釣りに行く言い訳と釣れなかった時の言い訳。
ここのところ精神的にもあまり調子が良くないので好きな釣りにも行こうと思う気になれないのだけど、そんなんじゃダメだと思い、休みの日に早起きして近所の川に行ってきた。
近所の川と言っても都会にある川なので……
まあ……目視して生息が確認できる魚は鯉ぐらい。
ところが釣行にあたっていろいろ調べたところ、この川にはナマズがおり、さらにはウナギも生息しており、しかもそのウナギは美味しく食べられるとのこと。
先日から100円均一で購入したルアーがたくさんある。
これらを使わない手はないな……
そう思ったボクは釣行を決意した。
でもなあ……。
精神的に調子が悪い時は何をするにも『でもなあ……』と考えて二の足を踏んでしまい、結果的には家で何もしないことが少なくない。
家にこもっていても……
釣りに行っても……
何か特別良いことがあって重い気持ちが晴れるなんてことはないのだ。
それなら好きな釣りに行った方がいい。
そうやって心を奮い立たせるのだけど……
でもなあ……
と呟いてしまう。
でもなあ……
あの『無駄なコレクション』のルアーにナマズは喰いついてくれるんだっけ?
あ。
ダメかもしれない。
う――ん。
もう素直に家にいようかな。
休日は静かにパソコンに向かってnoteの更新をした方がいいのではないか。
なんかその方が気持ちにも身体にも優しいような気がする。
いや。
もういっそのこと雨でも降ってこないかな。
だったら雨を口実に釣りに行くのを辞めることができるのだ。
てゆうか……
どっちなんだ?
釣りにいきたいのか否か。
でも釣れるかもしれないしなあ……
そんなことをぐだぐだと考えながら、時間はあっという間に過ぎて夜になってしまったから布団をかぶって寝ようとしたのだけど……
なんだか眠れない。
理由はないけどなんか不安なのだ。
これは困った。
こんなんで早起きして釣りなんか行けやしない。
ん?
早起き??
いっそこのまま起きてればいいじゃん。
結局、ボクは眠れないまま早朝、釣りにでかけた。
なんでなんだろ……といつも思うのだけど、なんで夜が明けると眠くなるんだろう。
いざ、釣りに行こうと道具を積み込んで車に乗って川の近くまで着いたら急に眠くなる。
おいおい。
さっきまで微塵も眠れなかったじゃないか。
なんか不安だったじゃん。
ああ、でもそれは今も変わんないんだけど。
でも眠い。
身体動かしたら心も少し楽になったのかな?
そんなことよりも釣りだ。
もう現地に来てしまったのだから行こう。
そう思って川に降りてみると……
小さなウグイのような魚がぱしゃぱしゃと跳ねていた。
歩きながらボクは購入したてのルアーを投げてみる。
おお。
案外、きちんと動くなあ。
これなら魚がいれば釣れそうな気がする。
さっきまでの眠さはどこかに行ったのか……。
ボクはルアーを投げながら、川の下流に向かって歩いていく。
早朝の少し冷たい空気がなんだか気持ちいい。
時折、カワセミが飛んでいたりして、なんか良いものを見たような気がした。
ああ。
朝ってなんかいいなあ。
そんなことを思いながらルアーを投げるも……何も釣れない。
時計を見ればすでに9時になっている。
すっかり夜は明けて朝の時間も過ぎて午前中の時間がやってこようとしている。
ボクは納竿することにした。
何も釣れなかった。
でもいい景色をこの身に感じることができた。
今度はカメラを持って写真を撮りに来てもいいかもしれない。
そう思うのはやっぱり釣れない時の言い訳なのだろうか?
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