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「リクルート社員の言葉 Part.2」 臨床心理士への随録 心理学

「遊びと思うな、仕事と思え。仕事と思うな、遊びと思え。」

入社1年目にある懇親会の運営を任されました。「飲み会を仕切れない奴が、仕事を仕切れる訳がない。」こんなことも言われました。正直その時は懇親会を仕事と見なしておらず、思惑を見抜かれたような気がして悔しかったので、きちんとやってみることにしました。参加者の面子から嗜好性を割り出し、場所選定・催し内容・挨拶人を誰にするかなど、数週間前から手間暇かけて企画しました。振り返り時に気がついたことは、仕事と同じプロセスなんだなと。単なる飲み会でも雑に扱わずに訓練の場にしてしまう効率性。何事にも目的意識をもって取り組むことで、スピーディーに成長が促されることを学びました。

「仕事と思うな、人生と思え。」

これはまた別の方がおっしゃった気がします。仕事への取り組み方は人生の向き合い方と同じだ、お前はどう生きたいんだと問われました。その時はそんな大袈裟なと思いましたが、なるほど言い得て妙で、あながち間違いではないかもしれません。手を抜きたくなる時、脳裏に浮かぶ言葉です。

「クリエイティブとは、どれだけ相手の立場にたてるかということ。」

クリエイティブ=高尚なもの、という勝手な幻想が打ち砕かれました。そういえば「リッチマンプアウーマン」というTVドラマの中で、主人公が公共インフラのUIを決して格好良くないデザインに変更した場面がありました。使い手のITリテラシーに併せたのです。厳密に言えば、相手の立場に立つとか、相手の目線に合わせるとか、無理なんです。自分は自分でしかなく、相手ではないので。だから想像力をもの凄く働かせないといけない。それこそがクリエイティブだとおっしゃっていました。

「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」阪急東宝グループ創業者・小林一三氏

人事部に異動して新卒や中途の採用を担当していた時、リクルート出身のパートナーさんが就活生に対し、仕事への姿勢として引用されていました。リクルートでは四半期ごとに上司との面談があります。細微なところまで見てくれていて感動したことが多々ありました。良いところ足りないところを気づかせてくれて、一緒に成長しようとモチベーションを高めてくれる、そんな上司がたくさんいらっしゃいました。

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私は転職組なのですが、リクルートの社員は転職組を歓迎し、お互いの異なる価値観を認めぶつけ合うことで新たなアイディアを生み出していました。しかも楽しそうに!現代社会が求める縮図がここにはあったように思います。企業のブランドメッセージ「まだ、ここにない、出会い。」は、カスタマーに向けたものであるだけでなく、社員のあるべき姿を表したものでした。環境が人をつくり、人が環境をつくることを、身を持って学ばせて頂きました。

※Part.1もよろしければご覧ください。