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ライフサイクルと人の成長|臨床心理士への随録 心理学

人の成長って何だろう。身体面と精神面のどちらにおいても、私は変化への適応なのではないかと考えている。

エリクソンが提唱した生涯発達理論ライフサイクルによれば、各年代に訪れる課題があるという。人生は挑戦の連続だ。

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それにしても生誕から20歳までに訪れる課題の多いことよ。社会的責任は免除されるが、その代わり自分の内面をつくる責任が課せられている。

エリクソンは青年期(思春期)のアイデンティティの確立を最も重視した。確かにこれには私も苦労した。学童期までは親や勉学など対象物との兼ね合いであるが、青年期からは自分自身つまり実態のない対象を扱わなければならなくなる。

一方で、中年期(成人期)の危うさを指摘したのはユングだ。彼は40歳を「人生の午後」と呼び、警鐘を鳴らした。

十代の頃の私は、早く大人になりたい気持ちと、このまま子どものままでいたい気持ちが行ったり来たりしていた。大人になればこの苦しい課題から解放されると思っていた。今思うのは「そんなことはない」ということ。どの年代にも新しい課題が用意されている。現状から逃げずに向き合うことでしか解決できない。

私はいま中年期の真っ只中にいる。これからも沢山の課題が降りかかってくるのだろう。正直めんどうな気持ちだが、変化はあって当たり前、来るんだから仕方がない、来たらその時考えればいい、くらいの構えでいようと思う。

参考:「心理学 第3版」鹿取廣人ら編,2010(東京大学出版会)
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