見出し画像

短歌 ナイフ片手に

おそろいのタオルはためく昼下がりナイフ片手に影も揺れてる

なんてことない日曜の昼。ベランダでは朝に干した洗濯物が風にはためいている。

なぜか胸がざわつくのは、きみが苺のヘタを果物ナイフで切っている、トン、トン、というやけに規則正しい音のせいだろうか。

私はヘタを取るとき、口に含んでから手でむしってしまうのだけれど、きみの丁寧さを少しは見習わなきゃな、と思う。

それにしても、トン、トン、トン、トン。心地いいようでどこか奇妙な、不思議なリズムだ。きみの影も、規則正しく揺れている。

この記事が参加している募集

#今日の短歌

38,805件

記事をお読みくださり、ありがとうございます!もしサポートいただけましたら、今後の創作のための取材費や、美味しいコーヒータイムの資金にいたします(*‘ω‘ *)