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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2018年5月の記事一覧

短歌 ピアノ 十首

短歌 ピアノ 十首

調律が必要みたい 少しだけ生きづらいのはたぶんそのせい

無理をしてキスをねだった日もあった 笑い話になりますように

形から入るタイプと連弾で触れた指から紡ぐナラティブ

口下手で不器用なのもちゃんと好き 理想ではないとこまでなんで

旋律が悲しくなると泣き出すの 正しさなんてどこにもないと

残酷なニュースを流すテレビとか部屋の明かりを消してひとつに

僕たちが持ち寄る

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短歌 天使 十首

短歌 天使 十首

きみ、天使に間違えられることはない? 僕の視力が落ちたのかしら

いくら手を伸ばしたとしても届かない君ならいっそ君ならいっそ

人びとの関心を集めた途端 立ち枯れていく淡いまぼろし

あれこれは全部むかしの出来事で今の僕らを責めたりしない

映画館で手もつなげない僕らは結ばれるべき場所を知ってる

人類の歴史に刻まれなくたって僕の海馬に焼き付いている

君を好きになってよか

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