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夢を叶える、就職活動。

こんばんは、ココリコです。
育児ストレス発散のために、週に1度の散文投稿を続けさせて頂きます。

産休に入る前は、駐在員としてフランスで働いていたため、就活生(特に、フランスに留学している大学生)から、相談を受ける機会が度々ありました。
若い学生さんと話すと、逆に色々と気付かされることも多く、アドバイスというよりも楽しい雑談で終わってしまうことが多々ありましたが、毎回共通してお話していたことを、この機会に少しまとめておこうと思い、自分の経験を基に記していきたいと思います。

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私がお話する機会のあった学生さんは、総じて海外事業に興味があり「駐在員として現地で働きたい」という希望を持っている方が大半でした。そして、「日本の文化を海外で広めたい」という想いが強く感じられました。

お話してみて感じたのは、皆、「自分が何をしたいか」をしっかり語られるなあ、ということです。
しかしながら、企業側の視点というのは、残念ながら「彼らが何をしたいか」よりも、「彼らは自分たち企業にどのように貢献してくれるだろう」というものに近いため、このままだと埋もれてしまう、と思い次のようなアドバイスをしました。

・その企業で何がしたいのか、を語るのはもちろん大切
・その「したいこと」が、企業理念や方向性に即していることは必須
・自分の「したいこと」を叶えることが、企業にどんな成果をもたらすか、示せると尚良い

上記は、「自分のしたいこと」を語る際のアドバイスですが、気になる企業の「企業理念や企業の方向性」を理解することで、果たしてその企業と自分が同じ方向を向いているのか否か、判断することができます。
この「方向性」というのは、就活時だけでなく、その後の仕事人生でも非常に大切な概念だと思うので、常に心の隅に置いておきたいところです。

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私自身の体験談

ここからは、私が経験したことをつづらせて頂きます。

元々、私自身も海外で日本の(食)文化を広めたいという気持ちがあり、こうした事業に取り組んでいる企業に就職したいと考えていました。
(学生時代、恥ずかしながらろくに勉強をしなかったものの、海外旅行と食べることが大好きだったのです。)

しかしながら、大学3年生まで、バンドサークルとバイト漬けの日々で、就活のことなど考えずに過ごしてしまったため、いざ就職活動!という時に、全く気持ちが入らず…

このままじゃいかん!と一念発起。半年間大学を休学して、スペインに語学留学に旅立ちました。(なぜスペイン語を学ぼうと思ったかは別の機会に…)

スペインから帰ってきたところから、ようやく重い腰を上げて就職活動を始めるわけですが、周りの就活生と少々違ったなと思うところは、就職先で叶えたいこと(夢)が明確だったこと、どの企業でなら自分の夢を叶えられるか、かぎ分けられたことです。

その「夢」というのは、「海外で、日本の食文化を広めたい」ということ。もっと具体的に言えば、「スペイン語圏で、日本食普及に携わる仕事がしたい」ということでした。

就活中は、どうしても内定欲しさに自分の本当の気持ちを隠して、嘘とまでは言わないまでも、面接官に迎合した返答をしてしまいがちですが、これは本当に無駄だなと、今では思います。大手企業に受かったと自慢する人や、いくつ内定をもらったと言いふらしている人が居ても、我関せず、の心で気にせず過ごすのが、夢を叶える近道です。(実際難しいけど…)

とはいえ、私自身は一つも内定がもらえなかったら怖いので、夢とは関係ない企業の選考も受けていました…「海外」やら「スペイン」やら言いすぎて、お祈りされることが殆どでしたので、受けなくても良かったなと、今となっては思いますが…

少々話は逸れましたが、私は下記の基準でエントリーシートを送る企業を決めました。

・日系メーカーであること
⇒私は日本人で、日本の文化や技術を海外に広めたいと思っているから

・愛着のもてる商品を製造していること
⇒興味のない商品を売ったり宣伝したりする自信が無いから

・スペインに販路がある、もしくはこれから販路を広げようとしていること
⇒強み(語学)を活かして仕事ができそうだから

この基準さえ満たしていれば、あとは私自身の想いを熱く語るのみ。どこか一社くらいは採用してくれるだろう、と気楽に構えておりました。

結果、とある企業(一見あまり海外に馴染みがないようでいて、急に販路を広げ始めたメーカー。誰もが一度は耳にしたことがあるけれど、超大手とは言い難く、海外志向の人はあまり居ない)に内定を頂き、就職を決めました。

