北京電影学院生が日本で学ぶ:特別セミナー開催レポート
先日、北京電影学院(北京电影学院)の学生が来日し、2日間にわたってシナリオなどの文芸面についてレクチャーをおこないました。
北京電影学院は、アジアでNo.1の大学とも言われているという映画系の大学です。
中国でも指折りの難関校として知られ、監督コースは5000人受験して、合格者はたった15人。卒業生にはチャン・イーモウ監督を始め、アジアを牽引する錚々たるクリエイターや俳優を輩出しています。
今回来日された学生は、漫画を中心に専攻する皆さんです。
彼らの制作した漫画なども拝見しましたが、どれも極めてレベルが高いものでした。画力なども日本の一級の商業漫画雑誌に、即連載できるほどです。
バリエーションの豊かさにも驚きの連続でした。
日本風の漫画もありますが、アメコミやバンド・デシネに影響を受けたものも。WEBTOONや中には一人でSFアニメを作った学生もおり、才能の玉手箱ですね。
セミナー初日は、あらゆるコンテンツの基礎となる「シナリオ」について、レクチャーをしました。
日本に限らず、中国や欧米などで、日々様々な形のコンテンツが生み出されています。とはいえ、良いシナリオが求められていることは不変です。
様々な事例をベースに、参加者のアップデートを図りました。
2日目は、ログラインを実際に書くワークショップです。脚本家の小林雄次さんと一緒に運営している、シナリオのオンラインサロン「シナリオランド」では、既におなじみのワークショップですが、実施するたびに新しい発見があります。
ログライン作成に使用する、学生の皆さんから挙げて頂いたキーワードも、ユニークなものばかり。グループ分けをし、それぞれ独自のログラインを検討し、発表して頂きました。
2日間通して、才能の塊である北京電影学院の学生と出会えたとことは、自分にとっても大きな刺激となりました。
ただ、やはり皆さん学生らしい悩みも持っていて、就職や進学など心配なところもあるようです。中国では漫画やアニメなどの企業ももちろんあります。ただ、いずれも世界レベルの大きな会社です。就職するのはかなりハードルがあります。
中小企業が中心の日本とは、かなり異なります。
また学生のうち何人かは、日本の大学院への留学も興味を持っているようでした。
将来に対する不安は、自分自身も経験してきたので、よくわかります。この感情は、全世界共通のものなのでしょう。
とはいえ、今回の学生の皆さんが、今後中国のみならず、世界のエンターテインメントを担うのは間違いないと思います。
皆に幸あれ!です。
■シナリオのオンラインサロン「シナリオランド」
■アニメビジネスコンサルティング
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