[危険?] 旅の安全対策2 フィリピンの「犯罪」編 [被害ゼロの元協力隊員の旅の準備]



警察の看板

旅でのトラブルは、後から振り返れば笑い話に終わることも多いですが、万が一被害に遭えば旅を中止したり、その国の印象がネガティブに終わってしまいます。
被害に遭わないためには、知って対策しておくことがベスト!

基本的な対策はこちらに紹介してるので、どうぞ!
● 関連記事:
[危険?] 旅の安全対策1 基礎編 [被害ゼロの元協力隊員の旅の準備]

この記事ではフィリピンを旅行する人向けに、フィリピンに特化しての犯罪傾向と対策を紹介して行きたいと思います!

もしフィリピンへ旅行するなら!こちらも参照ください。
● 関連記事:通向けのフィリピン観光情報
[元協力隊員がオススメする] フィリピン旅行 in deep [旅人レベル中級〜上級者向け]


フィリピンの犯罪傾向と対策

● まず知っておいた方がいい、犯罪の基本情報

日本人が被害に遭う事件としては、主にひったくりや置き引き、スリ、美人局をきっかけとした睡眠薬強盗です。
日本人が被害者となる殺人事件が、残念ながらフィリピンが世界で一番です。しかし、被害者はフィリピン人と親戚関係を持っているなどの、財産や愛憎絡みの動機。もしくは日本人が犯人でビジネス絡みのトラブルがあり、実行犯をフィリピン人に依頼する場合であったり。いずれにしてもフィリピン社会と深く関わっている被害者が、そのほとんどを占めます。ですからこうした重大犯罪には、一般の旅行者が巻き込まれる可能性は薄いことも認識しておきましょう。
具体的に渡航を検討している方は、手口の詳細などこちらの「外務省 海外安全ホームページ>犯罪発生状況、防犯対策」を参考にしましょう。知っていることで、かなりの犯罪被害は減らせます。


● 到着直後に遭う!? タクシーでの犯罪

マニラであれば、まず空港に着いて被害に遭う可能性が高いのは白タク(不認可タクシー)からのぼったくりでしょう。犯罪者から見れば、日本人は言葉ができない上に、おかしいと思っても主張しないのでカモりやすいと、大抵の国の犯罪者に認識されていることを自覚しましょう。
正規のタクシーでも悪質なドライバーだと、現地の人でも強盗やレイプ被害に遭うこともあるので要注意。向こうから声をかけて来るドライバーは、基本的に信用しないようにしましょう。また、乗ったらトライバーのIDがフロントガラスの近辺に掲示されているので、名前と顔写真を撮影することで無言の抑止力にもなります。
また、信号待ちなどの時間で浮浪者やストリートチルドレンが物を売りに来たり、お金をせびる場合があります。ただ、窓やドアを開けた隙を狙って強盗被害に遭う場合もあるので、かわいそうですが心を鬼にして知らん顔で窓などはきっちり閉め、ドアもロックしましょう。その気持ちは現地を支援しているNGOへの寄付などで、発散しましょう。

公式のバンやバスでマニラ市内まで出る方法はありますが、初めての人には非常にわかりづらくあまりオススメしません。
基本的にはマレーシア発の配車サービスアプリのGrabを利用するのが良いです。下記リンクからダウンロードして使ってみましょう。

しかし、近年このサービスでも悪質なドライバーが報告されたりしているので、口コミなどはよく確認して、乗車後のいつでも通報できるようにスタンバイしておいた方が良いかもしれません。

いずれにしても、ドライバーにフレンドリーに話しかける、失礼のないように振る舞うことで、好感を持たれれば魔が差しづらくもなります。時間によってはひどい渋滞でドライバーもストレスフルになるので、家族や出身地の話などを振って、会話して楽しい時間にするのもいいかもしれません。
私は空港から市内までのタクシー内で、ドライバーとの会話が盛り上がり、あーやっぱりフィリピンのノリっていいな。フィリピンの人っていいなー!と、フィリピンに着いた幸せを噛み締めます笑。

一時期話題になった空港職員が手荷物検査時に違法な物を所持してると虚偽の訴えをし、荷物から金品を抜き取ったり賄賂を要求することも、ドゥテルテ政権下で改善したようです。

しかしフィリピンに限らずですが、こうした公共性の高い職業に就いている人でも信用しすぎない方が良い。賄賂でどうにでもなってしまうことが多く、公私の境が良くも悪くも曖昧です。いざとなれば、しっかり映像や録音などで記録を取ることをオススメします。

● 治安の悪化する時期とは…!?

