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「地域複業」という選択肢

「地域複業」という言葉をご存知でしょうか?
今回は、「はたらく」1つの選択肢として、地域複業を取り上げたいと思います。


「地域複業」とは?


まず、「地域複業」とは何でしょうか?用語の説明から始めましょう。

「地域複業」とは、

「都市部で活躍している人材が、地域企業の課題解決を行うこと」

です。

また、「地域企業」とは、所在地が地方にある企業のことです。

そのような地域企業は、地域複業に参加する理由として下記課題感(一例)をもっています。
・多様な人材の採用が困難
・都市部の人材がもつスキルを自社人材は持っていない
・事業再構築、新規事業の創出ができない

課題感があるとは言え、都市部ほどの賃金を恒常的に支払うことが難しい企業も多く、自社に足りない視点や、それを解決する為のリソースをそもそも洗い出せていない等、企業よって状況は様々でしょう。

また、在籍してほしい人材へのアプローチまでにいくつも障壁がある、といった背景もあります。

その一方、働く側の状況、地域複業に求めることも様々です。例えば、
・自分が生まれ育った故郷に何かしたい
・地域複業をキッカケに、自分のキャリアの再構築を進めたい
・移住の前段階としてチャレンジしたい

といった人も一定数います。

そのような双方の意図がマッチすれば、「地域複業」と呼ばれる「はたらく」形が成り立ちます。


今では、関係人口を増やしたい、という意向に基づき地域複業に力を入れている行政もあり、そのようなケースでは、双方(地域企業と都市部人材)の仲をとりもち、契約関係等の細かな支援を行っているケースもあります。


実際に地域複業を行う行わないの判断基準は?


地域複業を検討する都市部人材の側からすれば、「地域複業」を行うか否かについて、どういった点が判断基準となりそうでしょうか。

本業を継続させたまま携わることができる点から考えれば、パラレルワークとも言える訳で、その意味で、「パラレルワークのメリットデメリット」という記事でも書きましたが、はたらく側の視点に立てば、以下の点が考えられそうです。

得られる経験
・無形資産(経験・スキル等)を積める可能性がある
・「はたらく」ということにおいて自分でコントロールできる部分が増える
・本業では出会えない人に出会える可能性がある
・収入源が複数になる
・地方移住の前準備、地方拠点構築の足掛かりになる
・地方にご縁ができる

とは言え、当然ながら留意すべき事項もありそうです。それらを考えてみれば、以下の点は挙げられそうです。

留意事項
・本業の会社規定に基づき許可や申請等が必要な場合もある
・稼働時間が増える等、本業に何らかの影響が出る場合がある
・短期間とは言え、駆け抜ける熱量、必要なスキル等は最低限必要
・パラレルワークの数が増えてくると、スケジュールや細かなタスク管理が大変になる
・確定申告が必要になる場合がある


地域企業側からみた「地域複業に求める人材像」


では、地域企業側の視点からも考えてみましょう。

まず、実際に求めている人材像は、どのような人材なのでしょうか。

もちろん、スキルや経験も重要かと思いますが、私は、まず重要視されるのは、地域企業の持つコンテクストへの理解、共感だと考えています。

なぜなら、通常の地域複業は短期間の単発契約であることが一般的です。
そのような前提がある以上、「熱量を持ち、自社課題の解決に向けて、共に駆け抜けてくれる方、持っているスキルや経験を存分に活かして頂ける方に来て頂きたい」と考えるのは当然でしょう。

それらを見極めるには、スキルや経験が地域企業の考える課題感とマッチしていることに加え、「地域企業のもつ理念」、「特徴」、「企業風土」、「課題感への共感」等が必要ではないでしょうか。

つまり、その企業のもつコンテクストへの理解、共感です。

その理解、共感が、両者をつなぐ最初の糸となり、自社課題の解決に対する提案、実行力がありそうだ、と判断されれば、地域企業側としても、放っておけない人材になり得ると考えます。


以上の通り、簡単にですが今回は「地域複業」を取り上げてみました。

地域複業が、移住の前段階になることもあるでしょうし、選択肢の1つとして知っておいても良いかもしれません。


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