海のささやきにのせて
元気ですか
ご無沙汰しています
今日で八月も終わりですね
この時期になると
なぜかあなたを想い出します
あなたと過ごした夏は
一度しかなかったけれど
最終日の夜のこと
覚えていますか
海沿いで食事したあとの
突然の雨
スコールの意味を
頭の片隅で感じながら
雨と波が混ざった砂浜を
夢中で走りましたよね
生茂る植物を掻きわけ
湧き立つ湿気の中
少し困ったように
だけど覚悟をもって
見つめてくれたあなたを
わたしは忘れません
それは
決して情熱的ではなかったけれど
戸惑いと冷静の中で
ただそこにある
温度としての温もりに
人が存在してゆける理由(わけ)を知りました
あなたが去った後も
夢うつつの中
いつまでも
包(くる)まれているみたいに
目を閉じてゆられる
エメラルドグリーンの水面に
生まれて初めて
シャンシャンと鳴る音を聴きました
信じられるものが
ここにある気がした
あの夏の夜明け
あの日があったから
わたしは今日まで
生きてこれました
あなたが教えてくれた
あの歌を聴けば
目の前に海の静けさが広がってゆきます
あなたがくれたまなざしは
日々の儚さを愛し
生きる希望となっています
どれだけ時が流れた今も
思い出は
いつも静かに
わたしを勇気づけて
生命(いのち)を吹き込んでくれます
それではまた
いつか逢える日まで
そのままのあなたでいてください
あなたに出逢えて
ほんとうによかった
海のささやきにのせて
ご覧いただきありがとうございます✨ 読んでくださったあなたに 心地よい風景が広がりますように💚