエルガル
●モンタレー・ポップ●
私はママス&パパスが好きだ。
当時の彼らの姿を見たくて行ったのだけれど、1967年がそのままそこにまだ続いているようで胸が熱くなった。
生まれる前のことなのに、私もその場にいたような郷愁にも似た感情はなぜ起こるのだろう。
時代の熱が確実に収められているからだろうか。
感度のいい人が集まっているのか、観客が全員おしゃれでそれぞれに似合う服装をしていてそれを見るのも楽しい。
また、当時からステージの
●英国式庭園殺人事件●
12枚の絵の構図とともに物語が進み、まるでパズルのように散りばめられた不穏と違和が最後まで続く。
もう一度観てその正体を確かめたくなる。
ピーター・グリーナウェイという監督の名を思い出すのには少し時間がかかった。
しかし「ZOO」というタイトルと照らし合わせてやっと繋がった。
20年近く前、1本100円の旧作映画を週に2~3本借りてとにかく観ていた。
もう一度観たいリストに書いたのがその映画だ。
●Ghost Tropic●
かけ違えてしまえば、いつのまにか知らないどこかに立っている。
はるか遠くではなく、ほんの少し先に、まるで旅先のように待っている。
始めから終わりまで構図がすばらしい。
美と心の動きが明確にそこにある。
ブリュッセルのあの夜を私も徘徊していたように錯覚し、時々思い出のように断片がよぎる。
●哀れなるものたち●
「自分」になるために世界を知り、誰かと会って、何かを感じて、考える。
世界を見る目を作るために、学ぶ。
成長するということは、それをやめないこと。
成長し続けるということが、生きること。
彼女は人生の喜びも悲しみも急速に吸収し、新しい視線で現在と過去と未来に向き合う。
そんな彼女から、私たちも学び考えることで今までの自分と新しく対峙できるということを教えてもらった気がする。
作り込まれた映像美
●PERFECT DAYS●
繰り返しているようで同じじゃない、今日という日の残像。
小さな美しさ、小さな楽しみ、小さな日常、小さな世界、小さな愛。
それをどのように感じるか、何を守りたいのかが、その人の美学になる。
いつまでもしみじみ、しみじみと、映画の断片が幸福なものとしてよみがえる。
彼のようにゆずれない自分だけの美しさと確固たる世界を手にしたいと思う。
上を見たり下を見たり、踊らされている自身の姿に気づかされる。
君