採用担当の方が、「うちの会社は、これから海外に力を入れていこう、というスタンスです。ココリコさんは、元々は日本生まれ日本育ちだけれど、これから海外で活躍したいと思っていますから、ベクトルは合っているんじゃないかな」と言ってくれたのを覚えていますが、この「ベクトル」というのは非常に大事だなと、要所要所で思い出しては、深く頷いております。

実は、こちらの企業と並行して、別のもっと大手の企業とも面接を重ねましたが、なんだかしっくりこなかったのです。
ミーハー心で、「ここの企業の名刺を持ってたらカッコいいだろうな~」なんて思った企業もありましたが、現実的に考えて、既に名の知れたグローバルな大手企業で、希望の部署で働き、希望の国に駐在させてもらえる自信が、当時の私には全くありませんでした。
スペイン語(と英語もそこそこ)出来ると言っても、しょせん純ジャパニーズの付け焼刃で習得したもの。帰国子女やネイティブ達と切磋琢磨するなんて、無理!と思っていました。
実際に、大手企業の面接官のおじ様に、こんなことを言われたこともあります。
「うちの会社の新卒採用、半数は帰国子女とか英語や多言語のネイティブスピーカー。君の場合、ギリギリ海外部に配属されたとしても、ガッツや行動力を評価してのことだから、東南アジア営業が妥当だろうと思う。それでも大丈夫?」と。
今思えば、すごく親切なおじ様だったなあと思います。ネームバリューに惹かれて入社していたら、今とは全く違う道を歩んだに違いない。

そんなわけで、大手志向の親や友人には反対されたものの、第六感を信じて、最初に内定を下さった日系メーカーへの就職を決めました。

いざ就職してみると、ウルトラスーパー日系企業で、驚くことばかりでしたが、ひるむことなく突き進んだ結果、数年後には海外駐在の切符を手にしました。

と言っても、とんとん拍子に行ったわけではなく、最初の配属先は地方営業。50人近い支店の中で、20代は先輩と私の2人だけ。営業職の女性は私だけ。ゴリゴリの泥臭い営業にたっぷり浸りました。

数年で海外に行ける確証もなかったので、同じく地方に配属された、海外志向の強い同期と「これは採用担当者に騙されたね(笑)」なんて、電話ごしに冗談を言い合うこともしばしば。
入社してから分かったのですが、当時、海外事業に携わっている人は一握りかつ、中堅以上の男性のみだったのです。

当時、「自分の選択が間違っていたかもしれない…」と思う瞬間は多々ありましたが、会社と自分のベクトルが合っている限り、努力すれば報われると信じるしかありませんでした。目の前の仕事は、海外とは全く関係のないものばかりでしたが、腐ることなく前向きに仕事に取り組み、数年後に運よく、喉から手が出るほど欲しかった、「フランス駐在」の切符を手にいれることが出来たときは、感動でした。

そして、実は周りのサポートが手厚かったというのを、異動してから知りました。(海外に全く興味の無さそうな当時の上司や支社長が、本社に、ことあるごとに”こいつを海外事業に携わせてやって欲しい”と話していてくれていたようです。感謝しかありません。)

こうして、フランスに駐在しながら、「スペインを含むヨーロッパへの営業」という、まさに「夢」だった仕事をさせてもらえることになったのでした。

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自分の体験談ばかりになってしまいましたが、結局は「自分の軸」をブラさず、お祈りされてもめげずに、自分をさらけ出して面接官にぶつかってみて、採用してくれる企業があったら喜んで働いてみる、というのが企業で夢を叶える近道ではないかと思われます。

まあ、もし働いてみて違うなあと思ったら、今の時代は転職も起業もありですから、気負わず自然体で…と、就活生との話はそんな感じで締めくくられることが多いものです。

ここまで書いてみて、8年前にワクワクドキドキしながらフランスの空港に降り立った自分を思い出しました。あの時なフレッシュな気持ちをもう一度!の気持ちで、次のチャレンジに邁進したいところです。(育児に忙殺されて、保守的にならないように…)

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