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楽しみ方にはいろいろある。

 酒は天の美禄……

 酒は天が恵んでくれたありがたい贈り物という意味の言葉らしい。
 まあ、字面じづらを追えばなんとなく分かるけど。

 お酒が好きなボクにとっては、美味しいお酒は天からの贈り物という理屈はよく分かる話だ。

 とにかく美味しいと言われるお酒は実に美味しい。
 うん。
 美味しいって言われてるんだから当然の話でしょ。
 そんなふうに思う人もいるだろう。
 当たり前の話なんだけど……

 実は違う。

 お酒ほど好みが分かれるものはない。
 例えばウイスキーなんかはその最たるものではないだろうか。

 日本で最初にウイスキーを作り始めたのはサントリーの創業者の鳥井信治郎氏とニッカの竹鶴正孝氏である。
 朝の連続テレビドラマ小説でも語られていたのだけど、竹鶴氏が最初に作ったウイスキーを呑んだ周りの反応が面白い。

『どれどれ……』
『おおう……美味い。いい出来だ』
『え?』
『え?!』
『マッさん(竹鶴氏の愛称)、これ煙臭いよ』
『それがいいんじゃないか』
『いやあ……これは……』

 あのスモーキーな味わいのウイスキーは癖のない日本酒を飲み慣れている日本人には厳しかったと思う。現にボクもウイスキーが好きになってきたのは何回かいろんなウイスキーを呑んで味の奥行きやスモーキーな味わいに慣れてきたあとである。

 それにウイスキーは基本的にはお酒だけをゆっくりと楽しむものだが、日本酒は一緒に食事を楽しむものでもある。

 こういったお酒に対する文化の違いもあって、当時はウイスキーは好んで飲まれなかった……というようなことがドラマでは語られていたがまったくもってそれはその通りである。
 つまりは、美味しいとされているお酒でも、飲み方や好みによってはあまり好まない人もいるということだ。
 基本的に呑めない人はお酒を美味しいとは感じないという事実がそれを物語っているのではないだろうか。

 そういう事実を踏まえて考えるとお酒ほどこだわりの詰まったものはない。
 どのお酒にもそれなりに歴史もあるし、作り方にもこだわりがある。

 酒蔵見学など行くと試飲以外にもそういうことを教えてくれる。

 お酒というのは呑むだけでなくそういう背景を知るのも楽しみの一つなのだ。

 呑みに行って酔って楽しみたいという人は少なからずいるだろう。
 でもそういうパーティー的な楽しみ方は別にお酒を呑まなくてもできる。そしてそういう席でお酒を飲みすぎてしまい失敗をしてしまうということもよく聞く話で、お酒にはそんな弊害もあるのだ。

 弊害と言えば……なんでお酒を呑んで人と喧嘩したり暴力を振るったりする事件を耳にするたびに悲しい気持ちになる。
 そんなことをするのはお酒に対する冒涜である。

 目を楽しめせ、心を楽しませ、舌を楽しませてくれるのがお酒ではないか。

 そう。
 目を楽しませ……という部分に着眼して少し話したい。
 それはお酒の見た目である。
 見た目と言っても、香り以外は透明か琥珀、ビールなら小麦色、ワインなら赤色……そんなところだろうか。

 そういうところの見た目も確かに面白いのだけど、お酒の楽しみ方はそこだけではない。
 お酒が入っている瓶やラベルを見てほしいのだ。
 まさに様々な種類の瓶やラベルがある。
 お店で並んでいるのを見るだけでちょっとした美術館にいるようだ。

少しずつ試飲してみたい

 写真はウイスキーが並んでいるのだけど、これが焼酎とか日本酒、ワイン、ビールでも面白い。
 てゆうかこんなにたくさん種類があるんだ……とあらためてびっくりさせられる。

すごい洒落た感じでずっと見てても飽きない。

 こうやって試飲できるとなるとさらにいい。

 お酒には呑む以外にも楽しみ方がある。
 あまり呑めない人もこうやって眺めて楽しんでみてもいいのではないだろうか。

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