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飼い主は、卑しく、徳を積む

せっかくの土曜日なのに、なんだか、憂鬱。まるで、喉に、魚の骨が刺さったときのように、気にしないことが、気になるに、油を注いでいる状態。気にしないと思っている時点で、めちゃくちゃ、気になっているって、それ。

そう、月曜日に、子宮頸がんの定期健診が、待っている。もう、6年も前に、初めて、子宮頸がん軽度異形成の診断を受けてから、軽度と、中等度を行き来しながら、今は、3か月に一度、細胞診を受けている。

1年前に転院するまでは、半年に一度、それはそれは痛い、組織診(おまえ、どうせ、毎回異常あるんだから、最初から精密検査スタイル)をしながら、フォローを続けていたが、今の病院では、3か月に一度の細胞診で、異常が出ても、毎回、精密検査をするわけではなさそうだ。

何度やっても慣れる検査ではないので、どうやって回避しようかと、毎回考えあぐねている。(アンサーは出ない。)そんなに毎回、おまたの細胞をむしり取られては、そのうち、おまたが無くなってしまう。と、意味わからんことを考えて、自分を納得させる。(それでも、キャンサーは消えない。)

今年の1月に、精密検査という洗礼を受けてから、2回、細胞診で異常が出ていたものの、奇跡的に、精密検査を免れた。(タイミング的に先延ばしになっただけで、良くなってはいない。アーメン。ご焼香。)そのため、今回、異常が出たら、即刻、精密検査送りだろうと、先にビクビクガクガクプルプルしている。

実は、今年の年末に向けて、初めての大型プロジェクトが始動した。その名も、「愛亀の里帰り」。え?読めない?「Aigame no satogaeri」。

kotosi no owari は、(なんとなくセカオワ感あったけど、普通に、今年の終わりと言え。)愛亀を連れて、帰省して、一緒に除夜の鐘を聞く予定でいる。そのため、飼い主は、今から、帰省準備に追われている。(※亀の)

今日も、移動用のジャストサイズタッパー(この中にミズゴケを入れて、流れるプール状態を回避する)の蓋に、窒息防止用の、穴を開けていた。(グラスホッパーじゃない、言いたいだけ。)

そんなとき、水槽の淵に、ミツバチが止まった。いや待て、どうして、家の中に、ミツバチがいるのだ。全国各地の養蜂所から、ミツバチが消えたというニュースを見たが、養蜂所のみなさん、我が家に、一匹、逃げだしてます。

愛亀との、愛の巣に、他の生物が紛れ込むなんて、許せない。ただし、相手は、蜂。幼少期に、幼馴染とイモリ取りに行った、薮の中で、アシナガバチに刺されて以来、蜂は、この世の天敵。(結局、イモリは取れず、蜂に刺されたあと、幼馴染の家で、ゲームをしていたところ、噂を聞きつけた祖母に、捕獲され、病院に連行された。)

そうだ、ハンディクリーナーで、吸い取ろう。一度で仕留めるべく、蜂の背後から、慎重に、近づく。スイッチを入れる。ブイーーンと音が鳴る。見事、一度で、吸引に成功。

クリーナー内部で、状況が呑み込めず、蜂が、右往左往している。おそらく、このままにしておけば、クリーナーの中で、ご臨終を迎える。

そうすれば、この憎き蜂のことなど、もう考えなくてよい。それでいいではないか。いや、ちょっと待て。明後日は、子宮頸がんの検査ではないか。その直前に、殺生なんて、生きとし生きるものの怒りに触れて、悪しき結果を招きかねない。

逃がそう。この蜂を、生きたまま、逃がそう。しかし、蜂は、クリーナーの中。考えあぐねた飼い主は、ひとつの答えにたどり着く。

「ベランダに、クリーナー内部のゴミをすべて排出して、蜂以外のゴミを、もう一度吸い取る」。その名も、リリース&キャッチ方式。これぞ、まさに、アンサー。

蜂は、目が回っていて、はじめは、上手く歩けなかったものの、しばらくすると、元気に、ベランダから大空へ、飛んでいった。ベランダのゴミも、再吸引した。

どの命も、平等に、大切だ。なんだか、とても良いことをしたような気がする。もう二度と、ヒト属ヒトの家に入るんじゃないぞ。さて、窓を締めようというときに、今度は、小さい子虫が、家の中に飛んで、入ってきた。

カエサル、おまえもか。と言わずにはいられなかった。(違う)

この子虫は、両手で叩きつぶすことも出来る。でも、それでは、蜂を生かした意味がない。

なぜなら、わたしは、精密検査を回避したい。徳を積むしか、方法はない。(これも違う)結局、子虫にも、リリース&キャッチ方式を適用して、この世に返してあげた。

これだけ、徳を積めば、検査結果も、安泰だ。明日も、気を抜かず、徳を積もう。徳、徳、徳。

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