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自堕落飼い主は、家を飛び出して、カフェにやってきた。

わたしは、カフェで、このnoteを書いている。大事なので、もう一度。このnoteは、カフェで、書いている。

大好きだったカフェタイムを、コロナが奪っていって、およそ、2年が経とうとしている。コロナの世になって、外食したのは、なんと、両手で数えて、足りる程度。

強迫症ホルダーのわたしには、毎回の外出が、「アラサー、四季折々の大冒険」だった。(13歳、真夏の大冒険にちなんで。ちなむな。)

マスクを一度も外さなくても、不安。他人と肩がぶつかったら、とにかく不安。ショッピングモールは、ウォーキングデッドの世界に迷い込んだレベルに、不安。家族との外食も、泣きそうなくらい、不安だった。

帰宅してから、何十回も手を洗い、うがいをして、祈るように、1週間を過ごした。この世界になって、強迫症を、強く自覚する出来事が多すぎた。

少しずつ、日常を取り戻して、ワクチン接種を終えた今、やっと、強迫症の症状が緩和してきた。その代わり、この2年を通じて、元来の出不精が、急加速してしまった。テスラの加速並みに、アクセルを踏むと、一気にトップスピードに達した。

今日は、朝、起きた瞬間から、なにもする気が起きなかった。華麗なる二度寝を決めたものの、家に、食べるものがない。食糧難というのか、兵糧攻めというのか。

亀の餌は、栄養バランスを考えて、2種類も用意しているが、人間としての尊厳を、まだ、捨てるわけにいかない。

仕方なく、コンビニと、ケーキ屋さんに、出立する。(尊厳以上のものを満たそうとしている、アイ・アム卑しき人間)ほぼ、パジャマの状態で。

ケーキ屋さんのケーキって、美味しさと引き換えに、想定外に、高かったりしない?

2つ買ったら、野口英世1人グッバイ。グータンヌーボを見ながら、野口英世1人分のケーキを貪り、グータラしてたら、すっかり夕方。

飼い主は気付いてしまった。こういう、廃人を極めた日の方が、精神状態が、悪い。(そりゃそうだろ。)脳ミソに、虫湧いたみたいな日は、ろくなことを考えない。(虫湧いてたら、そりゃね。)

大地震が起こって、水槽がひっくり返り、愛亀が死んでしまったらどうしよう。明日から、愛亀と一緒に、出社した方が良いだろうか。

会社にいたら、すぐに帰ってこられるだろうか。浸水して、賠償請求されたら、どうしよう。火災保険は適用されないから、個人賠償責任保険に、加入した方がいいだろうか。

そんなことをグルグル考えていると、やっぱり、何度も、手を洗いたくなる。そして、尿意がないのに、何度も、トイレに行きたくなる。(泌尿器科に行け。)電気も、付けたり消したりを、繰り返してしまう。(イルミネーション。)

今週一週間、ダメ人間を、引きずらないために、家を出よう。本日、初歯磨きをして、初着替えをして、顔も洗わずに(洗わんのかい)眼鏡を装着して、Wi-Fiが繋がっている、カフェレストランに来た、という運び。

想像以上に、外の世界って、気分が良い。職場の愚痴をぶちまけるご婦人もいれば、マッチングアプリで出会ったであろう男女が、会話を弾ませている。(わたしは、聞き耳を、立てている。)

誰も、わたしになんて、興味がない。こんな外の世界って、サイコー。美味しそうなピザの香りが、食欲をそそる。そういえば、今日は、野口英世1人分のケーキと、ピザポテトと、かぼちゃプリンしか、食べていない。

人間は、何もしていなくても、腹は減るし、尿意をもよおす。自堕落に過ごしても、余計な感情を抱くし、心が擦れる。ヒト属ヒトは、思考を手に入れてから、なんとも、欲張りな生き物だ。

やっぱり、来世は、亀になろうと心に決めて、鉄板ナポリタンを頼むために、ピンポンボタンを押す。この、ナポリタンを食べるまでは、どうか、人間で居させてください。アーメン。




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