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シミ第1号ができてしまったあなたへ、5分でわかる美白有効成分まとめ【成分検索用】


初めてシミができてしまった…

シミ第1号ができてしまったというあなた、
このままどんどんシミ増えてしまうのでは…と不安ですよね。
その不安はごもっともで、シミと年齢の関係性を示した調査データ(図1)を見てみると、年齢が高くなるほどシミの個数も多いということがわかります。

図1 シミと年齢の関係 (n=326)
Skin Code,inc. 調べ

「年齢と共にシミが増える」は仕方ないにしても、なんとか少しでもシミが増えることを防ぎたいですよね。

今回の記事は、
・初めて美白化粧品を使ってみようと思っている!
・美白化粧品いろいろあるけど、違いが分からなくて選べない!
という方に向けて、
シミへのアプローチ方法や美白化粧品に配合されている成分を種類別にまとめてみました。
是非、美白化粧品選びの参考にしていただければと思います。

そもそも「シミ」とは?

シミとは、メラニンという色素が肌内部に蓄積し、肌表面が褐色-暗褐色などに見える状態のことを言います¹⁾²⁾。
メラニンの本来の役割は”紫外線から皮膚を守る”ことで、”天然の日焼け止め”と言われることも。決して悪い物質ではないのですが、過剰につくられると「シミ」として肌表面に現れます。

シミが発生する原因は?シミの種類は?

原因は、よく知られている紫外線をはじめとし、摩擦や乾燥などの外的要因から、女性ホルモンや加齢、遺伝などの内的要因など、様々です²⁾³⁾。

シミは、原因や形状などによって分類されています¹⁾²⁾。
代表的なものとしては、
・老人性色素斑(日光黒子)
・炎症後色素沈着
・肝斑
・雀卵斑(そばかす)
といったものがあります。 (シミの種類については、別の記事で詳しくまとめますね)

次に、シミがどのように出来上がるか、そのプロセスについて解説します。

シミ発生までのプロセス

様々な原因によって、<肌内部にある色素細胞(メラノサイト)内のチロシナーゼという酵素の働きが高まり、メラニンが過剰に作られること>が、シミ発生のプロセスの1つとして知られています。

少し具体的に説明すると、以下の通りです⁴⁾⁵⁾。

図2 シミ発生のプロセス

①紫外線など様々な原因によって、”活性酸素種”という刺激物質が発生する
②表皮細胞(ケラチノサイト)内で、様々な”情報伝達物質”が産生される
③表皮細胞(ケラチノサイト)から色素細胞(メラノサイト)に信号を伝達し、”メラニン”の合成に関わる酵素”チロシナーゼ”の働きが高まる
④色素細胞(メラノサイト)内で、”メラニン”の産生が促進される
⑤色素細胞(メラノサイト)から表皮細胞(ケラチノサイト)に、”メラニン”が受け渡される
⑥表皮細胞(ケラチノサイト)内の”メラニン”が、ターンオーバーによって排出される

メラニンが過剰に産生されたり、ターンオーバーによる排出が上手くいかなくなることで、メラニンが肌内部に蓄積・沈着し、シミになります。

シミへのアプローチ方法とは?

シミ発生を防ぐためのアプローチポイントは、複数あります。美白有効成分はそれらの様々なアプローチポイントに作用し、シミの発生を防ぎます。

アプローチポイント

先程の図2を用いて代表的なものを紹介しますと、

図2 シミ発生のプロセス

②に対して :情報伝達物質の生成を抑制したり、働きを弱める
③④に対して:チロシナーゼの合成を抑制したり、働きを弱めたり、分解する
⑤に対して :表皮細胞へのメラニンを受け渡しを妨げる
⑥に対して :ターンオーバーの促進などによるメラニン排出の促進させる

があります⁶⁾。
多くの化粧品会社で研究が日々行われていて、新しいアプローチ方法が開発されています。(こちらもいずれ記事にしたい!)

