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短歌 魚(卒業おめでとう!!)

魚の目している子たち元気でね終電のない街は星がきれい

コハダ、アジ、キス、サバ、サヨリ、サンマまで魚のくせに光りやがって

言い訳にされ続けている愛という便利な毒に骨まで浸す


電車の中というのは、ある面で社会の縮図みたいなところがあります。脚をぼーんと投げ出してふんぞり返って座る人、高齢者など座席が必要と思われる人を視界に入れないためにスマホに全集中する人、イライラした表情で膝の上に載せたノートPCを叩く人、おそらくはスマホでお笑い動画を観ているであろう目元がめちゃくちゃニヤニヤしている人、などなど。

もちろん、それぞれの事情や状況があるのはわかってるんです。いや、でもそれだからこそ、電車の中をはじめ公共の場でのふるまいって、社会の空気を割とダイレクトに象徴するんだろうなと感じるのです。

公徳心の著しい低下が指摘されて久しいですが、それは無理からぬことだろうとも思ってしまいます。道徳が評価対象の「特別の教科」とやらに落ちぶれて、はや数年。いま一つだけ断言できるのは、「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」ってこと(伝われ)。

別にこれはポリコレなどを声高に叫ぶアカウントじゃないので、そんなに長くは書きません。でも、おかしいことをおかしいと思えなくなったり、目の前の「常識」を鵜吞みにしたり、インフルエンサーとされる人々の言説のコピーしか発信できなかったり、己の頭で思考すること(時として間違えること)を放棄したり、というのは……かなりやばいです。

それに、処世術と称して要領の良さばかり磨いていても、卑しさが深まるだけだと思うんだけどな。うん、でも学校ってもう、そういうのを身につけないと相当しんどい場所みたいだから、しょうがないんだろうけど。

だから、そんな場所から無事に卒業できた皆さん、本当に本当におめでとうございます!!!

もうすぐ新年度です。新しい道に進む人も多いと思います。たくさん痛い思いをして、そのぶんたくさん楽しんで笑ってください。

多くの先達が語っていた通り、若さというのはあっという間に失われていくものです。でも、それは別に悪いことじゃないです。むしろ、いろいろなことを見聞きする、体験する機会が格段に増えるので、あらゆる方面で余裕が生まれます。

例えば、電車の中で文庫本を読みつつ乗客の人間観察に勤しみ、あ、このシチュエーションはいつか創作に使えそう……と密かに企むこととか、川上弘美はどうしてこんなに面白いんだと感動しながらゴキゲンに満員電車を泳ぎ切ることとか、職場最寄り駅のスタバでバリスタさんとの会話が弾んでついつい仕事に遅刻しても「おはようー!」と笑顔で出勤できることとか。

※これは極端な悪童の例なので、「よい子」は真似しないでね。

川上弘美の小説「大きな鳥にさらわれないよう」は、未読の方がいたらぜひ読んでほしいです。最近一番の衝撃でした。

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