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短歌 「半額」のシール

(「半額」のシールを貼ってくれるひと)待ち人はあと三分で来る

残業してからスーパーマーケットに寄ると、お惣菜や調理パンが割引になっています。中でも「半額」シールは最強だと思うのです。「70%オフ」とかより、字面的に「半額」がいい(金銭的には70%オフももちろん嬉しいですが)。

シールは20時を過ぎると貼られることが多いので、それをひたひた待っているときの歌です。

人生初のアルバイトが、高校生のときに学校で内緒で働いた(校則で禁止されてた)、スーパーマーケットのベーカリーコーナーでした。あっさり日本史の教師に見つかったのですが、こっそり見逃してもらったのはいい思い出です。

そのアルバイトではいろいろな経験をさせてもらいました。店内アナウンスなどにもチャレンジし、「本日は◯◯マートにご来店くださいまして、まことにありがとうございます。20時より、ベーカリーコーナーにて割引価格での販売を開始いたします……」とかなんとか、拙いながらも精一杯しゃべくってました。懐かしいなー。

高校生のアルバイト代、何に使っていたかといえば、当時流行っていたポケベル代に消えていきました。ポケベルですよポケベル。知ってる? 5153213212! 

ポケベルは自分で料金を支払うなら持ってもいいよ、みたいな家の方針でした。学校生活より断然手応えがあって楽しかったし、充実した時間でした。

あの時、「笹塚ぁ……お前なぁ、ふふッ」とニヤリ笑ってあんぱんを買いながら見逃してくれた、あの日本史の先生、元気かな。

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