アプローチ別の美白有効成分一覧

それぞれのアプローチポイントに対して、どの美白有効成分が作用するのかをまとめました¹⁾⁶⁾⁷⁾。

※補足:美白有効成分とは<厚生労働省に医薬部外品として色素沈着抑制効果と安全性が認められた成分>のことを指しています。

② 情報伝達物質の生成を抑制したり、働きを弱める
・トラネキサム酸(t-AMCHA・m-トラネキサム酸)
・カモミラET
・トラネキサム酸セチル塩酸塩(TXC)
・4-メトキシサリチル酸カリウム塩、トラネキサム酸(抗メラノ機能体)

③④ チロシナーゼの合成を抑制したり、働きを弱めたり、分解する
・ 3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)
・リン酸L-アスコルビルマグネシウム(APM)
・リン酸L-アスコルビルナトリウム(APS)
・L-アスコルビン酸 2-グルコシド(AA-2G)
・テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルEX(VC-IP)
・アルブチン
・トラネキサム酸(t-AMCHA・m-トラネキサム酸)
・4-メトキシサリチル酸カリウム塩(4MSK)
・4-メトキシサリチル酸カリウム塩、トラネキサム酸(抗メラノ機能体)
・5,5′-ジプロピル-ビフェニル-2,2′-ジオール(マグノリグナン)
・4-n-ブチルレゾルシノール(ルシノール)
・トラネキサム酸セチル塩酸塩(TXC)
・リノール酸S(リノレックS)
・コウジ酸
・エラグ酸
・プラセンタエキス(1) or プラセンタエキス(2) or プラセンタエキス(3) or 水溶性プラセンタエキス(プラセンタ)

⑤ 表皮細胞へのメラニンを受け渡しを妨げる
・ 3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)
・リン酸L-アスコルビルマグネシウム(APM)
・リン酸L-アスコルビルナトリウム(APS)
・L-アスコルビン酸 2-グルコシド(AA-2G)
・テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルEX(VC-IP)
・ニコチン酸アミド(D-メラノ)

⑥ ターンオーバーの促進などによるメラニン排出の促進させる
・4-メトキシサリチル酸カリウム塩(4MSK)
・4-メトキシサリチル酸カリウム塩、トラネキサム酸(抗メラノ機能体)
・アデノシン一リン酸二ナトリウムOT(エナジーシグナルAMP)
・リノール酸S(リノレックS)
・プラセンタ
・デクスパンテノールW(PCE-DP、m-ピクセノール)

※成分名は、全成分表示で使用される「医薬部外品表示名称」で記載。
 ()内は、ブランドサイト等で使用される「愛称」で記載。

本当にたくさんの成分がありますよね。
流石に覚えることは難しいと思いますので、美白化粧品を選ぶ際に参考として再度見ていただければと思います。

自分に合う美白有効性成分、美白化粧品を探してみてください

今回の記事では、シミへのアプローチ方法と美白有効成分をまとめました。

シミ発生時、どのプロセスに問題がありそうかは人それぞれのため、「初めてシミができた方は、このアプローチ/成分!」ということは言えません。
ただ個人的には、成分や商品の数・種類が一番多くて試しやすい<チロシナーゼの合成を抑制したり、働きを弱めたり、分解するアプローチ>が、初めてのシミケアとしてはじめやすいと思います。
是非、今回のアプローチ別の成分一覧を参考にしながら、美白化粧品を使ってみて、自分に合うものを探してみていただければと思います。

ご紹介したシミへのアプローチ方法や美白有効成分などは、直近60年の研究で、劇的な変化がありました。
もし、美白化粧品の歴史も気になる!という方は、こちらの記事も是非ご覧ください。

(成分を肌に届けるための化粧品の処方(レシピ)技術なども、長年研究・開発され進化し続けていて、本当に興味深く、いずれ記事にしたいと思っています!)

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
もし、日々のスキンケアで疑問に思うこと・困っていることなどあれば、リクエストしていただければと思います!

執筆:小笠

<参考文献>
1)パーソナルケアハンドブックⅠ, 日光ケミカルズ株式会社, 534-550, (2016)
2)化粧品用語集「しみ」, 日本化粧品技術者会 (参照:2023/9/19)
3)あたらしい皮膚科学 第12刷, 清水宏, 265-268, (2008)
4)化粧品辞典, 村田誠四郎, 日本化粧品技術社会 編, 丸善株式会社, 95-99, (2003)
5)色素沈着・シミくすみ定着メカニズム, 株式会社きれいテストラボ (参照:2023/9/19)
6)美白スキンケアの市場分析調査, TPCマーケティングリサーチ株式会社, 4-11, (2017)
7)美白成分の解説と成分一覧, 化粧品成分ジャーナル (参照:2023/9/19)

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