フィリピンの治安が悪化する時期…それはズバリ、選挙
大統領選挙は日本でも報道されることはありますが、他にも州知事、市町村長、バランガイ(フィリピンの最小の行政単位)キャプテンの選挙が、それぞれの行政レベルごとにあります。

なぜ治安が悪化するのか?それは、政治が人々の生活に直結するからです。また、フィリピンの政治がらみの抗争はしばしば暴力を伴います
既存勢力がテロリストを雇い、反対勢力の集会に爆弾を仕掛けて爆発させたり、反対勢力のリーダー格の人物を銃殺したり。
普段は穏やかで平和な地方部でさえ、この時期は著しく治安が悪化し不安定化します。
私の住んでた大家さんの夫も、選挙中に銃殺されてしまいました…。日常ののんびりした様子からは、ちょっと想像がつきづらい変貌ぶりです。

2025年5月には任期が3年である州知事、市町村長、バランガイキャプテン選挙が行われることが予想されます。その頃に渡航する場合には、選挙日を調べて近い時期には行かないようにしましょう。

2022年の行われた大統領選挙ですが、任期は6年なので次回の大統領選挙は2028年5月。その前の3〜5月の渡航はやめた方がいいでしょう。おそらく同時に副大統領と上院議員、下院議員の選挙も行われるほか、州知事、市町村長、バランガイキャプテン選挙も行われます。

外国人はフィリピンの政治活動に関わることは禁止されているほか、投票日とその前日は原則として飲酒をすることも酒を買うことも禁止です。
政治関連の話題も避けましょう。どこで誰が聞いているかわかりません。

また違う意味で避けた方がいい時期としては、ホーリーウィーク(4月の連休)とクリスマス時期(12月)。ホーリーウィーク(4月の連休)は日本のお盆のように一斉に地方へと里帰りするため、どこの交通機関も渋滞。クリスマス時期(12月)休日ムードで世の中があまり動いておらず、場所によっては観光に支障があるでしょう。

● テロの危険と行ってはいけない場所

マニラ

基本的にマニラは旅行者はスルーしていい場所ではありますが、拠点にして移動するために滞在しなければならないこともあります。いくつか治安の悪いエリアをご紹介しますので、避けるか早朝・夜間の行動はできるだけ避けましょう。

・チャイナタウン(キアポ・Quiapo)周辺
あまり旅行者は用がない場所ですが、貧困層が多く住み、犯罪者も多いエリア。この周辺と川近くは行かない方がいいでしょう。

・エドゥサ(Edosa)駅周辺
北ルソンへのバスターミナルなど、ハブとなる場所でもありますが、その分それを狙った犯罪者も多い地域。特に北ルソンへは夜に出発の深夜バスなので、利用する場合にはできるだけターミナルへすぐに向かいましょう。

・マラテ(Malate)/エルミタ(Elmita)周辺
隣り合う二つの地区で、歓楽街ですがかなり荒んだ雰囲気です。
ホテルなどもありますが、空気も汚く周辺もゴミゴミしていて気持ちのいい場所ではないので、マカティやグローバルシティなどに宿を取ることをお勧めします。

そのほか安全と言われるマカティ市でも、ブルゴス(Burgos)は歓楽街で強盗被害に遭うケースも割によくあります。

セブ

・ロレガ (Lorega San Miguel)周辺
スラムでジャンキーの多い地域。特に日が落ちてからは近寄らないように。

ミンダナオ

・ミンダナオ西部全域
外務省の渡航中止勧告が出ている地域です。
フィリピンでもミンダナオ島はマレー系のイスラム文化圏で、長く独立を目指しイスラム主義テロ組織のアブ・サヤフやマウテなどのテロ活動が活発に行われています。
特にイスラムテロ組織とフィリピン軍の内紛状態だったミンダナオ中部のマラウィから、西部のザンボンガ周辺は、外国人が誘拐され首を切られて殺される事件が多発。
ドゥテルテの出身地として有名なダバオは比較的安全ですが、2016年には市場で爆弾テロが起き14名が死亡しています。
本来、ミンダナオはフルーツなどの資源が豊富で美しい島も多く、文化も非常に豊かな場所で、フィリピンでも重要な経済・文化的拠点のひとつ。早く地域の人が平和に暮らせ、治安が回復することを祈ります。

パラワン

・パラワン南部
パラワン北部のエル・ニドは世界的に有名な観光地ですが、南部にテロリストが多く、外務省から注意勧告の出ている地域。
2001年にアブ・サヤフに21人の外国人を含む観光客が誘拐され、映画にもなりました。

サマール、ビコール地域マスバテ州など

・山の中は気をつけろ!
山岳部にはよくNew People Army(NPA)という極左のテロ組織が潜伏している
ところがあります。フィリピンでは山登りなどは行う人はおらず、山へ入る人はあまりいません。
その反面、潜伏するにはちょうど良い環境のようで、特にサマールやルソン島南部、ビサヤ地域(セブ島やパナイ島など)なども含む広域の山中にNPAは分布しています。
観光地でもない山の中に入る観光客はあまりいないとは思いますが、外国人はターゲットではあるので、トレッキングなどは必ず現地の人に同行してもらうなど注意が必要です。

最新情報は、外務省の「海外安全ホームページ>危険・スポット・広域情報」を参照してみてください。


さて、今回はフィリピンの犯罪について紹介しました。
基本的には危険なエリアや時期を避けていれば、他の東南アジアと比べてしつこい客引きなども少なく、フィリピン旅の難易度はそこまで高くないでしょう。

次は「災害」、「病気」編と続けていきます!
知ることで防げる不幸は防いでいきましょう〜

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