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「不安・恐怖」「ストレス」の理解と対処法(受験編)


【特に中高大学(院)・資格試験の受験を控えている受験生の皆様・お子さんが受験をされる親御様へ】


受験勉強は半年や1・2年、さらにはもっと長期で行うという人も多く、そのモチベーションの維持がなかなか大変だというご相談をよくいただきます。
大変ですよねー。

昨日までは集中して毎日8時間以上勉強していたのに急に出来なくなったという事もよく起こります。また、受験に本気であればある程、受験が近づくにつれて「落ちたらどうしよう」という恐怖や言葉にならない不安が襲って来ます。

こういったことは誰にでも起こりうるものですが、勉強を始める前にその正体と必ずやってくるという事実を知って覚悟をしておくことで、冷静に対応することができるのでこの記事を読んで気持ちの準備をしてから受験勉強を始められることをおすすめします★



まず「不安や恐怖」を乗り越える前に、これらの正体を知っておきましょう!!


「不安や恐怖」は何か・なぜ起こるのか。



「不安や恐怖」は「自分にとって大切なもの」の守備隊です。
そして、「大切なもの」を守りたい・実現させたいから「不安や恐怖」がやってくるんです。




人は無意識に不快な感情を避けようとして行動をするので、

まず不合格の可能性を頭に浮かべて不安や恐怖を感じることで「それは嫌だ!」と感じます。

そうすることで合格のための行動につなげるなんて作用が不安や恐怖にはあるんです。


※不確定な状況や物に対しては「不安」、ある特定の状況や物に対しては「恐怖」ですね!!







受験で言えば「合格」があなたにとって喉から手が出る程欲しくて大切なもの・実現させたい未来ですよね。

そして私たちは「大切なもの」を失うこと・遠ざかること(=不合格)に不快な感情を抱いて、それを避けるために、勉強を頑張るというわけです!!



つまり、「不安や恐怖」は勉強を頑張って受験に合格するためのエネルギーなんです!!


あら、思ったよりいいやつじゃん!!ということなんですが

厄介なことに「不安や恐怖」に支配されると、体も頭も動かなくなってしまい、「勉強したいのに・しなければいけないのにできない」という状態になってしまします。

更にはそんな自分を認識してしまい自己嫌悪に陥ったりして、負のスパイラルが止まらなくなってしまう!!なんて事も。


これは非常にストレスですよね。


しかし、

スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル氏がこれまでの間違った「ストレス」の認識に対して異論を唱え、「ストレス」を利用して困難を乗り越える為の方法を提唱しています。

そして、これが不安と恐怖を乗り越えるためにもとても役に立つ方法なんです。

ぜひ、ストレスを不安・恐怖に置き換えて読んでみてください!!


①ストレス(不安・恐怖)は悪いものと認識すると心身に悪影響を与えるが、悪いものと認識しない場合にはむしろ有益である事。

②ストレス反応(不安・恐怖)には「闘争・逃走反応」「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」の三つがあり、これを利用することが可能である事。


①のことは様々な実験によって証明されています。(その内容は詳しくお伝えしませんが)ストレス(不安・恐怖)は役に立つこともある事を知っている人はストレス(不安・恐怖)に対して積極的に対処する事ができるのです。受験の場合には「自分がストレス(不安・恐怖)を感じていることを認識し、それを受け止め、焦らずに目の前の勉強をする・必要な情報を集める・人に頼る」事ができるのです。




「不安や恐怖」を感じているのは、自分の大切なことを守る為でしたよね。

つまり、「不安・恐怖」を感じる事から逃げることは自分の大切なものから逃げることになるのです。


「不安や恐怖」を感じた瞬間にはビックリして「うわーッ。。。嫌だ―ッ!!ダメだ―ッ」と、頭も体も動かなくなってしまいがちですが、ここで一度「不安や恐怖を感じている自分」をそのまま受け止めてあげてください。


そして、「不安や恐怖は必ずしも悪い事ではないという事」と「不安や恐怖を感じているという事は、どういうことだったのか」を思い出してみてください。

不安や恐怖は「自分の大切なもの」がなくならないように、私たちを「大切なものに向かって行動させるため」に出現するんでしたよね?


それを思い出せると、

「勉強頑張れってアラームなんだな」

「やっぱり自分は本気で受かりたいと思ってるんだな」

「目標を持って頑張っている自分がいるな」

と思えるのではないでしょうか?



そうやって不安や恐怖を落ち着いて抱えることができるようになったら

『「怖いけど・不安だけど」本当に欲しいもののために頑張ろう』と、その日・その瞬間にするべきこと・できる事に目を向け直して取り掛かってみましょう!!



大抵の人は「落ちたらどうしよう、嫌だ、辛い」「あー、不安だ、ストレスだ!!」と感じながらも、

それをそのままにして無理やり勉強を始めてしまいますが、

これはストレス(不安や恐怖)を嫌なもの・悪いものと認識したままストレス(不安や恐怖)を浴び続けている状態なので、頭が上手く働かず、体にも悪影響を及ぼします。(免疫力を著しく低下させたり至る所が凝ってきたり、、、)

ストレス(不安や恐怖)を最大限に溜めて受験直前で体調を崩してしまう人もいます。

なので、ストレス(不安や恐怖)を悪いもの・嫌な感じと捉えたまま、放っておくことは絶対にしないでください!!


