見出し画像

Ⅱ.人生で忘れてはいけない数|ココカリ心理学コラム

先週に引き続き、心理学風味♨️に仕立ててご紹介します。

大人の96%は勉強していない

そもそも「勉強」とは何でしょう?辞書を引くと、4つの意味がありました。

1.学問や技芸などを学ぶこと。「徹夜で—する」「音楽を—する」
2.物事に精を出すこと。努力すること。「何時までもこんな事に—するでもなし」〈福沢・福翁自伝〉
3.経験を積むこと。「今度の仕事はいい—になった」
4.商人が商品を値引きして安く売ること。

大人になると仕事をすることになり、その仕事を通じて3の勉強はしているので、「勉強してない」とは1のことを指すのでしょう。学生は知識の幅を広げ自分を活かせそうな領域を探る目的で1をしています。そうした領域で仕事し始めた大人は必ずしも1の勉強が必要であるとは思えません。一意専心で突き進めばいいわけで、その中で必要になった学問技芸は自ずと学びにいってるはずです。

学生時代に学問を通じて得た知識、大人はこれを仕事を通じて知恵に変えていけるといいですね。生涯発達心理学の視点から言えば、生きてること自体が勉強です。勉強してないということはありません。

6分の読書はストレスを68%減らす

一次情報を探していくと、読書がストレス減に有効という研究は2009年の英サセックス大学のコンサルティング会社によるもので、その実態は眉唾物な可能性もあるのですが、読書は動画よりも空想力を働かせるので没入感を生みやすいし、自分のペースで進行できるところに、リラックスつまりストレス軽減との親和性が高いと推察されます。私もよくマンガ喫茶でストレス解消してます。

人間が他人に与える言葉の影響力は7%

この出典は「メラビアンの法則」ですね。米カリフォルニア大学の心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱したコミュニケーションの概念です。コミュニケーションにおいて聞き手に影響する割合は、言語7%|聴覚38%|視覚55%である、との研究結果を発表しました。

「言語7%」これ注意が必要で、言葉・内容(言語)と口調・表情(非言語)が矛盾した状況での影響力に過ぎません。矛盾した状況というのは「笑いながら叱る」「不機嫌に感謝する」ような状況です。言動が一致していれば、言葉や話の内容の力はもっと大きいです。

メラビアンの法則が示唆していることは、人に何かを伝える際には、視覚情報・聴覚情報・言語情報を一致させましょうということと、非言語コミュニケーションを取り込むと更に効果的ですよということです。

心配事の79%は起こらず16%は対処可能

米ペンシルベニア大のボルコヴェックら(1999)は、心配事の79% は起こらず、しかも残り21%のうちの16%のことは事前に準備すれば対処可能であるため、心配事が現実化する確率は5%であると発表しました。

心配症の方は「5%もある」と言いそうですね。こういう場合、心理カウンセリングでは、自己効力感を育むトレーニングを行ったりします。生活の中で「心配に思ったこと」「実際どうだったか」を記録していくのです。結果をカウンセラーとともに検討し、79-16-5の実感を検討するのです。大概の方が「けっこう私対処できてる」「なんとかなるもんだな」と感想を述べます。この感触で5%の印象が変わってくるはずです。

20分の昼寝は2時間の睡眠と同等の効果がある

「パワーナップ」という言葉をご存知でしょうか。米コーネル大学の社会心理学者ジェームズ・マースが1998年に出版した自著で提唱した、日中の短い仮眠のことを指します。

「逆に寝足りなくてダラけるんじゃないか」みたいな懸念があるかもしれません。パワーナップの効果は、数値うんぬんよりも、実際に試して実感したほうが早いです。私も導入しています。本当に頭がリセットされて、シャキッと活き返ります。

リクルートで会社員していた時に、天才肌のすごく優秀な先輩がいて、彼が新卒時にこの会社に決めた理由が、面接で「自分、昼食後に30分寝ないとダメなんですけど、会社入っても昼寝していいですか?」と質問したらいいよと言ってくれたから、とのことでした。私はそれを聞いて、先輩の底知れなさと会社の懐の広さに驚いたのですが、今思えば「パワーナップ」の話でした。あ、実際に入社してからもパワーナップは継続してたらしいです。

※ ※ ※ ※

オンライン心理カウンセリングルーム|cocoro no cacari|こころの健康で気になることがありましたら、まずはお問い合わせからどうぞ。多くの方の何かしらのお役には立てると自負しています。