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短歌 たぶん犬

空腹に炊き立ての銀シャリをかっこむ幸せ以外知らなくていい 

たぶん犬じゃないかなそうじゃなかったらあの鳴き声は通報案件

あの人はいずれ教祖になるだろう履歴書にそう書いてあったし


自宅で使っている炊飯器の機能のなかに、「極うま炊き」というモードがあります。炊き上がりにとても時間がかかるため、普段はめったに使えないのです。しかし今日事情があって仕事を早退したため、そのぶん早く帰宅できたことから、「これは『極うま』チャンスでは」と気づき、意気揚々と米を研ぎ、たっぷりと吸水させ、時間と手間ひまをふんだんにかけて、遂に「極うまモード」のボタンを押下したのでした。

その後はラジオをお供に読書タイム。読んだのは梨木香歩の「裏庭」。もう何周したかはカウントしていない。とにかく好き。好きすぎてしんどい。それくらい好き。「銀の手」誕生のくだりは何度読んでも滂沱。そして読むたびに心臓を鷲掴みにされるのは、「庭番」であるスナッフの、以下のセリフ。

「へっ。自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を品評する方が遙かに楽だもんな」

スナッフの「癒し市場」での言葉

わあああああああああああ! そうそれ! そうなんだよ!!

と、毎回叫びたくなってしまうのです。近所迷惑になるから叫びはしませんが、でもまぁ別にその辺で叫んでいる人がいても、そういう耐性はお陰様で鍛えられているので、たぶん大丈夫(いろいろ経験しておくもんだ。経験値ってのはそっくりそのままチカラになるからの。ふぉふぉふぉ)。

で、主人公テルミィが冒険を終えた頃に(≠読了。物語はそこでは終わらない)「極うまモード」を完遂した炊飯器がゴキゲンな音を鳴らしました。

さながら、それは幸せを告げるファンファーレ。一日中オンライン会議だったという夫がくたびれて帰ってきましたが、私は己史上最高のどや顔を彼に向け、誇らしげに輝く白米が盛られた茶碗を差し出しました。

「くっくっく……これがうまくないわけがなかろう」(悪童顔)

極上のお米のお供は、ぶなしめじの味噌汁とキムチ、ゆで卵にセブンイレブンで買った「さばの塩焼き」(いつも助かってます!)。今日、我が家においては白米こそが主食にして主役で、味噌汁もキムチもゆで卵も焼き鯖も、全部おいしくて幸せでした。

……(。´・ω・)ん?

もしかして、明日出勤したら、ゴールデン的なウイークに突入するのか……? おおお……✨

あらためて、白飯がうまいってのは、QOLの基本のキ、でございますわね。おほほ。

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