どうでも良い事に対してはストレス(不安や恐怖)を感じる事はありませんよね。

だって、あってもなくてもいいし、実現してもしなくてもいいんですもん。




受験日までの大切な1日、

今日も受験勉強をより効率的に行うためにも、体調管理のためにも、

しっかりと「ストレス(不安や恐怖)」を整理整頓してから勉強に取り掛かってもらいたいな思います。






ちなみに、ストレスがかかると人は以下のようになるのですが、これも不安や恐怖を覚えたときと似ているので、またストレスを「不安や恐怖」に置き換えて読んでみてください!!



【闘争・逃走反応】・・・動物が身の危険を感じた時に起こる反応。もともとは動物が生き残るために敵と「戦うか逃げるか」という状況に陥った時に起こる反応です。アドレナリン等が多く分泌されています。火事場の馬鹿力はまさに「闘争・逃走反応」の現れですね!

➡「闘争・逃走反応」は受験直前や模試で凄まじく悪い結果が出た時など「ヤバい!!!」と心から感じた際などにおきますよね。塾や学校の先生に「こんなんじゃ受からないよ」なんて言われた時や、定期テストの直前に本当に焦って一夜漬けをする時なども起こります。とても強いストレス反応なので、混乱してしまい「今何をするべきか」等を考えることが難しくなってしまいます。

この反応が出ている時こそ、「自分は何を目指しているか・何を大切にしているか」を思い出し、落ち着いて心のアラームを聞き、「今足りない事・するべきことは何か」を考得てみてください。

「闘争・逃走反応」は瞬間的・物理的な力を出やすくするのですが、持続力や思考力が求められる受験においてはそのまま利用することが難しかったりもするので、この反応が出ていたら、まずはそれを落ち着かせてから勉強に向かってみてください。この反応を上手く利用することができれば「火事場の馬鹿力」を発揮することができますよー!!


【チャレンジ反応】・・・ストレス(不安や恐怖)は少しあるけれど、それほど身の危険はない場合に起こる反応。集中力は高まるが、不安や恐怖に圧倒されてはいないので良いパフォーマンスをすることができます。よく言われる「フロー」の状態になりやすい反応です。

(フロー (英: Flow) とは、人間がその時していることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーンとも言う。(Wikipedia心理学))

➡この反応が出た時には、この機会を逃さずに勉強を始めてください。どんどん理解が進み、記憶に蓄積されます。また勉強が心地良いと感じる事で、モチベーションの維持にもつながるので、その心地よさを「今良い感じ!」と意識的に記憶に留めてみてください。勉強が苦しいという認知の変容にもつながります。私は大学院受験の時にやっと 自分の「チャレンジ反応」に気付くことができました。この反応が出た時にこの感覚を意識的に記憶に残していくことで、大学院受験は一番楽しく乗り切ることができましたし、量的に質的にも「良い」勉強ができたと感じています。


【思いやり・絆反応】・・・ストレスを感じた際に人はオキシトシンというホルモンの働きによって人とのつながりを求めます。また、オキシトシンは他人を思いやる行動にもつながるのですが、さらに重要な事として、「オキシトシンはあなたに勇気を与える」という事がわかっています。

少し、ストレスを感じている時に、勉強時間がもったいない等と考えずに人と会ったり話をする時間を作ってみてください。そうすることで、今後の一人の時間に「不安や恐怖」を乗り越える勇気が蓄積されることがあります。

➡私は、家族や友人や恋人等「自分にとって大切な人」「応援をしてくれる人」の存在がなければ受験を乗り越えることはできませんでした。特に直前期の「不安や恐怖」や「ストレス」は強烈で、一時期勉強が全く手につかなくなりもしました。

その時、はじめは「勉強しなきゃ、勉強しなきゃ」と無理やり机に向かっていたのですが、自分自身では心の整理がうまくできなかったので、一旦勉強することを止めて勉強道具も一切持たずに、友人に会いに行ったりデートをしたりして気分転換をしてみました。すると、気分がリフレッシュされ、テンションも上がり、また勉強を始める事ができたのです。

はじめは受験中に友達と遊びに行くなんて絶対に考えられなかったのですが「行き詰った」と感じた時には、一旦その状況から離れてみる勇気も必要だと再確認することができました。

人と繋がることで得られるエネルギーは計り知れないものがあります。少しでも誰かに会いたいとか人と話したいと感じたら、それを無理やり抑え込んでしまわずに、勇気をもってその感覚に従ってみてください!!きっと良い事があります。(話すとなんだか元気が出る・癒されると思える人に会ってくださいね!)

そして、受験を控えたお子さんを持つ親御様も勇気をもってお子さんの息抜きを応援してあげてください。


これは、予想外だったのですが、「今日一日全く勉強をしない!!」と決めて過ごして見ると、なぜだか夜に急に勉強したくてたまらなくなってきたりするんですよね。

わざと勉強しない時間を作ることで「ダメと言われたらしたくなる」という心理を利用して、そんな状況を自分で作ってみるのもおすすめです。


受験中に勉強をしないという判断は勇気が要りますが、友人や家族に会って何気ない話をして、しっかりリフレッシュしてみてください★

今日は『「不安や恐怖」「ストレス」を乗り越える為に重要な事』についてお伝えしました!!


①ストレス(不安や恐怖)は悪いものと認識すると心身に悪影響を与えるが、悪いものと認識しない場合にはむしろ有益である事。

②ストレス(不安や恐怖)反応には「闘争・逃走反応」「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」の三つがあり、これを利用することが可能である事。


「不安や恐怖」「ストレス」も理解してしまえばそんなに怖いものではありません。

しっかり理解して、上手に対応していきましょう!!

皆さんが自分の進みたい道を歩んでいけますように。


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