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世界一のお雑煮と不思議な女

ウチのお雑煮は世界一美味しい。
今年も大大大満足の出来栄えだ。

セリの風味をふんだんに活かし
とろっとろに煮込んだ餅が沈む
雑煮は最早芸術。おかわり必至。

しれっと作るのは
私と食の好みが抜群に合う女性。
料理の腕は鉄人級の嫁ちゃんだ。

冗談抜きに嫁ちゃんが作り出す
料理はどれも絶品、とくに汁物。
芋煮、豚汁、けんちん汁に雑煮。

具材と汁の絡み合う旨味と熱は
私の口内から胃袋、全身全てに
染み渡って脳を焼く。もだえる。


「君は何者だ?」

嫁ちゃんと出会って一年くらいのとき。
両手で嫁ちゃんのほっぺを引っ張って
問いただしたことがある。

だって、なんかあまりにも私にとって
都合が良すぎるんだよ、この女(失礼)。

恋愛初期は、どんな相手であろうとも
『あばたもえくぼ』で神々しく見える。
それはわかっている。

でも一年も付き合ったら、なんかこう
嫌な所も見えてくるのが男女ってもの。

おかしい。見つからない。
そりゃ嫌なポイントは探せばあるけど

「良い所」と「嫌な所」を比べてみて
「良い所」が多かったらいいじゃない。
私はそういうふうにざっくり考えてる。

なんだかあまりにも「良い所」が多い。
読書も珈琲も好きってだけでレアだよ?
それに加えて料理上手で、性格も良い?

下心ありのご機嫌取りでする話でなく
普通にする話が面白い女っていたのか?
(※珈琲次郎は女性に偏見を持っている)

そして極めつけは、好みの顔をしてる。
ちょっとさあ、都合良すぎじゃないの?

そりゃ疑ってほっぺたも引っ張るよね。

「痛い痛い、たぬきになる!」

リアクションも100点。
なんだよたぬきって。不思議な女すぎ。
まあどちらかと言えばたぬき顔だけど。


「ねえ、なんでこんなに美味しいの?」

結婚して数年経つけど、私はいまだに
この質問を嫁ちゃんに投げかけている。
嫁ちゃんの料理が魔術めいているから。

「ふふん。ワタシの天才的な勘がなせる技よ」

嫁ちゃんはいつもおどけてはぐらかす。
天才は常人とは違いすぎる感覚のため
凡人への説明が難しいと聞くがそれか?

よくわからない。いまだに不思議な女。

でもまあ、不思議なところがあるから
いつまでも嫁ちゃんは魅力的なのかな。

ひとつだけ確実なことは
正月に食べる嫁ちゃんの雑煮は世界一。
もうそれでいいじゃんね。

・・・

正月らしく、ゆるい嫁自慢記事でした。
皆さま、雑煮にセリは入れる派ですか?
私たちはぜったい確実に入れる派です!


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